東大院生が選んだ速読トレーニング。ユーキャンの速読講座を終えて、教室まで通った理由とは | 速読ナビ

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東大院生が選んだ速読トレーニング。ユーキャンの速読講座を終えて、教室まで通った理由とは

更新日:2024年5月18日 公開日:2023年7月5日

 この記事は、東京大学大学院生の常岡さんによる速読体験記です。

常岡 充子

きっかけはユーキャンの「新・速読講座」

 私は2008年4月下旬にユーキャンの「新・速読講座」(以下「通教」)の受講を開始した。通教の全プログラムを終えたのは2008年8月中旬だったので、通教の推奨する受講期間3カ月よりはやや長い期間取り組んだことになる。通教を終えた後、最終の課題の添削返却を待たずに8月下旬にクリエイト速読スクールに入会し、2008年10月6日の時点で10回受講した。

 BTRメソッドの存在を知ったのは2008年の春で、速読を身につける方法を探していたときだった。通教の費用と受講者数、また教室の実績などを見て、すぐに資料を請求した。通教以前に速読を学んだことはないため、これが私と速読との出会いだった。

 通学で受講10回目を終えた現在、私の速読歴は5カ月である。これが長いか短いか、またその成長率は高いか低いかはさておき、この5カ月で私が学んだこと、感じたことをこれから伝えさせていただくが、全体を通して一つ断言できることがある。それは、「速読を学んでよかった」ということだ。

 (注)ユーキャン速読講座について、最新の情報は、以下のブログをご確認ください。

 参考:ユーキャン『速読講座』休講のお知らせ

読書速度の遅さは気にならなかった

 子どもの頃から本が好きで、親も熱心に本を与えてくれた。映画化され一時注目を浴びた『ゲド戦記』は親の薦めで小学生の頃に出会い、まだ読めない漢字が多いにも関わらず辞書で調べながら読んでいた。大人が読んでも面白い作品だが、当時小学生の私も非常に興奮し、一気に読み進めた。「本が好きな人は読みなれているため、読むスピードも速い」と思われる方も多いだろうが、私は遅かった。特に小説は、描かれている場面を想像し、その雰囲気や登場人物の思いに「共感」しようとし、会話は実際に頭の中で「話している」ように感じるため、それこそ頭の中で「音読」していた。これまでこの読み方に不満はなく、作品を味わうには必要な時間だと思い、読書速度の遅さはまったく気にならなかった。

速読開始のきっかけ

 速読を身につける必要を強く感じたのは、大学卒業間際だった。大学院入試を年始に控え、読みたい本も我慢し受験勉強に励んでいたとき、卒業後就職する友人が「今しか時間がないから」と本を大量に読み漁っていたのを見て、心底うらやましかった。受験勉強の必要がないことではなく、自分の読みたい本を好きなだけ読める幸せを羨んだのだ。

 なぜ速読を身につける必要を感じたのか。それは、子どもの頃とは違い今後は読書に割ける時間が短くなること、その一方で本を読みたいという思いがまったく冷めていないことに気づいたからだ。読書のための時間を確保するには、自分の作業効率を高める必要がある。

 私は現在大学院に在学しているが、ここでの「作業」は9割以上が文献を読むことだ。日本語であれ英語であれ、論文・本・授業の資料など読むべき文献は膨大な量がある。このような環境下では、読書のための時間を確保するには、読書速度を上げる必要があるという結論に達した。

 速読の習得は、読書時間を確保すること以外にも私の望みを叶えてくれる技術だと思った。それは、「たくさん本を読みたい」という望みだ。大学院生として読むべき文献は膨大な量があるが、一個人として読みたい本もまた膨大な量があった。速読の習得はまさに一石二鳥の選択だという結論に達し、速読の勉強を始める決意をした。

なぜBTRメソッド?

 世の中には非常に多くの「速読術」がある。前述の通り、私はBTRメソッドしか経験していないため、他の速読術との比較を語ることはできない。しかし、多くの速読術の中から、なぜBTRメソッドを選んだのかにはお答えすることができる。

 理由は3つある。

 1つ目は、文章の理解や感動を損なわない点だ。小説を味わうために頭の中で音読していた私は、この感動を奪う速読術は望まなかった。小説とそれ以外の本とで読み方を変えればいいと思う人もいるかもしれないが、やはり「時間が限られている」という思いが強くなると、そのように器用に切り替えができる自信がなかった。また、文献を多く読んだところでまったく頭に入っていなければ時間の無駄になるので、文章の理解度を下げる速読術の習得も望まなかった。いつ、どのような本を読んでも、十分に内容を理解し、その文章の世界を楽しむことができる速読術である必要があった。

 2つ目は、3倍速を目指し、それを達成している受講生が多い点だ。「驚異的な」数値を示した広告を出すような速読術がある一方で、あえて「3倍速」を謳っているBTRメソッドは信頼できると思った。少なくとも読書速度が3倍になれば、今の3倍の本を読むことができるのだ。できるかわからない数値を目指すよりも、確実に現状よりも高い能力を得られるという信頼感が、BTRメソッドにはあった。

 3つ目は、通教の受講料だ。「ここまで語っておいて、最後はカネか」と思う方もおられるだろうが、しかしきれいごとは言っていられない。通教の値段を見て、「これで3倍以上になれるのなら安いものだ」と思った。受講料を払うのは1回だけだが、3倍速になることで得られる余剰時間は今後一生続くのだ。そう言い聞かせて申込書を投函した。

ユーキャンでの受講との違い

 通教と通学とでは、その内容にほとんど差がない。質は同じと言って支障ないと思う。また、「通教は飽きるのでは?」という不安を抱く人もいるだろうが、このプログラムは非常によくできているので、55回のトレーニングを通して飽きたと感じたことは一度もなかった。

