体験記

クリエイト速読スクール体験記 '04

どのような変化が起きたのか?

慶応義塾大学 総合政策学部4年  柴本 翔

1 きっかけ

<読むのが遅いのに、大量の文献を読ませられた留学生活>

 在籍している大学の交換留学生として、1年間海外の大学で勉強していました。そこでは毎日何十ページにもおよぶ文献を読まなければならず、一日の相当の時間を読書に当てていました。私は昔から読書があまり好きではなく、本を読む習慣がなかったので読書速度は遅く、そのためますます読まなくなるという悪循環に陥っていました。そんな私が大量の文献と向かい合う留学生活は悪戦苦闘の日々そのものでした。留学生としての“楽しいキャンパスライフ”なんてどこへやら、とにかく大変の一言に尽きます。「スピーディーに読書ができたら、どんなに時間が有効に使えるだろうか」との思いが、いつもつきまとっていました。

 5月に交換留学から帰ってきたものの、大学の春学期には途中から入ることはできず、秋学期が始まる9月までぽっかりと時間があいてしまいました。そんなとき目に止まったのが新聞の折り込みチラシ。通信教育での速読講座の紹介でした。留学中の思いが頭をよぎり、これをきっかけに速読について調べてみることにしました。

2 なぜクリエイトか?

<中身が濃くて楽しい授業と自由な受講時間が高ポイントに>

 調べるうちに、通信講座以外にも速読訓練用の本やPCソフトがあることを知りました。ただ私は自分自身で最後までやり遂げるほど根性があるとは思えないし、そばにコーチがいないのは不安だったので、実際に先生が速読の方法を教えてくれる学校を探してみることにしました。

 学校を選ぶ際に私が重視したのは、①授業内容②開講時間帯③授業料です。

① 授業内容

 クリエイトに決めた大きな理由が授業内容です。まず<1>無料体験レッスンで実際の授業雰囲気を肌で味わえる。<2>実際に無料体験レッスンを受け、クリエイトは他の学校よりも豊富な教材を使い、90分のレッスンがあっという間に過ぎてしまうほど楽しい内容であることがわかった。<3>スタッフの応対が自然で感じがよい。しつこい勧誘がなかったのが好印象。<4>クリエイトは速読だけではなく、記憶法まで一緒になって教えている点です。もともと外国語に興味があった私は新しい単語を一瞬で覚えられたらいいなあと、虫のいいことを考えていました。クリエイトのイメージ記憶訓練は、私の理想を叶えてくれそうなプログラムのうえ、速読と記憶法が一緒になっている教室はここしかなかったので、「クリエイトがよさそうだな」と魅力を感じ始めました。

② 開講時間帯

 これがクリエイトに決めた最大の理由です。午後1時から夜まで(私は昼会員なので平日1時から6時まで)いつでも予約なしで行けるのが非常に便利です。このシステムだったら、空いている時間が一定ではない私でも最後まで続けられそうだなと思いました。速読は短時間で習得できるものではありませんが、根気強く練習していけば必ず身につくと思っていました。だからこそ思いたったときに手軽に通えるクリエイトのシステムが大きな味方になるはずと思いました。

③ 授業料

 昼間のレッスンで比べてみたら、どこよりもリーズナブルな値段でした。
 以上、①~③に納得して、最終的にクリエイトを選びました。

3 どのような変化が起きたのか?

<読書速度の伸びとメリハリ、本への興味、暗記や集中力がつく>

①入学当初私の読書速度は毎分1200字前後(体験レッスン終了時、相当速いと言われました)でしたが、第25回目のレッスン中の現在、毎分3900字まで伸びました。また以前は全て大体同じスピードで読んでいたのですが、今では重要な部分はゆっくり読み、その他の部分は流し読みをするという具合に読書速度にメリハリがつきました。最終回までにどこまで伸びるか楽しみです。

②読書速度の向上とともに本が身近なものになりました。今ではどこに行くにも本は欠かせません。小さいときに本を読む習慣がなかったのですが、速読のおかげで周りに遅れをとった分、読書量はらくらく挽回できそうです。

③クリエイト独自のイメージ記憶訓練のおかげで暗記が得意になりました。これは外国語の勉強に大いに役立っています。外国語の学習(英検1級取得)で大きなウエイトを占めるのが単語量です。短時間に大量の単語を暗記できる能力は大きな助けになりますし、学習意欲も向上させます。

④集中力がつきました。授業では短時間で大量の情報を脳にインプットしなければならないため、当然集中力がつきます。机に向かっているときはもちろん、電車内でも従来は車内放送や人の会話が気になって勉強に集中できませんでしたが、今では車内が私の大事な書斎となっています。

⑤意外な副産物ですが、球技がうまくなりました。速読は眼の筋肉トレーニングをします。そのため読書だけではなく目を使うものであれば、何でも応用が利きます。まず周辺視野が広くなったため、街を歩いていてもさまざまな情報が一度に目に入るようになりました。実は、私は野球が好きでクリエイトの教室の近くにあるバッティングセンターに通っていますが、このところポンポンいい球を飛ばすのです。速読と野球は一見関係がなさそうですが、クリエイトのレッスンのおかげで球をはっきり見ることができるようになり、空振りもぐんと少なくなりました。もちろん野球だけではなくテニスやゴルフにも応用できると思います。

4 最後に

<無料レッスンで体験を。速読は役立ち度の高い技術と確信>

 以上は私の体験です。文字では表現するのに限度がありますし、クリエイトに対する感想は人それぞれのはず。だからこそ興味があれば、無料体験レッスンを受講されることをおすすめします。

