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読書量が多い人は、読書を通じてどのような能力を身につけているのでしょうか。また、読書量を確保するために、どのような習慣を身につけているのでしょうか。
この記事では、読書量が多い人の特徴と、読書量が多い人の習慣について、ご紹介します。
読書量が多い人(本を読むのが速い人)の特徴
語彙力が高い
本を読む人は、本を読まない人に比べ、語彙力が高い傾向にあります。それは、読書の過程で多くの言葉にふれるためです。
ベネッセによる「第1回 現代人の語彙に関する調査」では、本を「全く読まない人」と、月に「1〜2冊読む人」とでは、語彙力に約15%の開きがあることが明らかになっています。
注目すべき点は、月に1〜2冊読むだけでも、読んでいない人と比べたときに、語彙力にある程度の差が生まれるという点です。もちろん、読む冊数が多ければ多いほど、語彙力は高まる傾向にありますが、ご自身に無理のないペースで継続するだけでも、十分に効果はあるといえます。
(Literasベネッセ ホームページよりご紹介。2023年7月23日閲覧)
想像力が豊か
文字を認識する過程について、少し考えてみます。
たとえば、「猫」という文字は、それだけでは紙に書かれた線にすぎません。しかし、日本語の「猫」の意味を知っている私たちなら、目から得たこの文字情報を、過去の学習や経験から得た「猫」の姿や特徴に置き換えてイメージすることができます。
つまり理論上、読むという行為は、感覚器を通じて文字情報を捉え(認知)、その文字情報と記憶されている各種イメージを結びつける脳の情報処理が行われることによって実現されることになります。
文字そのものが持つ情報量は、映像などに比べると少ないものでしょう。しかし、文字が持つ情報量が少ないからこそ、私たちの脳はそれを想像力で補います。
読書量が多い人は、想像力を働かせる訓練を習慣的に行なっているようなものですから、想像力が豊かであるといえるでしょう。
読書と脳の想像力の関係に興味のある方は、ぜひ以下の文献をご確認ください。
参考:読書は脳の想像力を高める -なぜ「紙の本」が必要なのか-
(生活共同組合研究 2018年 508巻 p.13-19 東京大学大学院総合文化研究科 教授 酒井邦嘉氏の公開文書よりご紹介。2023年7月23日閲覧)
知識が豊富
WEBページや動画サイトなど。インターネットが普及した今の時代は、読書以外にも、知識を得るための方法が多く存在しています。しかし、正しい知識を体系立てて学ぶ最良の方法を選ぶとなると、まだ読書に軍配が上がるのではないでしょうか。
出版物は必ず編集者によって内容の確認が行われていますし、本文の構成も、著者によって長く練られています。伝える内容にも、伝える順番にも、プロの工夫が込められています。
「読む前から中身を全て理解している本だけを繰り返し読み続ける」などということはありませんから、読書量が多い人は、新しい知識にふれる機会を継続的に設けることができます。しかも、読書の過程で得られる知識は、一問一答クイズのように断片的なものではなく、一冊の本の中で体系立てて説明される知識です。
読書量が多い人は知識が豊富という特徴は、本自体が持つ特徴からも納得いただけるのではないでしょうか。
読むのが速い
クリエイト速読スクールでは、無料体験レッスンの最後に、読書スピードの計測を行なっています。
生徒さんのスコアは400〜1200字/分の間に分布し、その平均は約750字/分です。
スコアの高い生徒さんとお話ししてみると、読書の習慣があり、文章を読み慣れているケースが多いです。つまり、読書量が多い人は、読書スピードが速いのです。
読むのが苦痛だといって読まずにいれば読書の習慣はつかず、読むことはますます苦痛になります。それを乗り越えるためには、結局たくさんの本を読むしかないのだとしたら、これはとんだ悪循環です。
クリエイト速読スクールのBTRメソッドは、この悪循環を断ち切る処方箋としてお役に立てるはずです。
参考:はじめて「速読」を調べるあなたに。BTRメソッドとは何か?
読書量が多い人(本を読むのが速い人)の習慣
読書量が多い人には、読書量を維持するための習慣があります。ここでは、すぐに真似できる読書家の習慣を、5つご紹介します。
読書のための時間を決めている
忙しい日常生活の中では、あらかじめ読書の時間を決めておかないと、なかなか時間が確保できないものです。読書量が多い人は、読書のための時間を決めています。
寝る前の30分間や通勤時間を利用する、スマートフォンやテレビの代わりに本を読むなど、日常の時間を工夫して読書に割り当てることが大切です。
自分だったらどの時間を使えるか、一度考えてみるのはいかがでしょうか。
つねに本を持ち歩いている
読もうと思って買った本が、気づいたら本棚の中で埃をかぶっている。誰しも、心当たりがあるはずです。
そんな方には、特に読むつもりがなくても、カバンやポケットの中に、常に本を入れておくことをおすすめします。
文庫本サイズであれば、負担なく持ち運ぶことができ、スキマ時間を活用につながります。
無意識にスマートフォンを触るのと同じ感覚で本に手が伸びるようになれば、あなたも立派な読書家です。
小さな目標を設定する
大量の本を読むことを目指すよりも、まずは少しずつでも定期的に読書をする目標を立てましょう。
たとえば、週に1冊の本を読む、または1日に10ページ読むだけでも十分です。小さな目標は達成しやすく、継続しやすいため、モチベーションを維持することができます。
読書記録をとる
せっかく本を読み終えても、読みっぱなしでは達成感が薄く、読んだ内容を忘れることも多いでしょう。
そこでおすすめしたいのが読書記録をとることです。
記録といっても、読んだ本の名前、印象に残ったポイント、気になった箇所のメモ、などの簡単なもので構いません。コツコツと積み重なっていくものがあるだけでも、読書の楽しみは膨らんでいきます。
もちろん自分のメモ帳を活用するでも構いませんが、今の時代は、読書を応援してくれる素敵なアプリがたくさんあります。
全ての読書アプリを使った経験のある筆者が、個人的におすすめするアプリは「ブクログ」です。
登録機能、メモ機能、簡易的なSNS機能、そして洗練されたデザイン。全ての面で群を抜いているweb本棚サービスなのですが、無料で利用することができます。
あなただけのバーチャル本棚をぜひ作ってみてください。
参考:ブクログとは
読書仲間がいる
一緒に物事に取り組む仲間がいることは、読書に限らず、モチベーションの維持に欠かせません。
読書の場合は、読んだ本の感想やおすすめの本を交換することもできます。新しい本を知ることで、自分が興味を持つジャンルや著者を発見するチャンスが増えると、ますます読書にのめりこむことができるかもしれません。
仲間を作る第一歩として、まずは友人と一緒に、同じ本を読んでみるのはいかがでしょうか。
クリエイト速読スクールのご紹介
クリエイト速読スクールでは、読書に必要な能力を一つひとつ確実に鍛えていく、地味なトレーニングをご用意しています。読書速度だけでなく、総合的能力の向上を意図したプログラムです。努力を重ねた分だけ、しっかりと成果が収穫できる設計となっています。
どのようなトレーニングを行い、どのような成果をあげているのか。どうぞ、当ブログの「受講生の声」カテゴリをご一読ください。
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劉 智秀 1999年東京都生まれ/栄東中学・高等学校/東京大学経済学部卒/クリエイト速読スクール二代目代表