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イメージとは? イメージを用いた記憶法をご紹介

更新日:2024年11月2日 公開日:2024年11月2日

納得しないと記憶は難しい

 理屈はわかっても、何だか「ピンとこない」ということはよくあります。

 たとえば数学で、公式が導き出される過程は理解できるが、今ひとつ腹の底から「わかった」といえない。

 そんなとき、公式をグラフ化してみたり、具体的な応用問題の中で用いたりすると、「なるほど」と納得することがあります。

体験の記憶は忘れにくい 

 これは、それまで単なる理屈でしかなかったものが、ひとつの具体的なものとして体験され、記憶されるからです。

 体験の記憶というものは具体的で、鮮やかであり、永く残ります。

 無味乾燥な暗記物の比ではありません。

 こうした記憶の特性に着目した手法が、イメージ記憶です。

イメージとは何か

 イメージとは、それが思い出であれ、空想であれ、心の中で見たり、聞いたり、感じたりして体験することのできる、具体的な心の像です。

 これは実際の視覚体験に基づくものであることが多く、過去の経験や想像から生まれます。

 心の中にイメージを描くということも、それが鮮やかであればあるほど、一種の擬似体験としての性格を持ってきます。

イメージ記憶法

 イメージ記憶は、心の中で対象を擬似体験することで、強固な記憶をつくりだそうという手法です。

 たとえば

  • 田中さんという人の名前をおぼえるのに、その人が田んぼの中に立っているイメージを思い浮かべる
  • 友人に借りたお金を返し忘れないように、その友人のおでこに、千円札がくっついているイメージを思い浮かべる

 といった具合です。

 こうした記憶のしかたは一見ばかばかしいことのようですが、実際にやってみると、かなり有効であることがわかるはずです。

アウトプット重視は、体験重視ということ

 よく言われる勉強法の一つに、「インプットよりもアウトプットに時間をかけよ」というものがあります。

 これも「実際に思い出してみる」「実際に手を動かしてみる」という体験を重視する考え方であると、説明ができます。

頭の中でイメージをする習慣を

 たとえば、授業を聞きながら、その内容を頭の中でイメージしてあげると、自分の理解を瞬間的に確かめることができます。

 退屈に思える単語の暗記なども、イメージを活用して覚えると、楽しくなるはずです。

 ぜひ日常に取り入れてみてください。

 参考:イメージトレーニングの種類・効果・方法まとめ

イメージの材料を集めよう

 豊かなイメージは、過去の記憶をもとに、複数の要素を組み合わせることによって、はじめて可能になるとされています。

 一度も見たり聞いたりしたことのないものを、イメージすることはできません。

 「どのようなことも、まずは経験だよ」と、いろんな大人から、事あるごとに言い聞かされてきました。

 「こっちはどれも好きでやってるんだから、ほっといてくれ」と、子ども心にムッとした記憶があります。

 この言葉に納得ができたのは、イメージ記憶をやるようになってからです。

 何か一つ、新しいことに挑戦してみてはいかがでしょうか。

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劉 智秀 1999年東京都生まれ/栄東中学・高等学校/東京大学経済学部卒/クリエイト速読スクール二代目代表