 またクリエイトには私のように「スピーディーに読めればいいな」くらいの気持ちで来始めた人から、明確に目標を定めて通っている人まで幅広い目的の方々が通っています。目的・目標は何であれ、速読は一度身につければ、その役立ち度の高さははかりしれません。現在レッスン中の私でもそう感じ始めているのですから。
 巷にはあらゆる資格や能力開発があふれ、中には首を傾げたくなるものもあります。実践的で勉強の成果が実感できるクリエイトのプログラムは、そんな中でも極めて“お得な”メソッドといえるでしょう。

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何より、本を読むのが楽になりました

唐澤 麻子

友人に薦められて

 クリエイト速読スクールに通い始めたのは、 クリエイトに通っていた友人の話に魅せられたからです。 伸び悩んでいたTOEICの点数が 990点満点近くまで伸びたこと、うんざりしていた長文読解が時間が余るくらいにすらすら読めるようになったこと、 そして何より、日常の会話で「クリエイトで○○という本を読んだんだけど~」と語る友人の読書ワールドに引き込まれました。速読教室かあ……。がぜん興味がわいてきました。

 「速読教室に行ったら、本当に速く本が読めるの? 私、実は、本を読むのが遅くて……」私は友人に悩みを切に訴えていました。「それなら、クリエイト、お薦めだよ! 速く読めるようになるし、楽しいよ!」実際に通っていた友人が力強く言うので、速読教室の成果を信じてみようと思いました。

私の読書暦

 私は読書嫌いでした。小さい頃からあまり本を読んだという記憶がありません。両親がたくさん本を買ってきてくれましたが、あまり読む気になれませんでした。少し読むと飽きてしまうのです。国語のテストはいつも赤点スレスレで、 “次の文章を読んで~”の問題を読むのさえめんどうでした。もちろん読めないから書くのも苦手です。大学の卒業論文は筆が進まず規定の枚数までなかなか届かず不眠症になりました。救いようのない読書嫌いでした。

 大人になってから、どうして、私は本を読んでこなかったのだろうという場面に何度となく出くわしました。 外国人に歴史や政治について聞かれてもまともに答えらず立ち往生してしまったときとか、何か決断しなければならない大事な場面で、自分の狭い視野でしか判断せざるをえなかったときなどは特にその思いを強くしました。また、本屋では、雑誌コーナーでしか立ち読みしない自分を情けなく思うこともありました。

各訓練について

 さまざまな習い事をしてきた私ですが、これほど夢中になれ、達成感のある授業は初めてでした。小学生から大人までいろいろな年代の人たちが一斉に、速読のためのいくつかの訓練に挑むのも刺激的です。1時間半の授業は真剣そのもので、あっというまに時間がたちます。

 たとえば、かなランダムシート訓練は、「あ~ん」までの48文字がランダムに散らされていて、時間内に50音順に目で追っていき、何個探せたかという訓練です。最初の頃は、凝視しても凝視しても、「え」ぐらいまでしか見つからず、冷や汗を書きました。毎回、記録カードにどこまで探せたかを記入するのですが、記録を伸ばすために必死に取り組みました。30回受講した現在、「の」ぐらいまで探せるようになりました。よくできる人に比べればまだまだですが、最初が「え」なんですからどれほど進歩したかと自分では喜んでいます。
 ロジカルテストではA、B、Cのうち、どれが一番速いとか、近いとか、頭の中で三者の関係を不等号で組み立て、時間内にできるだけ多くの問題を解いていきます。簡単なようで、考えすぎると頭が混乱し、久しぶりに頭を使いましたと思わせるような訓練です。 この訓練後はふだん眠っている神経細胞がたたきおこされたような気分になり、頭がすっきりします。
 イメージ記憶訓練も印象的でした。全く関係のない2つの単語を時間内に記憶し、書き出していきます。自分の知識や過去の経験を総動員して、2つのイメージを必死に結びつけます。結びつかない単語は、結びつくように理由を作ったりと、取り組みがいのある楽しい訓練です。慣れない訓練に最初の頃はとまどい、頭が痛くなるこ もありましたが、次第に余裕を持って取り組めるようになりました。

クリエイトに通ってみて

 クリエイトに通いだして1カ月半、ちょうど30回の授業を終えました。速読訓練の効果は……。読むのが速くなりました。記録上では約5倍に ( 実感としては3倍くらいかな ) 。そして何より、読むのが楽になりました。 サッケイドシート訓練という目の反応をよくする訓練を行ったので、目がよく動くようになりました。 以前のように、一字一句丁寧に拾っていくような非効率的な読み方ではなく、流れるように読んでいけるようになりました。 ページをめくる手も忙しいです。目も頭も心もすらすら動いていくような、そんな軽やかな感覚です。

 本を開いたときの感覚が今までとは全然違います。本を開いたとたん、文字が飛び込んでくるような感覚で、どんな環境でもスッと本の世界に入っていけるようになりました。細かい字の長編小説も、読むのがめんどうくさいと感じる前に、違和感なく目が文字を追っていきます。以前だったら理解しずらいようなまわりくどい文章も、それほどつまずかずに読んでいけるようになりました。 ロジカルテスト や、 イメージ記憶訓練 を通して、一定時間の中で集中して考える力がついたせいだと思います。一連の訓練は、ふだんあまり使わない脳の機能を活性化させるような訓練なのかもしれません。

