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語彙力とは何か
語彙力とは「語彙」と「力」からなる造語です
明鏡国語辞典より
それぞれの定義から考えると、「語彙力」とはさまざまな物や事象について、適切な言葉を選んだり、別の言い方に変えたりすることで、 相手や状況に応じて、伝え方を調節できる力と言えそうです。
語彙力が低いデメリット
1.自己表現ができない
語彙力が低いと、自分の思っていることをうまく言葉にできず、他人に伝えるのが難しくなります。
たとえば、ある映画が好きだという感情は伝えられても、その映画がどのような点で好きなのかを具体的に説明することができません。
これがビジネスの場になると、適切な指示出しを行うことができずにマネジメントに苦労する、といったケースも考えられます。
2.学習効率が低下する
新しい知識を学ぶ際、語彙力が低いと、概念の理解に時間がかかります。
これは、私たちが、自分の持つ語彙の範囲内でしか、物事を捉えることができないためです。
次々に情報が更新される現代社会においては、常に学び続ける必要があります。
語彙力が低いと、新しい知識を吸収するスピードが遅くなり、時代の変化に適応することが難しくなります。
3.読解力が低くなる
語彙力が低いと、情報を正確に理解できず、取り違える可能性があります。
たとえば、会話において相手が使用した比喩や表現を理解できず、言葉の真意を誤解してしまうと、無意識に相手を傷つけたり、信頼関係に亀裂が入ることがあるかもしれません。
4.キャリアに負の影響を与える
少し会話をするだけで、自然と他人に伝わってしまうのが語彙力です。
語彙力の高い低いは、面接の場において、必ず面接官に見抜かれます。
極端に語彙力が低い場合は、キャリアに影響を及ぼすおそれもあるでしょう。
語彙力を鍛えるメリット
1.説得力が身につく
豊富な語彙があれば、自分の考えや感情を、より正確に伝えることが可能になります。
また、相手の心情に寄り添った表現をすることができます。
これにより相手から共感を得られ、信頼されやすくなります。
2.生産性が向上する
専門用語や複雑な概念をスムーズに理解できるため、勉強の効率が向上します。
仕事面では、たとえば、要点を捉えた適切な表現をすることができれば、メールでのコミュニケーションでも誤解を減らすことができ、業務時間の削減が期待できます。
3.情報を正確に理解できる
語彙力が高まると、他人の言葉や文章に含まれるニュアンスや深い意味を正確に捉えることができます。
これにより人々の意図や感情をより正確に理解することができ、誤解を防ぐ助けとなります。
4.社会的つながりが豊かになる
語彙力が豊かであれば、様々な話題に対して参加できるため、交流関係を豊かにすることができます。
異なる背景や専門分野の人々とコミュニケーションをとることができれば、人脈の強化につながります。
語彙力を鍛える方法
語彙力を鍛えるうえで大事なことは、日々「言葉への感度」を高めることです。
私たちは1日のうちに、新聞記事を読んだり、誰かと話したり、ドラマや映画を見たりなど、多くの言葉に触れます。
そこで使われている言葉をただ聞き流すのではなく、「どんな言葉が、どんな場面で、どのように使われているか」に意識を傾けてみましょう。
気に入った表現があればメモをし、分からない言葉が出てきたら調べます。
こうした習慣の積み重ねが、語彙力を鍛えてくれます。
ここからは、語彙力を鍛える具体的な習慣について、説明していきます。
読書量を増やす
様々なジャンルの書籍を読むことで、自然に新しい単語や表現に触れることができます。
文章中で言葉がどのような意味やニュアンスで使われているか、他の言葉とどのように組み合わされているかを知ることができます。
こうして身につけた語彙は、実生活でも適切な文脈で使うことができます。
小説やエッセイ、実用書など、興味を持てる分野の本から読書を始めるのがおすすめです。
辞書を活用する
わからない単語があればすぐに辞書で調べる習慣をつけましょう。
辞書を使う際、意味だけでなく、その語の使い方や類義語、対義語なども確認するとさらに理解を深められます。
おすすめは電子辞書です。電子辞書は紙の辞書に比べ携帯性に優れ、単語や類義語をすぐに調べることができます。
また、複数の辞書を参照することで、異なる角度から同じ単語や表現を学べます。
馴染みのない分野の学習をする
馴染みのない分野の学習は、語彙力を鍛えるのに有効です。
普段接することのない、新しい言葉や表現に触れることで、自然と語彙が増えます。また、異なる分野の学習によって、物事に対する多角的な視点を得ることができます。これにより、思考の幅が広がり、表現をより豊かにすることが可能です。
たとえば「貧困」に対して社会学では、文化や教育、政治体制など社会的側面から貧困の原因について説明します。一方、経済学では、所得の分配や雇用の機会、市場のメカニズムといった側面から貧困について説明します。
このように、同じ言葉でも、どのような視点で言葉を捉えるかにより説明は全く違ったものになるのです。
アウトプットをする
新しく覚えた言葉を「書く」「話す」ことも語彙力を鍛えるのに効果的です。
なかでも特におすすめなのが、あるテーマについて様々な人と会話をすることです。
異なる背景や興味を持つ人々の会話では、新しい視点を得ることができます。
また、会話は、言葉を実際に使い、自分の言葉がどう伝わっているかを確認する機会にもなります。
劉 智秀 1999年東京都生まれ/栄東中学・高等学校/東京大学経済学部卒/クリエイト速読スクール二代目代表