
目次
コンフォートゾーンとは
コンフォートゾーン
コンフォートゾーンとは、「仕事や勉強において、自分が心地よく課題を行うことができる心理的な領域」を指します。
コンフォートゾーンは心地よい領域である反面、成長する機会に乏しい領域でもあります。
コンフォートゾーンの外側には、ラーニングゾーンとパニックゾーンという2種類の領域があります。
ラーニングゾーン
コンフォートゾーンの外側にある、負荷がかかりながらも成長ができる領域を、ラーニングゾーンといいます。
パニックゾーン
やみくもに自分に負荷がかかる状況や人間関係に身を置くことが、必ずしも成長に繋がらないことは、容易に想像できるのではないでしょうか。
ラーニングゾーンの外側にある、負荷がかかりすぎて支障をきたす領域を、パニックゾーンと呼びます。
焚き火のメタファー
比喩を用いて、理解を深めてみましょう。
太古の時代、暗い夜をともす焚き火をイメージしてみてください。焚き火の明かりが届く範囲が、外敵に襲われることのない「コンフォートゾーン」といえます。
コンフォートゾーンに留まろうとするのは、自らを身の危険から守るための生物的なプログラムであると考えられます。
コンフォートゾーンを抜け出すメリット
何事も初めは一所懸命になる必要がありますが、慣れるにつれて、そつなくこなせるようになります。そうなると、そのタスクは自分にとってのコンフォートゾーンに入った、といえます。
コンフォートゾーンを抜け出すメリットは、ラーニングゾーンでの仕事や課題によって成長機会を得られることです。
新しい物事へのチャレンジを通じて、アメーバが周囲の餌を取り込むかのように、コンフォートゾーンが拡大していくのです。
コンフォートゾーンの抜け出し方【3ステップ】
ここからは、コンフォートゾーンの抜け出し方を、3つのステップでご紹介します。
1. コンフォートゾーンから抜け出したい分野を決める
焚き火の例を用いると、「一人につき一つのコンフォートゾーン」というイメージが強くなりますが、実際には、心理的な領域を意味する言葉ですから、「各分野ごとにコンフォートゾーンがある」と考えた方が正確でしょう。
具体例として、「仕事」「資格試験」「家庭」が生活の中心となっているとします。そのうち、「資格試験」が1か月後にひかえており、現在の自分の実力では合格が難しいとします。この場合、「資格試験」がコンフォートゾーンを抜け出したい分野となります。
2. リソースを集める準備をする
コンフォートゾーンから抜け出したい分野を一つに絞ったら、そこに自分のリソースを集中させる準備をします。
先の例ですと、可能な限り「資格試験」に時間と労力を割きたいはずです。
- やらないことを明確にする
- 周囲の理解を得る
といった事前準備をし、気兼ねなくチャレンジができる環境を整えましょう。
3. 自分のタイミングで出る
焚き火の隣で寝たつもりが、気づくと真っ暗闇の中に放り出されていた、となるとパニックに陥ります。
ある日突然、1か月後の「資格試験」を受けることが決まったとしたら、合格が難しいだけでなく、無理をするあまり、「仕事」「家庭」といった領域にまで悪影響が出てしまいます。
こうした事態を避けるために、コンフォートゾーンからは自分のタイミングで出る、というのが最後のステップになります。
コンフォートゾーンを抜け出すときのポイント
不安と向き合う
コンフォートゾーンから抜け出す際には、「失敗するのではないか」「後悔するのではないか」といった不安に、うまく対処できるかが重要になります。
まずは何を不安に思っているのか、紙に書き出すなどで明確にするのがオススメです。自分が悩むべき点が明確になり、対策を立てやすくなるはずです。
類似例として、「緊張」との向き合い方をテーマにした記事があります。ぜひ参考にしてください。
参考:【実体験】緊張しない方法。腹痛や吐き気に悩む人へ。緊張しいの特徴や対策をご紹介。
安全基地があることを知る
コンフォートゾーンから抜け出すことは、自分のキャパシティを超えた挑戦を意味するため、必ず失敗のリスクを伴います。
失敗への不安を減らし、万が一失敗したとしても立て直しができるよう、安全基地を用意しておきましょう。
安全基地とは、自分が安心していられる環境のことです。たとえば、家族や友人といった、仕事とは直接関わりのない関係では、かりに仕事で失敗をしたとしても、いつも通りにふるまうことができます。
安全基地があることを知ると、多少のリスクは許容できるようになります。
最初の一回が大切
一度、コンフォートゾーンから抜け出す経験をすると、メリットを得られたという実体験が、その後の自分の挑戦を後押ししてくれるようになります。