立ち読みも楽に

 クリエイト速読スクールに通ったおかげで読書が好きになりました。図書館や本屋に立ち寄ったとき、 本棚に並んでいる本のタイトルが自然と目に入り、あれもこれも読んでみようという気持ちになったのには本当に驚いています。 立ち読みも楽になりました。一番長いコースだから、まだ30回も授業が残っています。仕事からひととき離れ、読書の世界に浸れるクリエイトの授業が楽しみです。

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「なぜクリエイトか」の問に答える

東京外国語大学 仏語学科1年  清水 雄大

「速読」を取り巻く環境について

 速読というと、どうもインチキくさいイメージがつきまとっている。なぜだろうか。

 以前、僕が書店でもらったある速読教室のチラシには、「受講すれば、誰でも、楽に、 1万字 / 分を達成できます」といった内容が書いてあった。 1 万字 / 分というと、新書1冊を 15分~ 20分で読める計算になる。また、「どうやってか読むのか」の問いには、右脳式速読の結果と書いてあった。潜在能力の類である。証明しようがないのではと毎度のことながら思った。

 また、こんな話もある。ある著述家が速読教室の経営者に、ヘーゲルの「法哲学」という本を速読してくれと頼んだ。ヘーゲルの「法哲学」というと、ドイツ観念論も極みに達し、極度に抽象化された、きわめて難解な本である。もちろん速読など無理な話で、やはりその経営者も無理だと断ったそうだ。しかしその著述家のアタマは「速読=インチキ」との考えに占められていて、やっぱり速読はインチキなのだとの結論が、そこでは下されていた。

 以上の話をまとめるとつまり、こういうことになる。速読を取り巻く環境は二重の意味で悪いということだ。その理由の一つ目は、速読教室みずから「 1 万字 / 分で本を読むことなんて楽勝」と、僕の体験から考えても、常人にはムリに思える速読があたかも通るようにあおっているから。 そして二つ目には、一つ目にあげたような、速読教室のあおり文句を真面目に受けとって、その「広告」に対して反論している人がいるから。 以上の結果、「速読」はインチキくさいものとの合意に、なんとなく達してしまったのである。

クリエイトの「速読」

 前述したように、「速読」はいかがわしい、という風潮が漂っている。ではクリエイトの速読もそうなのかというと、もちろん違う。違うから僕も通っているし、体験記も書いているわけだ。すると、クリエイト速読スクールといわゆる速読教室との違いは何か。

 世間の速読教室は「右脳」やら「潜在能力」の開発を重点においているのに対して、クリエイトは、「眼球運動」や「識字範囲」、「文字の認識」、「イメージ」の能力を地道に伸ばすことに尽力している。僕は潜在能力の開発を全否定はしないが、まだ手探りの状態の分野であるとは思う。一方、視覚のトレーニングは、近年スポーツでも取り入れられているように、実績のある分野だ。卑近な例ですまないが、僕自身、スポーツビジョンのトレーニングと称して色々トレーニングをしてみたことがある。そして、実際に成果が出た。だから、クリエイトのメソッドを信頼する気になったのだ。

 閑話休題。つまり、クリエイトのメソッドは成果を確実に期待できる、ということだ。

 また一字一句全ての文字を同じように読むというような無茶な速読は、クリエイトが期待するところのものではない。主題やキータームを叙述しているところは、理解できるように読む。そして、主題の言い換え部分は素早く読み進めていく。読み方にアクセントをつけることで、結局速く読み終える。しかもパラグラフ間の論理的つながりがよくわかるようになる。それがクリエイトの言う速読であると僕は理解している。 これは正統派の読書法とクロスオーバーしている部分である。

 科学的にも読書法的にも理に適っているクリエイトの説明は、僕を魅了した。僕の速読観は一変して、速読に興味をもつようになった。その後、クリエイトに入塾して今に至っている。

 参考までに僕の進歩を付け加えておく。新書は 1 冊 40分弱で読めるようになった。もちろん、人に読んだ内容をきちんと説明できる理解をともなって、だ。小説は、300ページくらいのエンターテイメントの文庫なら 30分で味わうことができる。しかし、今読んでいるサルトルの「嘔吐」という小説は、 1時間かけても半分しか読めていない。 また、僕が主に読む本は哲学書だが、カントの「純粋理性批判」は一日かけても上巻の半分も読めなかった。 読む本の難易に応じて読むスピードは変わるのだ。

 1分間何万字などという軽薄なものよりも、一日中本を読み続けられるような体力 ( 読書力 ) を身につけられる教室があるということの方が、ずっとセンセーショナルだと僕は思うのだが。

感想

 気がついたら、フツーの体験記とは一風違うものが出来上がってしまった。だが、僕の速読に対する思考の変遷という点では、これは立派に体験記になるはずだ。 それに、「なぜクリエイトか」の問に答えるのには、この形式でも十分だと思っている。 長々と書いてしまったが、最後に一言。何らかの結果を出すためには、あなた自身がまず行動にでなければならない。クリエイトの方法は、真面目にやれば必ず結果を残す。あなたも一口いかが?

