速読とは何か。効果・しくみ・トレーニング理論をご紹介 | 速読ナビ

速読訓練法

速読とは何か。効果・しくみ・トレーニング理論をご紹介

更新日:2024年4月30日 公開日:2023年7月8日

 この記事は、はじめて「速読」を調べる方向けに、クリエイト速読スクールのトレーニング理論(BTRメソッド)と、速読に対する考え方をまとめた記事です。

 当スクールの出版物『脳のワーキングメモリを鍛える速読ジム』から、BTRメソッドの考え方に関する記述を、一部編集の上お届けしています。

「速読」に対する誤解

 「速読」に対しては、いまだに過剰な期待、あるいは疑問を抱く方が多いのが現状です。

  • 1分間に本を何十ページも読んで、人をあっと言わせたい
  • 「速読をマスターして、資格試験にらくらく合格できるようになりたい
  • 「本を読むのが苦手なので、自分には、無理に決まっている
  • 「できるようになる人もいるかもしれないが、できない人の方が多いのでは

 このように、実にさまざまです。

  「速読」という言葉から、本を速く読むという意味自体は伝わっているようですが、残念ながら、「速読」の具体的な中身については、いまだに誤解されている場合が少なくないようです。

  そこで、これからしばらく、「速読」に関する一般論と、BTRメソッドの基本的な考え方をお話したいと思います。

これまでの「速読」の問題点

 「速読」という言葉が日本で広く知られるようになったのは、1980年代半ば、韓国のキム・ヨンジン氏が考案したといわれる「キム式速読法」が、マスコミによって紹介されてからです。

 その後、厳しい競争社会の影響からか、速読に対する社会的関心が一時期、高まりました。右脳、左脳、言語中枢、α波、β波、シナプスなどの科学用語を散りばめた速読本が数多く出版されました。テレビなどで、1分間に10万字も読む超速読者が紹介されたのも、この時期です。1分間に10万字の読書というのは、300ページの文庫本を2分弱、あるいは「天声人語」などの新聞朝刊一面下コラム(約550~750字)を約0.5秒かからずに理解できるスピードです。

 このような、特殊な能力をもつ超速読者が存在する可能性は、否定しません。芸術やスポーツと同様、この分野でも、人並み外れた才能を持つ人間がいても全く不思議ではないからです。しかしながら、常識的に考えて、1分間に10万字という読字数は、普通の人が地道な努力を経てたどり着ける現実的な数字ではありません。もちろん、同じ本を読み返すなら可能でしょうが、それは、本来の速読ではないはずです。

 これまでの速読本は、「右脳開発」や「脳波」などの、一見もっともらしい用語を使ってはいるものの、それが、「読む」作業の効率化にどのように結びつくかという点で、明らかに説明不足でした。

 また、これまでの速読の練習では、眼球運動訓練や記号訓練の練習に大半の時間が費やされていました。読書には、集中力やイメージ力、および記憶力という要素が不可欠であるにもかかわらず、それらを向上させるトレーニングの開発は、大きく立ち遅れていたのです。つまり、受けてみないと本当に速く読めるようになるかどうかがわからないという「賭け」のような危うさがつきまとっていました。

 さらに、速度だけが強調された結果、具体的に読書習慣がどのように改善されたか、あるいは、どのような試験で効果を発揮したのか、という最も重要な点での評価が置き去りにされています。 

速読の注意点

 BTRメソッドの速読によって、大学合格や資格取得などの成果を上げた方の多くは、トレーニングを受けつつも、それまでの地道な勉強を続けていました。BTRメソッドによって、勉強そのものから逃れられるわけではありません。

 受験勉強に必要な参考書の類を読んで理解するには、その学習分野の基本知識が前提として必要です。これが不十分な段階では、ゆっくり読んでも分からないはずです。BTRメソッドを受講したからといって、ゆっくり読んでも分からない本をパラパラめくっただけで読めるようになることはありません。

 つまり、あくまで一定の読書量や勉強量を確保しなければ、BTRメソッドの効果は十分に発揮されません。BTRメソッドにできるのは、文章の内容によって速度にメリハリをつけ読解プロセスを効率化することであり、本来必要とされる努力を省力化することではありません。