 通教は先生が見ていないので集中しないと思うかもしれないが、私の場合はそのようなことはなかった。一つはやはりCDの質の高さ故だと思う。トレーニング中に流れるBGMが集中を促してくれた。このBGMは教室でも流れているので、その点でも通教は通学と同じ環境だといえるだろう。また、「通学の人に劣らない成績を出すぞ!」と思いトレーニングに取り組んだため、モチベーションは常に高かった。

通教のメリット

 通教のメリットは何か。それは、自分でBTRメソッドについて考えを深められる環境にある、という点だと思う。通教では郵便やメールで質問が可能だが、通学とは違いダイレクトに返事を聞けるわけではない。そのため、どのようにしたらもっと成績が伸びるのかを考える際に、そのトレーニングの目的や特徴を吟味して、自分なりに解釈をし、その結果を次回のトレーニングで実践するという、自分の中でのサイクルが作られる。それが近道かはわからないが、トレーニングへの理解が深められたのは良い経験だと思う。

 どのような技術にも共通だと思うが、その技術に関する知識が少ないと習得は困難になる。理解を深め、本質をとらえることができれば、その技術の習得や能力の向上は非常にスムーズになるだろう。

教室に通うメリット

 通学のメリットは、やはり講師が非常に「近い」ことだと思う。毎回のように講師の方がトレーニングやBTRメソッド自体についての考えやポイントをお話してくださるというのは、通教では得られないメリットだ。わからないことや悩みがあったらすぐに相談できる点も、非常に良いところだと思う。また、一緒に受講している方々の能力の高さや熱意に触れると、自分のモチベーションも否応なしに上がる。

通教と通学の違い

 通教と通学の違いはダイレクトな反応の有無だけだと思う。通教は対面ではないため、どうしても質問への返答には時間を必要とする。これはシステム上の問題のため、通教の方が「劣っている」ということではない。

通教と通学の共通点

 通教と通学の両者に言えることは、本人の主体性が非常に重要である、という点だ。高いモチベーションを維持することも、トレーニングに集中することも、結局は本人がどこまで積極的に取り組むかで決まる。通学の方がその助けは多いかもしれないが、あくまで「助け」なのだ。講師の方に甘えたり、周りの受講者の方の集中力に押されたりということでは、通学しても伸び悩んでしまうのではないだろうか。

教室に通う決意

 なぜ通教を終えてから通学し始めたのか。通教だけで修了としなかったのか。それは、自分の読字数に満足がいかなかったからだ。こう言うと「3倍までいかなかったのか」と思われるかもしれないが、読字数は通教終了時には受講前の約4倍に伸びた。粗筋も問題なく書ける速さで。「3倍まで伸びれば満足ではなかったのか」と思われるかもしれないが、そこで満足させてくれないのがBTRメソッドなのだ。

 BTRメソッドの「認知視野の拡大」や「読書内容への集中」のトレーニングは、通教55回を通して非常に成績が伸びた。それに伴い読書訓練でも日常の読書でも、非常に広い範囲の文字を見ることができるようになった。しかし、「見えているのに読めない」というジレンマも感じるようになったのだ。「見えているのだから読んでいるのではないか」と思う方もおられるだろうが、私の感覚は違うのだ。「文字が見えてはいる。だが、理解した箇所はもっと手前まで」なのだ。これは、非常にもどかしい感覚だった。

 これを解消するには更にトレーニングを続ける必要があると、通教の40回目くらいで感じていた。はじめはクリエイト速読スクール公式ブログを閲覧したり、通教のメール質問のシステムを利用して自分なりに工夫を続ければ、いつかはこのもどかしさを解消できると思っていた。しかし、通教が終わる頃に「一生懸命トレーニングに取り組んだが、このもどかしさは解消されなかった。このまま自力で続けて本当に解消されるだろうか」と思い始めた。

教室での受講

 10回通学した今、自分の選択は正しかったと思っている。受講するごとに講師の方が訓練結果にコメントをしてくださり、自分の良い点や今後もっと伸ばすべき点をすぐに知ることができるのは、次の回の目標が明確になり、励みにもなる。通教時に自分なりにトレーニングについて考えていたため、講師の方に相談するときも「自分でできる限り考えた」という自信からか悩みを正確に伝えることができ、助言も全て「自分が思い至らなかった点だ」と思えるためか吸収が速いように感じる。

 今は通教時にはあまり読まなかった小説に取り組み、少しずつだが成長しているように感じる。日常で読む本も、十分理解できる速さで読んでも以前よりずっと速くなっている。

速読との今後の「つきあい」

 そして、あのもどかしさもわかりかけてきている。つまり、序盤の「視野」と中盤の「理解」が、終盤の読書速度に本来的な意味で連携できていないのではないかということだ。これまでの通学での10回は、まだ通教の延長線上にあったのかもしれない。これからは、1回ごとの倍速読書により強い負荷をかけて臨んでみたい。

 文章を読むことから決して離れることのない環境に身を置いている以上、速読という技術は今後非常に強力な武器となるだろう。同時に、読書を通して日々の生活をより楽しむための味方にもなると思っている。自分のための技術なのだから、今後も主体性を持ってトレーニングに取り組みたいと思う。

無料体験レッスン

 クリエイト速読スクールでは、読書に必要な能力を一つひとつ確実に鍛えていく、地味なトレーニングをご用意しています。読書速度だけでなく、総合的能力の向上を意図したプログラムです。努力を重ねた分だけ、しっかりと成果が収穫できる設計となっています。

 無料体験レッスンでは、みなさんの情報処理能力を、種目(項目)ごとに数値化して分析することができます。ぜひ一度、教室に遊びにきてください。多彩なトレーニングをご用意して、お待ちしております。