速読と視野のつながり【3種類の視野】 | 速読ナビ

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速読と視野のつながり【3種類の視野】

更新日:2024年10月29日 公開日:2024年10月15日

一目見て速読することはできない

 『ドラえもん』に登場する秘密道具の中に、「アンキパン」というものがあります。

 カメラで写真を撮るように、一目見ただけでページ全体が頭に入ればいいのに。

 誰もが一度は考えることですが、私たちは普通、一目見るだけで本を読むことはできません。

 当然と言えば当然なのですが、これはなぜでしょうか。

 この理由は、私たちの目の仕組みにあります。

ヒトの視野の範囲

 片目の視野は、それぞれ160度とされています。

 試しに目は前を向いたまま、片目を隠してチェックすると実感できるはずです。

 一口に視野といっても、すべての範囲が同じように見えるわけではありません。

 これが目とカメラの違いです。

 視野は、その機能にしたがって3種類に分かれます。

3種類の視野

中心視

 まずは中心視。

 視野の中心からわずか1-2度と狭い範囲ですが、モノの形や色などを鮮明に判別することができます。

 高解像度のレンズのような役割を果たしており、視力検査で測定する数値は、この中心視で見たときの力です。

有効視野

 つづけて有効視野。

 視野の中心から最大20度程度とされる、情報を認識することができる範囲です。

 注目すべきは、その範囲が変化しうるという特性です。

 たとえば、何かに集中しているときや、気分が落ち込んでいるときは、有効視野が狭まります。

 活字慣れしている人は、読書中の有効視野が広い傾向にあります。

 速く読めるようになるための、カギを握る部分です。

 参考:「有効視野の特性とその測定手法

 参考:「疲労と有効視野の関係

 参考:「携帯電話でのメール作成時の有効視野

周辺視野

 さいごは周辺視野です。

 解像度が低く、文字を読むことはできませんが、大まかな動きを判別する役割があります。

 横から何かが飛んできたときに、とっさに避けることができるのは、この周辺視野のおかげです。

 読書ではあまり活躍することはありませんが、スポーツなどでは重要な働きを担います。

クリエイトの速読は、目のトレーニングから

 クリエイトでは、こうした目の性質を踏まえ、ランダムシートやBPシート、行パターンシートといった、有効視野に働きかけるトレーニングをご用意しています。

 身体を使う事柄は、頭で考えてもうまくいきません。

 具体的なトレーニングのスコアを伸ばそうとするなかで、広く見てわかる感覚を養います。

 「読む」ってそんなに単純じゃないよね、「読む」ってこういう力も必要だよね、の連続です。

 まだまだ続いていきます。それでは、また次の記事で。

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劉 智秀 1999年東京都生まれ/栄東中学・高等学校/東京大学経済学部卒/クリエイト速読スクール二代目代表