大学合格体験記集

文スキ万歳!!

東京大学文科Ⅲ類合格(開成卒) 橋本 剛冶 

国語力がほしい―――文スキとの出会い
 国語力を高めたい、と高1の3学期に考えていました。当時の私――理系でした――には、表現力・思考力が重要であると感じられたのです。
 高2の4月から塾に通うことにしていた私は、国語力が高まるような講座はないか、と色々な塾・予備校の講座情報を集めました。SEGからの入会案内が送られてきたのは、ちょうどその頃です。そこにあったのが「文章表現スキルアップ」の案内。
 これだ、と思いました。まさに国語力を高めるチャンスだ、と。

目からウロコ―――授業内容・1学期
 「こう書くと良い」ではなく「こう書いてはいけない」という指導は非常に参考になります。気にも留めなかったことを指摘され、新鮮な驚きの連続でした。
 第7回目から、受講者の書いた文章が題材となります。私では考えつかないような作品を読むこと、そしてその文章の問題点が指摘されていく過程は、大いに参考になりました。表現に関する知識とともに、「自分も中身の濃い文章を書きたい!」という刺激も与えられます。
 私の文章も扱われました。今考えると「なぜあのような恥ずかしい文章を書いたのだろう」という内容です。当然のように多くの指摘を受け、「今までよくまあ、自分は面白い文章を書ける、といい気になっていたものだ」と反省させられました。しかし、その反省は「次はもっと良い文章を書こう」という励みになりました。

愛のムチ―――授業内容・2学期
 「要約」の授業は、内容が体系的で分かりやすく、とても実用的で応用が効きます。
 この要約の授業で私は厳しい指摘を受けました。「要約としては全然だめですよね」「筆者の主張を読みとっていませんよね」などなど。ビシバシ鍛えてください、とお願いしていたものの、グサリ、ときました。自分の「文章に対する姿勢の甘さ」に気づかされ、情けなくなりました。ですが、このときの先生の指導が私を変えてくれました。
 私は再び文章を書きました。今度は反省を生かして、「どう書けば自分の言いたいことが伝わるか」「この表現・内容でよいのだろうか」と何度も推敲し、苦心の末に書き上げました。もちろんその文章もいろいろと直されましたが、この「文章に対する真剣な姿勢」を作りはじめたことは、私にとって大きな財産となりました。

文スキから得たもの―――授業を終えて
 文スキを通して私が得た最大の財産は「自己批判能力」です。「この表現で言いたいことが伝わるのか」という問答の繰り返しがもたらしたのでしょう。さらにその結果、「論理力」も向上しました。理解しやすい表現ができるようになってきたのです。当初の目標であった「国語力」以上のものを得ることができました。
 もう1つ、私自身に対する大きな影響があります。文系への転向です。数理科学が嫌い・苦手になったわけではなく、「論理性」や「知の枠組み」などに興味を持ったからです。良い選択をした、と今でも確信しています。

サクラサク―――受験への応用
 国語力をつけることは、大きなプラスとなります。
 まず、問題文を充分に理解することができます。現代文では「筆者の主張は何か」「この表現は何を意味しているのか」などを。その他の教科でも「出題者の意図は何か」「どのような答えを出題者は求めているのか」ということを理解できます。
 そして、的確に解答を書くことができます。自分の解答が、「分かりやすい表現・誤解されない表現になっているか」「問題の意図に沿っているか」をきちんと判断できます。
 私の受験した大学は、国語・数学が総論述であり、地歴・英語(和訳・要約)でも合計千数百字の記述問題があり、試験全体で相当量の問題文と記述をこなすことになりました。けれども、文スキで培った国語力を十二分に発揮して試験を乗り切ることができました。

大学にて―――最後に
 大学の講義では、多くのテキスト・文献を自主的に読んで、的確に内容を理解することが要求されます。また、レポートもたくさん課されます。知的生産の現場である大学では、文系・理系を問わず国語力が必要となるのです。大学に入ってから気付いたのでは、遅いかもしれませんよ・・・・・・。