
目次
今回は、文化庁が実施する「国語に関する世論調査」の中から、読書に関する調査結果をピックアップして、お伝えしたいと思います。
なお、扱うデータは、令和6年実施の、最新のものとなります。
1か月の読書量(上位◯%という主張の元データ)
まずは問7、1か月に読む本の冊数について。
「読まない」という回答が6割を超え、調査結果発表時に話題となりました。
1冊以上読むと答えた人の割合は、あわせて36.9%となっています。
「月に◯冊読むと、上位◯%」という主張の多くは、この調査結果を元に作成されています。
本以外で、活字に触れる機会
問7付問1、本以外で、活字に触れる機会について。
この質問は、問7で「本を読まない」と答えた人に対する質問となります。
「ほぼ毎日ある」が75.3%と、本を読まないという人でも、本以外の文字・活字に触れる機会は多いことがわかります。
読む本をどのように選ぶか
問7付問2、読む本の選び方について。
この質問は、問7で「1か月に1冊以上本を読んでいる」と答えた人に対する質問です。
本屋さんや図書館、図書室などで、実際に手に取って選びたいという人が、多いことがわかります。
意外にも、ベストセラーや文学賞などは、主要な判断材料になっていないようです。
読書量の変化
問8、読書量の変化について。
「読書量は減っている」という回答が約7割を占めています。
なお、読書量は増えているという回答は、5.5%にすぎません。
もしあなたが、最近読む本を量が増えた、ということであれば、それは稀有な読者であるといえます。
読書量が減っている理由
問8付問1、読書量が減っている理由について。
こちらは、問8で「読書量は減っている」と答えた人に対する質問です。
スマートフォン・タブレット・パソコン・ゲーム機器等の、情報機器に時間がとられる、が43.6%で最も多く、仕事や勉強が忙しくて読む時間がない、といった回答があとに続きます。
電子書籍を利用するか
問10、電子書籍の利用について。
紙の本も電子書籍も読まない、という回答を別にすると、電子書籍を利用する人とそうでない人の割合は、ちょうど半々になっていることがわかります。
活字に触れる時間の変化
最後に問11、活字による情報に触れる時間の変化について。
現代は、本・雑誌・漫画に限らず、スマートフォンやタブレット等を用いて、SNS・インターネット上の記事など、様々な文字・活字による情報に触れることができます。
そうしたものも含めて考えたときに、活字に触れる時間は、減っているか、増えているかという質問です。
結果は、次のグラフの通りで、「それほど変わっていない」が37.3%で最も高く、「増えている」が35.3%、「減っている」が26.0%となっています。
こうしてみると、本を読む人が減っていることはたしかですが、活字に触れる媒体が変わっているだけ、ともいえるかもしれません。
出典のご紹介
以上、読書に関するデータをお届けしました。
引用元では、読書だけでなく、国語に関するさまざまなデータが紹介されています。
あわせてぜひチェックしてみてください。
- 令和5年度「国語に関する世論調査」(内閣府)を加工して作成
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劉 智秀 1999年東京都生まれ/栄東中学・高等学校/東京大学経済学部卒/クリエイト速読スクール二代目代表