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集中できて楽しいBTRメソッド

東京大学薬学部2年  深津 幸紀

BTRメソッドとの出会い

 僕がクリエイト速読スクールのBTRメソッドと出会ったのは、高校1年生の夏休みだった。当時、 SEG という大学進学塾に通っていた僕は、夏期講習のパンフレットに「速読による能力訓練」という案内と講座内容が載っているのを見つけた。「3時間レッスン×5日連続」という短期集中的なものだったが、それなりに満足したのを覚えている。

 当時思ったのは、「たしかにこれらのトレーニングを続ければ、各種のスキルは上がるだろうが、続けなければだめだろうな」ということだった。本を読むことも少なく、速読に時間を割くのももったいないと考えた僕は、それからしばらく、速読とは無縁な生活を送ることとなる。

BTRメソッドとの再会

 BTRメソッドとの再会を果たしたのは、大学1年生の春休みのことだった。ふと立ち寄った書店にあったパンフレットのラックの中に“クリエイト速読スクール”の文字を見つけたのだ。「懐かしいなー」と思いながら帰りの電車の中でパンフレットを読んでいた僕は、次の日には『もう1回通ってみようかな』と思い始めていた。

 というのは、そのときの僕は 『大学生で時間があるうちに、一生を通して役に立ついろんな意味での基礎体力を身につけたい』 と考えていて、速読はぴったりだと感じたからだ。
 また、大学の講義では課題として本を読む機会が多く、速読の必要性を感じていたのも大きな理由だった。さらに、よくわからない速読教室が多い中で、クリエイトは SEG と提携しており、信頼度が高かった。そんなこんなで池袋のクリエイト速読スクールに通うことにした。

SEG について

 SEG には大学受験が終わる直前までお世話になった。僕がこの塾を選んだのは、ただ入試問題を解くだけでなく問題の背景にまで深く踏み込んで授業をするところが好きだったからだ。大学入学後にも役に立つ「ものの考え方」について触れられるのも、自分にとっては魅力的だった。開成・桜蔭・筑駒に代表される有名進学校の生徒が多数在籍していて、良い意味での刺激が得られ、信頼度も抜群に高かった。

受講を決意するまで

 クリエイト速読スクールの体験レッスンに行ってみて驚いたのは、5年前に僕が夏期講習で残した SEG での訓練の記録カードを保管してあったことだ。電話もかけずに行ったのに、すぐに体験レッスンを受けられたのにも驚いた。授業が行なわれる教室はうっすらと心地よい音楽が流れていて、講師と生徒との距離も近く、集中しやすい空間となっている。受講している生徒も小学生から社会人まで幅広く、どんな人でも気軽に来られる教室であることがうかがえた。

 レッスンの内容は、速読のための訓練と記憶力アップのための訓練とが、退屈しないように組まれていて、90分があっという間に過ぎてしまう。 集中しているせいなのか、本当に時間が過ぎるのが早かった。「こんなに集中できるのだから、続けられる」と確信した僕は、すぐに受講手続きを取った。

受講する際の心構え

 速読のレッスンは夏休みを利用して集中的に通った。だいたい30回くらい受けると、見え方が違ってくると言われたからだ。このときに注意したのは毎回目標を立てて授業に臨むことだった。たとえば、「どれか1つでもいいから、前回の訓練の数値を超えよう」といった具合だ。ほかにも訓練に使うシートと目との距離を変えたり、シートに対する視点の置き方を変えたりして、毎回の授業で自分を刺激しながら受講を続けることを心がけた。

 人によって受講態度は異なるだろうが、僕はこの方法で訓練の数値を伸ばすことに成功し、結果的に読書スピードも以前の6倍以上になった。先日は、『ダ・ヴィンチ・コード』という本を読んだが、理解度Aなら1分あたり 10ページ、Bなら1分で 20ページ前後読めるようになっていた。

BTRメソッドの効果

 BTRメソッドの活かし方はさまざまだと思う。たとえば、イメージを用いて記憶する訓練があるのだが、それは僕のような学生がする勉強にも十分に応用が可能である。 生化学の教科書に出てくる複雑な酵素の名前も、丸暗記するのではなくイメージと結びつけて覚えると忘れにくいし、教科書に載っている絵と文字とに関連を持たせて覚えることも当たり前のようにできるようになった。

 この例に限ったことではなく、BTRメソッドは日常の勉強に役に立つものも少なくないと思うので、それを活かそうと思うことが大事だろう。クリエイトに通うようになってから、勉強や読書に対する姿勢が変わったことを実感している。

文章演習講座について

 「文章演習講座」も、クリエイト速読スクールが開発したオリジナルの講座である。毎回、過去の受講生が書いた文章を先生が用意し、生徒と一緒に批判していくというものだ。 批判するといっても、おもしろい、つまらないといった感覚的な批判をするのではない。 書き手が言いたいことを、読み手に過不足なく伝えるために足りない部分や多すぎる部分を批判していくのだ。

 足りないものは、文章の形式的なものだったり、書き手の言いたいことを支持する根拠が弱いことだったりする。こなれた達者な文章を見て良いところを学ぶのも一つの手段だろうが、悪い文章を見て悪いところを直そうとするほうがずっと頭に入ってきやすいことを知った 。

 松田先生の指摘する文章の欠点は、回数によってレベルに違いはあるが、僕らのような素人が犯しやすいものばかりなのだ。初級クラスの授業は全部で10回だが、毎回の授業で何かしらの新しい発見があった。

 こんなことを書くと、「松田先生はどんなことを授業で言うのだろう」と思うだろうが、 先生が指摘することは当たり前のことだ。僕らが文章を読んでいて、「この文章はどこかがおかしいけれど、具体的に指摘することができない」と感じることはないだろうか。 松田先生は、そのおかしなところを具体的に、言葉にして説明してくれるのだ。
 哲学は人の言葉にできない想いを言葉にするために存在する、とある本に書いてあったが、「文章演習講座」は文章を読むための哲学のようなものだと思う。

最後に

 BTRメソッドを始めたことで、「どんな本を読むときでも速度が上がった」という人もいれば、「専門書に代表される難しい本では以前と読む速度が変わらない」という人もいる。また、速読力云々よりも、「概略を読むべきところと、じっくり読むべきところをしっかり区別できるようになり、メリハリをつけて本を読めるので結果的に読書スピードが上がった」という人もいる。