心理的にもっとも大きな負荷がかかるのは、最初の一回です。気楽にいきましょう。
訓練がはたすべき役割は何か
クリエイト速読スクールの授業は、ひたすらに本を読ませるものではありません。1コマ90分の授業の中で、多彩な訓練に挑戦していただきます。
各訓練は、人工的に設定されたものです。それが人工的であるのは、複雑すぎない適度な状況・課題の下でこそ、試行錯誤が効果的にでき、目的の能力が確実に身につくからです。
現実は複雑であり、人はしばしば失敗の不安にとらわれ、「不安→緊張→失敗」の悪循環に陥ります。そうならないような適切な訓練状況・課題設定、助言というものがあれば、人は実りある努力を重ねて、現実に立ち向かう能力と自信を得られるのではないでしょうか。
出典:知的速読の技術 BTRメソッドへの招待 p.220-221(一部改変)
こうした考え方が、クリエイト速読スクールの原点にあります。
コンフォートゾーンから抜け出すポイントは、不安をいかにコントロールするか、という一点に集約されます。私自身の経験をふまえ、言葉を尽くして書いてはみましたが、たいして役に立たないとも思っています。不安が生じ、緊張をしてしまうのは、心身の反射的な働きです。頭で考えて制御できるような、簡単な悩みではありません。
一方、たとえ人工的に用意された訓練のなかであっても、自らの心身を駆使して、コンフォートゾーンから抜け出す経験を得られれば、それは十二分に価値があるはずです。
最後に、当スクールに通う生徒さんの声をご紹介したいと思います。
受講生の声
面白いところでもあるのですが、目の前の壁を超えたと思ったら、すぐさま新たな壁が現れてくるので、速読プログラムの体系の果てしなさを感じてます。
トレーニングの内容によって得意不得意が非常にはっきりと分かれていたのが印象的だった。本を読む際、何がボトルネックになっているのかが浮き彫りになったとともに、それぞれの能力をレッスンを通じ、自分で考えているよりも伸ばしたり、補強したりができそうに思え、速読により一層興味をもった。
このスクールは「速読も」できるようになるものだと実感しています。あくまでも、読書スピードが上がるのは副産物であり、それよりも、脳を活性化させて、力を最大限引き出せるようになることがゴールだと考えています。
これまであまり本を読んできませんでしたが、これからはたくさん本を読みたいと思います。夜眠れなくなるくらい脳を鍛えるのは、いろいろな力も上がるし、楽しいし良いことだらけだなと思いました。
ひたすらにむずかしくて、訳の分からない文章を読まされるものだと思っていたら、テンポよく、たくさんの訓練を行った。どれもあまり得意なものはなく、伸びるのかと疑っていた。しかし、こうやって今までの記録を見かえしてみると、数字はどんどん大きくなってきているし、速さや理解度も上がっていた。実感はあまり大きくないものの、家で英文を読んでいるときにいつも出てしまうあくびや、眠気は特になく、いつもの3分の1ほどの時間で終わった。メリットしか感じられない。
(中3女子 Aさん)
目さえ動けば速読は出来るのでは、と甘く考えていたため、論理性をも問われることに驚いた。だがその大切さが分かり、やがて隣の人のスコアに悔しさを覚えた。その時出したエネルギーが、今の自分の力になっている。瞬きを忘れるほど集中し、自分の体に不甲斐無さを覚えるほどの力を出した結果が、この5日間のスコアだ。先生が仰っていた通り、「無理をする」ことなしに、古い自分から脱皮することはできないと思った。これからも、限界突破を繰り返して、成長してゆきたいと思う。
(新中3男子 Z君)
トレーニング中は、ビビりすぎたり、勇気を出せたり、どっちつかずでうろうろしてしまっている感覚です。それは、別の考え方をするとまだまだ伸びる余地がたくさんあるということなので、引き続き、勇気を出す練習を積み重ねたいと思います。
1日に2回から3回クリエイトの授業を受けると、集中力を使い果たす。 なんとなく集中力の限界値みたいなものが高まった感覚がある。結果的に、以前より長時間本を読むように(読めるように)なっている。
(研究者 Mさん)
東京圏のできる中高生たちは、非常に恵まれた環境にいるのだなとブログを読むたび感じます。私自身は地方出身だったこともあり、SEG+クリエイトのごとく創意工夫に溢れたプログラムを持つ塾自体がそもそも周りにありませんでした。「情報処理の底力を鍛える」という思想に立った訓練環境となると、おそらく皆無だと思われます。
(大学教員 Kさん)
思考のスタミナ、集中力のスタミナが付いてきた。自分の感覚での限界よりもはるか先に実際の限界があるようだ。記憶力が目に見えて上がってきている。メモなしで数日前の談話の要点を説明できたり。