 速読は、万能薬ではない。

 このことは、速読に対する誤解を解くためにも、あらかじめ理解しておく必要があります。

速読のメリット

 BTRメソッドは、いままで欠けていた、知的作業の「基礎体力」を養うためのトレーニングを提供することで、この点で力不足だった方の本来の努力が、正当に評価されるようにするためのプログラムです。このトレーニングと並行して、本来の勉強や読書を続けていくことで、その人が本来の実力を発揮することが可能になるのです。

 努力を怠らない人が、努力した分だけ必ず報われるような、知的作業面でのサポート・プログラムが必要だ――。私たちは、そうした思いをこめて、このBTRメソッドを実践しています。クリエイト速読スクールは、そうした自ら求めて努力する方々に支えられてきた、といえます。

速読のトレーニング理論 -BTRメソッド-

 BTRメソッドの基本的骨格は、1986年に、日本語の速読技術を習得するための実践的トレーニングプログラムとしてクリエイト速読スクールによって考案されました。この名称は、Basic Training for Readers methodの略で、「読書する人のための基礎的トレーニング法」という意味です。読書の基本的な能力を鍛えようという趣旨からの命名です。読書が苦手な方でもしっかりとした基礎的な力が身につくように、一連のトレーニングは長い年月をかけて創り上げられ、いまでも改良を続けています。

BTRメソッド=Basic Training for Readers method・読書をする人のための基礎的トレーニング

 BTRメソッドは、「認知科学」にもとづいて構築されています。認知科学とは、「文字や文章を読んだときに、人間はなぜ意味を理解できるのか」という情報処理の働きを、脳神経科学、脳生理学、心理学、言語学、論理学、人工知能科学などの見地から解き明かそうとする学問です。

 たとえば、「猫」という文字は、それだけでは紙に書かれた線にすぎません。しかし、日本語の「猫」の意味を知っている私たちなら、目から得たこの文字情報を、過去の学習や経験から得た「猫」の姿や特徴に置き換えてイメージすることができます。

 つまり理論上、速読とは感覚器を通じて得られる文字情報を増加させ(認知)、その文字情報と記憶されている各種イメージを結びつける脳の情報処理の効率化を図る(情報処理、記憶)ことによって実現されることになります。

 参考:BTRメソッドとは

「読書スピードが遅い」という悩み

 「読むのが遅くて困る」というのは、速読を学ぼうとする人の多くが口にすることです。しかし、それは本当でしょうか。ちょっと立ち止まって、この問題を考え直してみたいと思います。

 なるほど、世は情報化社会と言われ、出版点数は年々増加の一途をたどっています。 生活の多様化に応じて、さまざまな内容、装いの本が書店にあふれています。ビジネスマンや学生だけに限らずどんな職業・立場の人でも、広い意味での本、活字によって情報を得なければならない必要性は、高まりこそすれ低下のきざしはありません。そんな中で、誰もが「もっと読まねば」という気持ちに追われています。本を速く読みたいということは、そこでは切実な欲求のように見えます。

 しかし、一方では、「活字離れ」ということも言われます。読書アンケートの上位から近代の名作が姿を消し、古本屋では、一昔前に流行った難解な評論、小説が安値でほこりをかぶっています。電車の中でハードカバーの本を読む人は減り、スマートフォンの画面を眺める人が増えました。

 これらの現象をみると、現代人にとって読書の必要性は増加していながら、活字を読むということ自体は、かなり苦痛な作業になっているのではないかという気がします。

 明治の昔ならいざ知らず、現代に生きる私たちにとって、読書よりもずっと楽にはいってくる情報メディアは、テレビをはじめとして実にたくさんあります。そのため、読みたいという気はありながら、ついおっくうなまま過ぎてしまいます。

 また、読書には一定時間の集中が必要です。仕事に勉強にそして遊びにと、いつも追いたてられているような現代人には、読書への集中を可能にするだけの余裕が、時間的にも精神的にも不足しているのではないでしょうか。 

 しかも、読むのが苦痛だといって読まずにいれば読書の習慣はつかず、読むことはますます苦痛になります。それを乗り越えるためには、結局たくさんの本を読むしかないのだとしたら、これはとんだ悪循環です。

