速読はなぜ目を動かすのか | 速読ナビ

速読訓練法

速読はなぜ目を動かすのか

更新日:2024年10月27日 公開日:2024年10月12日

 速読と聞くと、目を動かすもの、とイメージされる方が多いです。実際、クリエイトのトレーニングにも、サッケイドシートという教材を用いた目を動かすトレーニングがあります。

 これは何のためにあるのでしょう? 今回は目を動かすトレーニングの目的と、その限界についてお伝えしていきます。

速読トレーニングをしていなくても、目は速く動く

 ぼんやりと車窓からの景色を眺めている人の目が、物凄いスピードで動いているのを見たことはありませんか。

 次から次へと通過していく建物などを、無意識に追いかけていると、このような現象が起こります。

 トレーニングをしていなくても、これだけ目が速く動くのであれば、目を動かすトレーニングの意義はどこにあるのでしょうか。

 「速読=目を動かす」というイメージはあるものの、いまいちピンとこない方にお伝えしたい内容です。

速読トレーニングを体験してみよう

 まずは、実際に体験してみましょう。体験用の動画がありますので、一度挑戦してみてください。

目を動かすトレーニングの目的

 それでは、ここからが本題です。

 目を動かすこと自体は、難しいことではありません。

 しかし、決められた動きにしたがって、できるだけたくさん動かすとなると、思うようにコントロールできないもどかしさが出てきます。

 これは注意のコントロールのための訓練です。

注意のコントロール力が、速読の土台になる

 注意という言葉は、「心の働きを高めるため、特定の対象に選択的・持続的に意識を集中させる状態」と定義されます。

 目の動くスピードは、大きな問題ではありません。なぜなら、目が長い距離を移動するわけではないからです。

 大切なのは、次から次に注意の対象を切り替えていけることや、目の前にある対象から注意が他に逸れていかないことです。

 読書の最中、何度も同じ行を読んでいたり、気がついたら別のことを考えていたり、という経験は誰しもお持ちのはずです。

 テンポよく読み進めるためには、自分の注意を、自由自在にコントロールする力が必要なのです。

目を動かすだけでは、速読はできない

 このように、目を動かすトレーニングには重要な役割があります。ただし、このトレーニングだけで速読ができるわけではありません。

 なぜなら、注意をコントロールする力は、読書に必要な力の一要素に過ぎないからです。

 1コマ90分の授業のうち、目を動かすだけのトレーニングは、長くても3分ほどです。

 あとに続く、豊富なトレーニングを、引き続きご紹介していきます。

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劉 智秀 1999年東京都生まれ/栄東中学・高等学校/東京大学経済学部卒/クリエイト速読スクール二代目代表