 BTRメソッドから得られるものはひとことでは言えない。だが、何らかの新しいスキルが得られる、もしくは元から持っているスキルを大きく伸ばせるのは確かである。
 本を読むというのは多くの人にとって必要である以上、その作業に関する諸能力が身につくBTRメソッドを僕は自信を持っておすすめしたい。

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“伝える”ための技術 ―― BTRメソッドとナレーター修業 ―

大町 美夕紀

クリエイトを選ぶまで

 私は派遣社員として働くかたわら、駆け出しのナレーターとして修行を積む毎日を送っている。
 「理解しなければ、相手には伝わらないんだよ」
 いつも私のナレーターの先生から言われている言葉である。ナレーターは"伝える"ことが最も重要な仕事になる。だが、私は原稿を目の前にした途端に、それを忘れてしまう。「読まなければ、読まなければ」という気持ちのみが先走りし、"伝える"という重大な役割をすっかり忘れてしまっている自分がいた。しかし、精神論だけでは到底追いつかない。何か良い手はないものか?
 理解することにも、表現することにも、答えを見いだせない日々に焦っていたある日、きっかけもなく速読のことを思い出した。田舎の一中学生の頃だったか、テレビ番組で、パラパラと本をめくっただけで、「主人公の○○が△△したのが笑いましたね」などと話す青年を見た。
 そうだ、あれだ。原稿の内容を瞬時につかめるようになりたい。「感性を磨くために本をたくさん読め」と他の先生方からも言われていた。短い時間でたくさんの情報を得られるようにもなりたい。やらねば。今こそ身につけなければ。
 当時、私は池袋に勤務していたため、いつもクリエイトの前を気にしつつ通勤していた。事を始める前から怖気づいて、何も始めないまま終わる悪い癖がある私だが、そんなことはもう言っていられない。速読にもいろいろな流派があるようだが、会社にも一番近いし、受講料も良心的だし、無料体験だけでも受けて、もし勧誘がしつこかったら無視すればいいし、と、軽い気持ちで怪しげな旧教室へと足を踏み入れてみた。
 体験レッスンの後に、受付で説明を受けたのだが、後ろ向きとも取れる文言が並ぶのにはいささか面食らった。
 「"1分間に文庫本を1冊"は難しいと思います」
 「自分の専門外の本だと、速度がゆっくりになるのは仕方のないことですよね」などなど…… 拍子抜けとしか言いようのない話をされ、虚脱感が全身を駆け抜けた。
 決めた。ここにしよう。生来の天邪鬼な性格がそうさせたのか? いや、押しつけがましくない勧め方に温かみを感じたのだと、今になって思う。

実際の授業

 まず、いつ行っても、講師の方が違っても、どんな受講生がいても個々人の深度(進度?)の違いはあるが、基本的カリキュラムが変わらない。相性を云々しないですむのが、人見知りの私には向いていた。レッスンの内容もさることながら、受講者のパーソナリティを大切にしていただいているスタンスが非常にありがたい。
 カウント呼吸法は、腹式呼吸の体得にも非常に役立っている。やはり喋りと呼吸は切っても切れない。吐く息を長く保つことは、声を豊かに出すために常日頃から訓練しているが、それに加えて、呼吸数を記録するのは、コンディションを知るにも有効な手段であった。
 サッケイドシートパターンシートは、先輩たちが仰るとおり、ゲーム感覚で楽しめる。派遣社員としての勤務先で、ある一覧表から一件のデータを探し出す作業がよくあったのだが、意外にも、このような作業の場で役立つこととなった。クリエイトでの訓練を、業務に応用したと言っても過言ではないほどだ。
 スピードチェック、スピードボード、ロジカルテスト。これらの訓練が功を奏していると思われる事例がある。物事を順序だてて話せるようになってきたのだ。以前の私は、話したいことは、頭の中に思いついた言葉を片っ端から羅列して話さないと気がすまなかった。資格試験などを志す方向づけの訓練だと思っていたが、恐らくこの訓練によって、冷静に話題を組み立てる心構えが養われたと確信している。

 私にとって最大の難関であり、実は最大の収穫でもあったのが、イメージ記憶訓練や、短編小説を読んで内容を単語で書き連ねるイメージ読み訓練。イマジネーションを膨らませる訓練だ。そう、文字を目の前にしてイメージできないものを、聴衆に伝えられるわけがない。喋り手として一番の欠点を補うヒントを、クリエイトで得ることができたのだ。
 そして、実際に速読の訓練に入るのだが、不朽の名作から話題の新刊まで、読みたくても億劫がって読もうとしなかった本が取り揃えてある。だが、深く読み込んでしまっては訓練にならない。ここでは、訓練用と割り切れる本を選ぶことにしている。そのおかげか、書店で本を探す際は、買った後で後悔しないような選び方をするようになった。"書籍"に対する取り組み方が違ってきたのだ。自分の琴線に触れるものを、集中して吟味するようになり、結果として無駄なお金を遣わずにすむようになった。

これからのために

 さて、実際の喋り手としての活動はというと、これまた上には上がいる世界であり、正直なところ、まだ効果の程を発揮できずにいる。しかし、先生からの評価の内容が違う。"理解"という点を追究されることは減ってきたし、「ステップアップしている」と言われるようになってきた。原稿を目の前にして焦ることがなくなり、短い時間のうちに、自分なりの解釈を、冷静に得るよう心がけるようになってきた。
 私の場合、速読はもちろん、心を豊かにする方法を身につけることができたのではなかろうか。速読によって、あらゆる方面に興味が沸くようになったから、また違った方面での才能に気付く時が来るかもしれない。才能が無限に拡がる、その可能性を得られたという手ごたえがある。
 やりたいことがわからない、自分の道に迷っている、そんな人はまず速読から始めてみてはいかがだろう。自ずと変革の意識が芽生えるだろうし、それによって、指針となる出会いや大きな可能性が掴めるかもしれない。
 それを"伝える"機会を与えていただいたクリエイトと出会えたことを、私は心の底から誇りに思いたい。