 「読むのが遅くて困る」という言葉は、実はこの「読むことの苦痛」を言っているのではないか、というのが私たちの考えです。

 読むことがたとえ遅くとも、本に熱中し読むことが楽しければ、別に苦にならないはずです。本の世界に没頭することができず、イライラして苦しいからこそ、もっと速く読めないものか、と悩むのではないでしょうか。

 逆に言えば、いくら本が速く読めたところで、それが苦しく、つまらない作業であったなら、誰が望んで速読など学びたいと思うでしょうか。 速読とは、まず本を楽に、スムーズに読めることでなければなりません。その結果、能率が上がり、速く読めるので、それを「速読」 と呼ぶということなのです。

本を読む能力とは

 では、本を楽にスムーズに読むためには、どんな力が必要でしょうか。

 本を読む力というものは、ふつう「読解力」と考えられています。現在、日本の小学校から高校に至る国語の授業の中では、この「読解力」の向上が最重要課題として追求されている気がします(「話す・聞く」と「書く」の学習もありますが、十分な時間がそれに割かれているとはいえない状況です)。

 それは、小説では、登場人物の心情をくみとることであったり、論理的文章では、筆者の論理を把握することであったりします。そして、それらの能力の裏付けとして、漢字の知識、語彙力、文法的な知識、歴史的な教養が必要とされ、それらを総合的に身につけさせようということで、今の国語というものの学習内容ができ上がっているのではないでしょうか。

 しかしながら、そうした国語の授業によって本当に読解力がついたという話は、あまり聞きません。 国語の試験は準備してもしなくてもほとんど点数が変わらない、と大部分の生徒は思っています。自分でうまく書けたと思ってもなぜかバツになることがあります。生徒にとっては何が正解なのかよくわかりません。うまい答案を書く生徒というのは、たいてい読書好きで、ふだんからたくさん本を読んでいるような子で、授業を熱心に受ける子とは必ずしも一致しないのです。

 能力というのは、トレーニングの量に比例してついてきますから、読解力をつける一番の方法は、結局、多く読書をすること、これに尽きると言えます。

 しかし、読書の能率を決めるのは、はたして「読解力」だけでしょうか。たくさん読書する人というのは、読解力があるのはもちろんですが、それ以前に「活字慣れしている」という印象があります。字を読むということ自体に抵抗なく、スッとはいっていけるようです。

 これをお読みのあなたがもしそういう方なら、「何だ、そんなこと、当たり前じゃないか」とお思いかもしれません。しかし、既に書いたように、現代に生きる多くの人にとって、それは必ずしも当たり前のことではないのです。

 そうした、読解力以前の「活字慣れ」としてあらわれてくる諸能力には、確かに個人差があります。それを訓練で高めることによって、読書の質を高め、能率を上げることができるのではないかというのが、私たちのメソッドの出発点です。

速読のトレーニング方法

 BTRメソッドの速読には、3つの柱となるトレーニングがあります。

1. 目のトレーニング(認知視野の拡大)

 本を速く読むためには、①ページ全体を広く見ること、 ② 瞬時に多くの文字情報を識別できる能力が必要です。 文字情報を認識できる範囲を広げること「認知視野の拡大」といいます。

 本を読むことに慣れていない人に顕著なのが、認知視野の狭さです。 認知視野が狭い人は、集中して問題を解くとき、顔を本に近づけて、動かしながら確認しています。 一方で、 認知視野が広いと、1ページ全体をひと目で捉え、そこに書かれている文字を識別することが可能になります。

 認知視野は、実は厄介な存在です。 文字を認識するために集中すればするほど、注意を向ける範囲が狭くなってしまうからです。 意識して経験を重ねていかないと、集中して文字を読み取ろうとしながら視野が狭くならないように広めに見ることはできません。「目のトレーニング」では、2つの矛盾する方向性の両立を目指します。

2. 脳のトレーニング(読書内容への集中)

