
目次
ブラックボックスとは
ブラックボックスとは、外から観察できる「入力」と「出力」がある一方で、その内部のしくみがわからない装置を意味します。
たとえば、箱に、1という数字を入れたところ、2という数字が返ってきたとします。
外から見ただけでは、箱の中で、何が起きたのかはわかりません。
+1かもしれないし、×2かもしれないし、もっと複雑な処理かもしれません。
1を入れたら2が出てくることはわかるが、その中のしくみはわからない。
こうした装置のことをブラックボックスといいます。
身のまわりのブラックボックス
私たちが普段使うスマートフォンもその一例です。
問題なく使いこなせるが、内部のしくみはわからない、という人がほとんどのはずです。
スマートフォンだけではありません。
テクノロジーに囲まれている現代において、ブラックボックスの概念は、もはや日常に根付いています。
心身のはたらきも、ブラックボックス
心身のはたらきも、外からは観察ができない無意識に影響を受けるという点で、ブラックボックスといえます。
心や身体のはたらきは複雑で、すべてを正確に理解することは困難です。
しかし、それが問題になることはありません。
なぜなら、内部のしくみを完全に理解しなくても、私たちは目標に向かって行動し、結果を得ることができるからです。
努力と結果の対応関係を把握する
ブラックボックスの内部を解明することが求められる場面も、もちろんあるでしょう。
しかし、日常生活においては、欲しい結果を得られることの方がはるかに重要なはずです。
自分の努力が、どのような結果を生み出すのか。
その対応関係を把握し、欲しい結果を、自在に引き出せることを目指す、というのが成功の近道です。
フィードバックとは
では、より良い結果を得るには、どうするべきか。
その鍵となるのが「フィードバック」です。
フィードバックとは、「結果に含まれる情報を原因に反映させ、調節をはかること」を意味します。
2種類のフィードバック
自らの心身を駆使して、何かに挑戦する際、得られるフィードバックは2種類に分けられます。
結果からのフィードバック
1つ目は「結果からのフィードバック」です。
これは、行動の成果やデータを見て、次の努力のしかたを調節する方法です。
内的感覚からのフィードバック
2つ目は「内的感覚からのフィードバック」です。
無意識のはたらきはブラックボックスであるといっても、自分の心身ですから、常になんらかの反応が感覚を通して意識にのぼってきます。
それを味わうことで、より的確に努力のしかたを調節することができるのです。
内的感覚を正しく活用するにはリラックスが必要です。
緊張や混乱の状態にあっては、内的感覚への感受性が閉ざされるためです。
クリエイトの授業が、カウント呼吸法からはじまる理由がここにあります。
フィードバックを頼りに改善していく
求める結果がいきなり手に入ることは滅多にありません。
簡単な訓練ならまだしも、現実の複雑で困難な課題であれば、なおさらです。
であるからこそ、目の前の結果をもとに、少しずつピントを合わせていく能力が重要なのです。
目先の結果に一喜一憂する必要はありません。
フィードバック・工夫・試行錯誤を繰り返していきましょう。
参考:PDCAサイクルとは
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劉 智秀 1999年東京都生まれ/栄東中学・高等学校/東京大学経済学部卒/クリエイト速読スクール二代目代表