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速読と目標の実現 ---平成15年度(2003年)司法試験最終合格---

坂室 晃平

はじめに

 この体験記を読まれる多くのみなさんの関心は、数ある速読法のうち、「なぜBTRメソッドを選んだのか」「BTRメソッドをどのように司法試験合格に結びつけたのか」という点にあると思われます。
 そこで、以下、BTRメソッドを教えてくれたクリエイト速読スクールを選択した私の動機、および速読と司法試験学習との関連を中心に書いていきたいと思います。

私の動機

 司法試験は一つの年度で短答式、論文式、口述という3つの試験をすべてクリアすることが必要です。私は短答式試験を苦手としており、一度は合格したものの、その後はまた2年連続で不合格になっていました。短答式は一度合格すれば、その後はなかなか落ちない試験だと常々聞かされてきたので、もはや私は合格する見込みはないのではないかと、かなりショックを受けていました。

 敗因を分析した結果、不合格の主な原因は問題を解くスピード不足にあると考えました。この原因を解消するための方法の一つとして速読に興味をもったのです。速読の訓練をすれば、年々文字数が増大する一方の短答式問題を素早く読みこなせるようになり、解答スピードも上がって時間不足による正答率の低下も防げるのではないか、と考えたからです。

 さっそく速読スクールを探しはじめたのですが、やはり気になるのは司法試験学習との関連や受講料です。受講前は、速読は司法試験本来の勉強からかなり外れる印象があり、多くのお金や時間を速読に投資することに戸惑いがありました。そのため、司法試験合格に実績があって、かつ受講料の安いスクールを探しました。この2つの要件を充たしたのは、数あるスクールのうちクリエイト速読スクールだけでした。私はここで、BTRメソッドと出会ったのです。

 当時、クリエイトは連続して司法試験合格者を輩出していました。他のスクールに比べて派手な宣伝もせず、商売っ気がなく寺子屋のような雰囲気で授業を進めるのも好印象でした。もっとも、受講の決め手になったのは体験受講後、頭の中がとてもすっきりして、その後、勉強を効率よく集中して進められたことでした。

 その頃、私は司法試験に対するモチベーションが上がらず、学習に対する集中力も低下していたので、頭の中までもリフレッシュさせてくれるBTRメソッドにとても魅力を感じました。こうして、私はクリエイトに通い、BTRメソッドのプログラムと格闘することになりました。

速読と司法試験学習を関連づける

 クリエイトではいろいろな訓練をしますが、それらを漫然と受けているだけでは、速読力の向上はもちろん、司法試験合格に結びつけるのはとても難しいと思います。
 私の場合、もともと読書スピードを伸ばすことにはあまり興味がなかったこともあり、最後は学習当初の「3倍速」にはなったものの、1分間3500字程度のスピードでした。これは、クリエイトの受講生の中ではごくごく平凡な数字です。反面、私は日々の訓練を通じて、司法試験の勉強に応用できそうなスキルはないか、つねに意識して受講していました。受講中ヒントを得て、実行した訓練をいくつか紹介しましょう。

1 短答式対策として ---

 まず、ロジカルテストです。私はこの訓練が当初から苦手で、なかなか得点力が上がりませんでした。ただ、クリエイトでは中高生たちが私より難度の高い問題をスラスラ解く姿にショックを受けつつ、あるヒントを得ました。それは、短答式の問題を解くリズムと正答率の関係です。

 ロジカルテストが得意な中高生の多くは、とにかくゲーム感覚でリズムよく解いていました。しかも、正答率も高いようでした。一方、私の場合、問題を複雑に考えすぎて解くのが遅いだけでなく、リズムまで崩してしまい、正答率も下がっていました。
 ロジカルテストでは、早く解き終えた人から先生が終了時間を告げていくので、乗り遅れると焦ってしまい、途中で頭が混乱して問題文が読めなくなることすらありました。これは自分が不合格になった短答式受験のときに似ているなと思いました。反面、ロジカルテストをリズムよく解いた場合のほうが正答率は意外に高く、自分がはじめて短答式に合格したときの感触に似ていました。

 そこで、私はロジカルテストを受けるときはとにかくリズムを意識し、細かいことにあまり悩まないようにしました。その結果、徐々に解答スピードや正答率も上がり、余裕をもって訓練に臨めるようになりました。

 ロジカルテストで得たヒントを日々の短答式対策にもさっそく応用しました。つねに時間不足の環境をつくり、問題演習することを心がけたのです。具体的には、模試や答練はつねに開始時間を30分遅らせて受験し、迷う問題が出たら、5問でも10問でも次々に飛ばして、とにかくリズムを崩さないで解くことだけを意識しました。限られた時間内で、多くの模試や答練を本番に近い状況で繰り返しこなしていくことで、精神的にも鍛えられました。

 結果として、正答率は驚くほど向上し、制限時間を30分削っても確実に合格点を取れるようになりました。また、解答スピードも格段に上がり、以前のように問題を解き残すこともほとんどなくなったのです。
 リズム感覚を鈍らせないために、私が最終合格を果たした平成15年は、短答式試験の直前までクリエイトに通いました。