 認知視野が拡大されても、文字を目で速く追うだけでは意味がありません。文字情報を瞬時にイメージに変換したり、効率的に整理・理解する能力を鍛える必要があります。

 たとえば、小説を読んでいるときならば、物語の細部を鮮明にイメージできればできるほど、内容にのめりこむことができます。また、論理的な内容の専門書や、勉強や仕事の資料を読む際にも同じことがいえます。本全体を通じた著者の主張や論理の筋道、あるいはキーワードの結びつきなど、文字情報としては必ずしも明示されていない内容を、自分なりに整理でき読み取れたときに、「理解できた」といえるはずです。

 このように、読書においては読んだ内容を理解し、記憶にとどめることが必要不可欠です。BTRメソッドでは、「読書内容への集中」のトレーニングによって、文章に対する理解力を高めていきます。

3. 読書トレーニング

 こうした文字の認知能力や読書内容へ集中していく力を、実際の読書の場で実践していく必要があります。そのため、BTRメソッドでは、「読書トレーニング」によって負荷をかけた読書を行い、ページ全体を広く見て、同時に頭の中のイメージをフル活用して、内容を理解する力を実践的に身につけていきます。

「目のトレーニング」 「脳のトレーニング」で意識的に取り組んでいたプロセスを、無意識のうちに習慣化させることが狙いです。

速読のコツは理解力も鍛えること

 BTRメソッドの3つの柱で鍛えられる力の中でとくに重要なのは「理解力」です。なぜなら、いくら読書が速くできても、理解力がなければ読んだ知識を定着させることができず、活かすことができないからです、せっかくパソコンに新しいプログラムをインストールしようとしても、古いパソコンのままではうまく機能しない状態になってしまいます。

 速読というと、目の使い方ばかりが注目されていますが、大切なのは、いかに速く正確に理解していくかです。そのためには、理解力向上のトレーニングが必要になることはいうまでもありません。いくら目を速く動かしても、中身を理解できなければ、それは読書とはいえないからです。

 こうした「頭の使い方のトレーニング」が含まれているからこそ、BTRメソッドは日常の読書スピードアップから、難関試験対策まで、射程の長いトレーニングとなっているのです。

頭の中で音読をしない

 さて、ここまでの説明で、なかには「頭の中で音読せずに文字を認識することはできないのでは」と、疑問を持った人もいるかもしれません。しかし、それは違います。私たちは文章を読むとき、すでに音読しないまま理解しているのです。

 たとえば、本の中に、「フォークを使う」 「フォークボールを投げる」 「フォークダンスを習う」という表現があったとします。 「フォーク」は日本語の表記としては同音ですが、それぞれ異なる意味を持ちます。しかし、実際の私たちは、この文を読むたびに立ち止まって意味を考えることはあまりありません。文脈に合わせて、自然とそれにふさわしい意味を思い浮かべて読み進めることができます。

 これは、無意識に、「フォーク」に続く「~を使う」「~ボールを投げる」「~ダンスを習う」という部分を同時に読み取っているからです。 文章の前後関係を目で認識して「フォーク」の理解を助けているため、音読する前に単語を認識できています。

 音読せずに内容を理解できる力は特殊な能力ではなく、本来、誰もが持っている力なので、トレーニングすれば誰でも活用できるようになります。 それでも、音を介してでないと文字を認識できないと思ってしまうのは、これまで慣れ親しんできた音読の習慣のせいでしょう。 音読にはたくさんのよい点がありますが、文章を速く認識する観点では、むしろ遅読の原因になります。どれだけ速く音読できたとしても、そのまま文字情報を認識したほうが圧倒的に速いからです。

 参考:脳内音読に悩む方へ。速読習得の方法論

文章を理解するとは

 文章を理解するとは、文字情報からイメージを導き出すことです。たとえば、前項で例に出した「フオークボールを投げる」という例文を思い出してみてください。 字面を見た瞬間に、スポーツのシーンが思い浮かびます。くわしくは書かれていませんが、野球かソフトボールをしているようです。「フォーク」を扱えるのだから、投げているのは変化球を投げることができるピッチャーで、その先にはキャッチャがいるはずです。 試合か何かが行われているのでしょう。人によっては、練習シーンを思い浮かべるかもしれません。

