目次
倍速読書トレーニングとは
倍速読書トレーニングは、個別のトレーニングで鍛えた力を、実践の中で総合的に応用するためのトレーニングです。
倍速読書トレーニングの手順
用意するもの
- 難しすぎない本
- キッチンタイマー
- メモ用紙
- 筆記用具
以上4点を、お手元にご用意ください。
トレーニングのながれ
1分ごとに時間を区切りながら、本を読み進めていき、読んだページ数と理解度を記入する、というながれです。
理解度はA〜Dの4段階でつけていきます。
B:だいたいのすじがつかめた
C:ところどころわかるところがあった
D:ほとんど内容がつかめなかった
はじめに、理解度Aでの読書を2回行います。
その次からは、倍速に移っていきます。
理解度Aで読んだページの、2倍以上をめくることを目標に、読み進めます。
倍速での読書を数回続けたら、最後に理解度Aでもう一度読み、速度の向上を確認します。
記入例は動画で
記事冒頭の動画では、記入例をご紹介しています。
あわせてご確認ください。
倍速読書トレーニングの目的
倍速読書トレーニングの目的は二つです。
読む速さのコントロールを身につける
自転車を例にあげます。
変速ギアがついていない自転車と、変速ギアがついている自転車。
両者を比較すると、後者の方が、より性能が高いと言えます。
なぜなら、坂道ではギアを軽くし、逆に平坦な道ではギアを重くする、といったように、状況に合わせて、最適な走り方を選ぶことができるからです。
文章を読む際にも、同じようなことが言えるはずです。
現実には、坂道のように気合を入れて読み進めなければならない文章と、下り坂のようにスイスイと読み進めてもよい文章が混在しています。
文章の作りや必要な理解の水準に多様性があるにもかかわらず、訓練をしていない限り、読み方にはバラエティがないのが普通です。
そこで、より楽に読めるようになるために、読む速さのコントロールを身につけようというのが、倍速読書トレーニングの第一の目的です。
本を速く読む感覚をつかむ
第二の目的は、「本を速く読む感覚をつかむこと」です。
陸上競技では次のようなトレーニングメニューがあります。
まずは、ダウンヒル。
緩やかな下り坂を最大スピードを意識して走ることで、脚を振る感覚を養うトレーニングです。
続けて、トーイング走。
ゴムチューブなどでランナーを引っ張ることで、限界速度を超えた際の感覚を、体で覚えるトレーニングです。
いずれも、下り坂やゴムチューブを利用した結果、速く走れることそれ自体を目的にしているわけではありません。
意図的に作りだした負荷に適応しようとする中で、速く走る感覚をつかむことを目的としています。
倍速読書トレーニングも同様です。
理解を犠牲にして速く読むことを目的にしているわけではありません。
訓練を通じて、本を速く読む感覚をつかむことをねらいとしています。
倍速読書トレーニングのコツ
ただページをめくるだけではなく、本の内容に喰らいついていこうとする、前のめりな姿勢がポイントです。
手軽に挑戦できますから、まずは一度実践してみてください。
普段の読書とは違った、新しい刺激があるはずです。
読書法ではなく、トレーニング手法
倍速読書トレーニングが得意な人ほど、読字数を伸ばしやすい傾向にあります。
何も特別な能力が必要なわけではありません。
必要なパーツは、序盤・中盤のトレーニングで、すべて登場しています。
まずは思いきってページをめくり、その中で力戦奮闘してください。
読書タイムではなく、そういった趣旨のトレーニングです。
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劉 智秀 1999年東京都生まれ/栄東中学・高等学校/東京大学経済学部卒/クリエイト速読スクール二代目代表