 ただし、短答式試験ではリズムよく解けても、問題文を正確に読めていなければ、正答率はなかなか上がりません。試験時間が限られているので余裕がもてず、視野が狭くなって重要なキーワードなどを見落としがちになります。
 BTRメソッドの訓練では、認知視野を広げるランダムシートサッケードシートを中心に、さまざまなパターンシートの訓練がとても役立ちました。それまでの短答式試験では、読み落としを防ぐため慎重になり、最初から最後まで一字一句、字面を追うという読み方をしていました。そのため、視野が狭くなってしまい、かえってキーワードを読み落とすこともありました。また、目にも過度の負担をかけた結果、試験中に頭が疲れて集中力が切れることもたびたびありました。

 そこで、BTRメソッドの訓練をヒントに、まず問題の全体を軽く見渡して、だいたいの内容や重要なキーワードを把握するクセをつけるよう、日頃の勉強から意識しました。その結果、目にあまり負担をかけない読み方ができるようになり、最後まで集中力を維持できるようになりました。

2 論文式対策として ---

 BTRメソッドの訓練は、論文式問題における答案作成のスピードアップにも役立ちました。具体的には、論文答練についても30分削って受験をする訓練を繰り返しました。早く書ければ、落ち着いて問題文を読み、答案構成をする時間がつくれるので、筋を外したり論点落としをする可能性が低くなるからです。
 また、イメージ記憶イメージ読みなどからもヒントを得ました。具体的には、論文の問題を見て、いきなり答案構成をするのではなく、問題文の状況を自分なりにイメージすることを、日頃の勉強から意識しました。とくに、論文答練時は、イメージをつかめるまでは答案を書きはじめないと決めるなど、徹底しました。このような訓練を通じて、複雑な問題文であれば、イメージを思い浮かべることで事実認定で筋を外すことも少なくなり、抽象的な問題では論述内容に具体性を持たせることができるようになりました。

 このように問題文のイメージを具体的にふくらませ、出題意図を探る勉強はそれまでやったことがなく、とても楽しかったです。また、出題意図から外れない程度に自分のイメージを答案に盛り込むと、答案の迫力が明らかに違ってきます。BTRメソッドにあるイメージ関連の訓練は、論文式対策にも大いに役立ったと思います。

3 普段の生活との関係 ---

 恥ずかしながら、BTRメソッドと出会うまで、私は読書の習慣がありませんでした。しかし、クリエイトで読書の仕方を習ったことで、今では法律書に限らず、幅広いジャンルの本を読み、いろいろな知識を身につけることができました。司法試験に対するモチベーションが低下していた私にとって、クリエイトでの訓練は素晴らしい気分転換にもなりました。

最後に

 一般に、速読法の習得が司法試験をはじめ各資格試験の合格に結びつくかどうか、否定的な声もあります。たしかに、速読スクールに漫然と通っているだけでは、試験対策につなげることは難しいと思います。ただ、BTRメソッドで得たスキルを自分なりに応用して日々の勉強に取りいれていけば、遅かれ早かれ、結果は必ず出ると私は確信します。

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「面白いよ」という友人の薦めに乗って ---平成15年度(2003年)公認会計士2次試験合格---

大石 祐之

1.きっかけ

 クリエイトに通うようになったきっかけは友人から薦められたことです。もともと読書好きだったこともあって速読に関しては以前から興味を持っており、速読に関する本も何冊か読んだことがありました。また、当時は公認会計士2次試験の勉強もしており、単純にテキストが速く読めるようになれば受験にもプラスだと考えていました。そこで「面白いよ」という友人の薦めに乗って、教室を覗いてみようということになった次第です。
 クリエイトに行ってみた最初の感想は、他の多くの方と同じように「こじんまりとしていて(旧教室のことです)アットホーム」ということです。授業は上からものを教えるという雰囲気のものではなく、受講者の速読力のアップを手伝い、楽しく進めるといった感じのものでした。また初めてクリエイトに行った時に、松田先生にどの程度の読書速度が期待できるようになるかなどいろいろな質問をしましたが、一つ一つ正直に答えてもらえ、またよく有り勝ちなしつこい勧誘が無かったことも私にとっては好印象でした。

2.会計士試験への役立ち

 私は昨年公認会計士2次試験に合格しましたが、クリエイトでの訓練が会計士試験に役立ったと考えられる点をいくつか述べてみたいと思います。
 まずは計算科目についてです。会計士試験では簿記や原価計算などの計算科目において、短い時間の中で大量の資料の中から必要な情報だけを抽出し、その情報を正確に理解し計算につなげるという、スピードと正確性という相反する能力が求められます。この点に関し、クリエイトではサッケイドシート訓練やパターンシート訓練など、広く見て必要とする情報を把握するための訓練を行っていたので、簿記や原価計算の問題を解く際に大きな助けとなりました。
 次に理論科目についてです。会計士試験では計算科目の他に財務諸表論や監査論などの会計学、商法や民法などの法学、経営学など様々な分野の専門的知識を学習する必要があり、試験の直前期には膨大な資料の復習を余儀なくされます。この復習は新たな理解を必要とする資料の読み込みではなく、一度学んだ資料の読み込みであるため、この時にクリエイトでの速読の訓練が活きました。受験知識を頭に刷り込む方法はいろいろあると思いますが、私の場合は書いて頭に入れる方法ではなく、何度も読んで頭に入れる方法をとっていたので、テキストの回転率を高めてくれる速読は正にうってつけだったわけです(試験直前期では教室での倍速読書訓練でも受験テキストを読ませてもらっていました)。したがって、私の場合、机にかじりついて勉強する必要はなく、電車の中やベッドに横になりながら、さっと全体を何度も繰り返して復習をしていました。このように、私と同様、読んで頭に刷り込む復習法をとっている方には速読は大きな助けになると思います。