 このように、私たちは単に文字通りに理解しているというよりも、イメージを用いて想像力を働かせて、文字情報以上の情報を思い浮かべています。 文章をよく理解できたと感じるときには、こうしたイメージが十分に湧き起こって、脳内に情景が自分なりに再現できているのです。

 論理的な文章を読む際も同様です。 文章全体を通じた主張や論理の筋道、キーワードとキーワードとの結びつきなど、直接文章に書かれていない内容や関係を補えたとき、理解したと感じます。

 理解のために大切なのは、文字を見た瞬間に、頭の中で整理するなり想像するなり、情報処理を行うことです。トレーニングでは、簡単な指示に従ったり、頭の中で記号を並べ替えたりします。その積み重ねのなかで、意識しなくても頭の中にイメージできるようになります。時間を意識して負荷をかけることで、眠っていた情報処理の能力が、最大限まで活性化されるのです。

速読は勉強にも効果的

速読は時間を作ってくれる

 1冊を数分で読めない限り速読とはいえない、という声もあるかもしれません。

 しかし、試験に合格するために、それほどの特殊能力は必要ないはずです。「教科書を読むスピードを上げて予習したい」「限られた時間でしか復習できない」「時間制限が厳しいテストで余裕をもって解「答したい」など、受験生が直面するのは、いつも時間との勝負なのです。

 そんな人にとっては、読むスピードがいまの3倍程度になるだけでも大いに魅力的なはずです。これから受験を控えている試験の課題文を読む時間がいまの3分の1になったときのことを考えてみてください。試験に合格する可能性がグッと高まります。

 BTRメソッドは、一部の人だけの特別な訓練ではありません。真面目に取り組めば、効果を感じられるプログラムです。 それは人間の情報処理の働きを研究する「認知科学」の研究成果を基礎としているためです。忙しい人にこそおすすめします。

情報処理能力は武器になる

 どの試験を受ける場合でも、同じ試験を受ける受験生集団の中で、平均以上の情報処理能力が求められます。 受験倍率3倍の難関大学であれば、上位3割です。 英検1級であれば、合格率はたったの10パーセントですから、トップクラスの処理能力が求められるでしょう。

 司法試験や公認会計士試験などでもそうですが、難関試験を突破するには、大量の参考書を読破する速読力に加えて、難しい問題を解くための集中力と理解力、さらに記憶力が必要です。

 BTRメソッドの成果は、単に「速く読むこと」にとどまりません。試験合格に必要な「頭の基礎体力」もつけることができます。

 教室でBTRメソッドを提供しているクリエイト速読スクールでは、比較的小規模ながらも難関試験への合格者を次々に輩出しています。 最難関の司法試験では、1993年以降30年連続76名の最終合格者が出ています。 どの合格者も、速読スキルを獲得しつつ、高い情報処理能力も獲得して新しいキャリアへの切符を手にしました。

 クリエイトの出版物『速読のすごいコツ』では、教室で使っているメニューと同じトレーニングを掲載しています。 環境さえ整えれば、無理なく続けられるだけでなく、教室受講と同じ効果を期待できます。さらに、教室受講生とトレーニングスコアの比較もできます。

 クリエイト速読スクールでは、受講生のトレーニングの記録をブログに掲載して、いつでも情報を共有できるようにしています。できる人、あきらめずに努力し続ける人のスコアが15年分蓄積されており、BTRメソッドに取り組む人が、目的を持って自分を高め続けられるきっかけになっています。そのスコアと自分のスコアを比べて、トレーニングのヒントを得ることもできます。 モチベーションを上げたいとき、1人でトレーニングを続けるのがつらくなったときは、ブログの記事をチェックしてみてください。

読書の時間が増える

 前項で、 速読は試験勉強にどのように役立つのかを説明しました。 しかし、それ以上に大きなメリットは、速読による読書習慣の獲得にあります。

 たとえば、電車の中で本を楽しめるようになります。速読の成果によって、すぐに集中できるようになり、本の内容もこれまで以上に理解できる力がついたためです。また、お風呂の中や、寝る直前まで本を手放さなくなった人もいます。 読書のスタミナがつくことで、普段ならだらだらとスマホを触ってしまうような場面でも、小説の続きを読むようになったという人もいます。

 年に1、2冊しか読まなかった人が、自然と月に3、4冊、1年間では50冊の本を無理なく読む習慣がつくケースは何ら珍しくありません。

 読書が苦手な人は、「読むのが遅い→読むのがおくう→読書から遠ざかる→情報処理能力が減退→ますます読むのがつらくなる」といった「遅読の悪循環」に陥っています。しかし、BTRメソッドによって情報処理能力を上げると、活字への抵抗感を感じにくくなり、以前よりもスムーズに読書に入れるようになります。人は誰しも「読む力」を秘めています。しかし、様々な習慣やクセなどによって読むことが難しくなり、その結果読書から遠のいているケースがとても多いのです。 BTRメソッドは、目と脳のトレーニングを通じ、そうした遅読の原因を一つひとつ治すことで、誰もが本来持っている「読書のための力」を引き出しています。

 日々の勉強でも同様です。日々の勉強がスムーズに進むようになれば、勉強をしている際に感じていた抵抗感がなくなり、ますます勉強を継続できるようになります。 勉強時間が増えれば結果もついてくるので、勉強すればするほど楽しくなる、よいサイクルが回り出します。

ワーキングメモリも鍛えられる

 読書習慣の獲得だけではありません。 BTRメソッドでのトレーニングを頑張れば、ワーキングメモリもパワーアップして、要領よく作業をこなせるようになります。

 ワーキングメモリとは、脳の中のメモ帳のようなものを指す認知科学の用語です。たとえば、計算問題を解くとき、私たちは頭に数を一時的に残しながら暗算をします。 作文をするときは、頭の中で書きたい内容を思い浮かべながら文章を書きます。

 優先順位をつけて同時処理を行う際にもワーキングメモリは働きます。試験問題を解きながら、時間ペースを調整するときなどです。このように、複雑思考や行動を行う際には、ワーキングメモリをうまく活用することが欠かせません。

 しかし、ワーキングメモリの容量が少なく、頭の中にメモが1つか2つしかできなければ、たくさんの情報が入ってきたときに、思考はストップしてしまいます。しかし、たくさんのメモを取ることができれば、効率よく情報を整理することができます。ワーキングメモリには個人差がありますが、鍛えることもできます。脳は、使えば使うほどその機能が強化される「可塑性」という性質があるからです。

 BTRメソッドのトレーニングは、ワーキングメモリに負荷をかけ、脳をフル回転させるため、パワーアップに非常に有効です。毎回、制限時間の中で自分が解けるか解けないかといったギリギリの難易度の問題を解いて負荷をかけ続けることが、様々な場面でのピンチを助けてくれることにつながります。

 参考:処理能力の土台。ワーキングメモリを鍛える方法

速読は仕事にも役立つスキル

 速読スキルは、読書だけでなく、パソコンやスマートフォンで文章を読む際にも有効です。

 デジタル時代においては、大量の情報がオンライン上で共有されており、その情報を効率的に処理し理解する能力は、ますます重要になっています。

 また、メールやチャットツールなどのコミュニケーションにおいても、速読の能力を活用することで瞬時に対応できるようになります。

 広い範囲の文字を認識できるようにする能力、たくさんの情報を処理できる能力と、そのベースとなる集中力を鍛えることの重要性は、デジタル化が進んだ今後もなくなることはありません。 速読は一生モノの能力となるので、頑張ってトレーニングに取り組んでみましょう。

 参考:速読トレーニングとは? キャリアアップに役立つ、大人の習い事をご紹介

無料体験レッスン

 クリエイト速読スクールでは、読書に必要な能力を一つひとつ確実に鍛えていく、地味なトレーニングをご用意しています。読書速度だけでなく、総合的能力の向上を意図したプログラムです。努力を重ねた分だけ、しっかりと成果が収穫できる設計となっています。

 無料体験レッスンでは、みなさんの情報処理能力を、種目(項目)ごとに数値化して分析することができます。

 ぜひ一度、教室に遊びにきてください。多彩なトレーニングをご用意して、お待ちしております。

 

この記事のタグ

劉 智秀 クリエイト速読スクール二代目代表