3.試験目的を離れて

 次に、試験目的を離れて、私のお気に入りの訓練についても少しだけ述べたいと思います。
 私が好きな訓練は意外にも授業の最初に行うカウント呼吸法です。私の場合、きれいな海の中(水面下)で、息を吸う時は海面に向かってふーっと上昇しているところをイメージし、息を吐く時は海底に向かって沈んでいくところをイメージします。いずれの場合も体は仰向けに寝ていて、光を反射してきらきらと揺らめく海面を海中から見ています。このカウント呼吸法は今では体と心をリラックスさせる際のスイッチのようなものとなっており、教室だけではなく普段の生活の場面でもリラックスしようとする際には自然とこのカウント呼吸とイメージをしています。また、この訓練をしている時はちょっとだけ幸せな気分にもなります。

4.おわりに

 クリエイトに通ったことが公認会計士2次試験合格の「助け」になったことは間違いないでしょう。しかし、当然のことですが、クリエイトに通うことは合格の「絶対条件」ではありません。私がクリエイトに通い始めてからは、クリエイトには受験勉強への役立ちという狭い範囲ではなく、むしろ読書という一生の趣味・娯楽のため、そして普段の社会生活における基礎的な情報処理能力の向上という点を意識して通うようになりました。クリエイトには資格試験合格を目指して通われる方も多いようですが、クリエイトに通って、受験勉強とは違う頭の使い方をして気分転換をし、訓練や読書を楽しんでいく過程で、自然と合格はついてくると思います。

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二次試験合格と、文演で学んだこと ---平成15年度(2003年)公認会計士2次試験合格---

山岡 武志

1、なぜクリエイトを選んだのか

 私は2000年の公認会計士短答式試験に不合格となった。今後自分の身の振り方も含めて考えてみたところ、実家を出て専門学校の近くに部屋を借り、その次の年に勝負をかけることを決めた。そして、すぐ部屋とバイトを探してきて家を出ることとした。
 会計士試験のカリキュラムは普通10月から始まるため、それまでの間になにか自分の能力アップにプラスになることをしようと、速読教室に通うことを決め適当な教室を探すことにした。安くて効果が出そうなところという条件の教室をインターネットでさがしてみたところ、2件よさそうなところがあった。まず、最初の一件目にアポをとって説明会に行った。しかし、そこは説明会に来ているのが自分ひとりで、速読を習っているのも二人ぐらいで、いかにもはやってなさそうだった。次に、クリエイトに行って体験入学をさせてもらうことになった。一件目で速読ってやっぱり誰でもできるものではないのでは?なんて疑問に感じ始めていたのだが、クリエイトの教室に行ってみて、まず、教室が満員なのに驚いた。これだけはやっているのはきっと何か効果があるからだと思い、プラスの影響をもたらすと期待できたため、迷わずクリエイトへの入学を決めた。また、会計士試験を目指していた自分にとっては論文作成能力を高められると期待できた「文演」もぜひ受けてみたいと思った。

2、クリエイトの速読と文演を受けて

 クリエイトの速読は様々な練習がゲーム感覚で行われていて、あっという間に時間が過ぎていく面白い授業であった。自分はクリエイトで行われている様々な訓練について、どうしてこの訓練は速読にプラスになるのだろうか、についていつも考えていた。クリエイトの訓練はいわば気づきの連続であり、自分は10回の受講で3倍ぐらいの速さにまでなったと思うが、クリエイトの訓練は速読以外の勉強においても気づきをあたえてくれるものだった。
 次に、文演だが、今思うとこの文演のおかげで公認会計士の二次試験に合格できたといっても過言ではない、すばらしい授業だった。
 文演では読みにくい文章をみんなで、どうすれば読みやすくなるかなどを討論したり、自分の書いた文章をみんなが批判したりといった、いままで経験したことのないスタイルの授業であったが、この授業のおかげで文章を書くことに対してまったく抵抗がなくなった。
 会計士試験は7科目の論文試験があるが、試験で作成する論文と普段読み書く文章では形式論では違うことはあると思うが、文章の本質といっていいのかわからないが、根本となるところはまったく変わらないことに気づいた。文演で習ったことを頭において、専門学校のテキストを読み、予習復習を行ったところ、今までとは違った感覚で勉強を進めていくことができた。
 2001年の専門学校では直前期に、ある科目でトップの成績をとったり優秀答案に選ばれたりして自分の能力アップに確信をもつことができた。その年の全国模試では総合30位に入ることができたが、本番では失敗して不合格となった。
 その後、2002年は慢心して専門学校に通わなかったため、またまた不合格となったが、2003年は最初からきっちりと専門学校に通い、ほとんどすべての授業と答練をうけ、優秀答案に20回弱は選ばれるぐらい安定した成績を維持することができ、ようやく、本試験に合格することができた。
 公認会計士試験は確かに、相当困難な試験であると思う。勉強の方向性をあやまると、一生合格できない試験であるが、専門学校のテキストと授業をしっかり理解すれば思いのほかすんなり合格できる試験でもあると思う。
 今、自分の勉強の方向性が間違っているのではと悩んでいる人や、専門学校の授業や答練についていくことができなくなった人は一度、クリエイトの速読と文演を受けてみることをお勧めする。きっと、文章を理解しそれを表現するこつを学ぶことができるであろう。