記憶力を上げる方法。イメージを使った記憶術や記憶ゲームをご紹介 | 速読ナビ

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記憶力を上げる方法。イメージを使った記憶術や記憶ゲームをご紹介

更新日:2024年5月7日 公開日:2023年7月26日

記憶とは何か?

 「記憶」とは、自分にとってまだバラバラであることがら同士を、互いに結びつけることです。

 丸暗記するのは大変でも、理屈がわかるとよくおぼえられる、というのはそのためです。

記憶の秘訣は「体験すること」

 しかし、理屈がわかっても、「ピンとこない」ということもあります。

 たとえば数学で、公式が導き出される過程は理解できるが、今ひとつ腹の底から「わかった」といえない。

 そんなとき、公式をグラフ化してみたり、具体的な応用問題の中で用いたりすると、「なるほど」と納得することがあります。こうしてわかったことがらは、はっきりと記憶に残り、いつまでも忘れません。

 これは理屈が単なる理屈ではなく、ひとつの具体的なものとして体験され、記憶されるからです。

 体験の記憶というものは具体的で、鮮やかであり、永く残ります。無味乾燥な暗記物の比ではありません。

 学校の授業で先生の言った言葉はおぼえていなくとも、その表情、しぐさが忘れられない。そういうものです。それは、具体的な体験だからです。

記憶力を高めるテクニック「イメージ記憶」

 私たちの記憶の特性を活かし、次のようなテクニックを用いて、記憶力を高めることができます。

  • 田中さんという人の名前をおぼえるのに、その人が田んぼの中に立っているイメージを思い浮かべる
  • 先輩に借りたお金を返し忘れないように、その先輩のおでこに、千円札がくっついているイメージを思い浮かべる

 などといったものです。

 こうした記憶のしかたは一見ばかばかしいことのようですが、実際にやってみると、かなり有効なことがわかります。

 これは、ことがらとことがらを一瞬で、しかも鮮やかに結びつけることのできる、イメージの働きによります。

イメージとは?

 イメージとは、それが思い出であれ、空想であれ、心の中で見たり、聞いたり、感じたりして体験することのできる、具体的な心の像です。

イメージとは心の中で体験すること

 心の中にイメージを描くということも、それが鮮やかであればあるほど、一種の擬似体験としての性格を持ってきます。

 そう考えると、イメージによる記憶が、強く長く残りやすいのは当然といえます。

映像記憶とイメージ記憶の違い

 映像記憶は、視覚的なイメージに限定されています。

 それに対し、イメージ記憶は、視覚だけでなく、五感すべてを活用します。

 たとえば「いぬ」という言葉からは、犬の姿形だけでなく、もふもふとした毛並みの手触り、湿った鼻先のひんやり感、すこし獣臭い匂い、吠えたときの空気の振動までをも、イメージとして喚起することができます。

 結びつける情報量が多くなるため、映像記憶よりも強い記憶となる傾向にあります。

イメージを用いた記憶トレーニング

 クリエイト速読スクールでは、記憶力を上げる訓練として「イメージ記憶」を実施しています。

教材

 印刷は以下のリンクからどうぞ。

 「問題」には、上下で2個1組の単語が、2段並んでいます。

 組になった2個の単語の間には、意図的な関係はまったくありません。

 「解答用紙」は、「問題」に対応した内容で、下の単語を空欄に記入できるようになっています。

トレーニング方法

  • 「問題」の2個1組になった単語を2分間で覚えていきます。時間がきたら、解答用紙をつかって、下の単語を思い出しながら記入します。思い出せないものは、空欄にします。
  • 再度同じ「問題」を開き、1回目と同じことを繰り返します。時間がきたら、新しい解答用紙に、下の単語を思い出しながら記入します。
  • 2回目の書き出しが終わったら、「問題」のページを見ながら答え合わせをします。

 イメージ記憶は、上下の単語を素早く見て、それぞれの単語の呼び起こすイメージを心に浮かべ、それを結びつけてひとまとまりのイメージにするというテクニックを身につけるトレーニングです。

 このようにイメージで結びつけていくほうが、丸暗記で記憶しようとするよりも、速く確実に記憶に残ります。

 たとえば「ビル-昼寝」という単語の組合せの場合、ビルの屋上で一人の仙人が昼寝をしている様子をイメージしてみます。

 また、「携帯電話-うさぎ」という単語の組合せの場合、真っ白なウサギが真っ赤な携帯電話を耳に寄せて話している様子をイメージしてみます。

 このイメージの浮かべ方に決まりはありません。現実を離れた突拍子もないイメージでも、まったくかまわないわけです。

トレーニングの目的

 このトレーニングを続けることによって、言葉から反射的に浮かぶイメージを鋭敏に意識することができるようになります。

 また、 それらのイメージが互いに結びついて、変化する働きを活発化させることにもなります。

 このことによって、 ことさら意図しなくても言葉のイメージが反射的に浮かび、文章の意味を短時間に把握できるイメージ力が身につきます。 ここで得たイメージによる記憶の感覚が、実際の読書で活かされてくると、文章の要点などを素早く記憶し、容易に思い出せるようになります。

 そして、はっきりとイメージを浮かべることができるようになれば、それはより深い記憶の貯蔵庫に残り、意識的には忘れても、思い出し可能なものとして定着します。

 このトレーニングでの記憶の努力は、頭の中で忘れまいと必死になることではなく、簡単に忘れてしまうけれども、 必要なときにはまたラクに思い出せるようにするためのものです。

記憶力を上げるために読書をしよう

 文字そのものが持つ情報量は、映像などに比べると少ないものでしょう。しかし、文字が持つ情報量が少ないからこそ、私たちの脳はそれを想像力で補います。

 読書量が多い人は、イメージ力を働かせる訓練を習慣的に行なっているようなものですから、イメージ力が豊かであるといえるでしょう。結果、記憶力も高い傾向にあります。

 記憶に欠かせないイメージ力を鍛えるトレーニングとして、読書は非常に有効です。

 読書とイメージ力の関係に興味のある方は、ぜひ以下の文献をご確認ください。

 参考:読書は脳の想像力を高める -なぜ「紙の本」が必要なのか-

(生活共同組合研究 2018年 508巻 p.13-19 東京大学大学院総合文化研究科 教授 酒井邦嘉氏の公開文書よりご紹介。2023年7月23日閲覧)

無料体験レッスン

 クリエイト速読スクールでは、読書に必要な能力を一つひとつ確実に鍛えていく、地味なトレーニングをご用意しています。読書速度だけでなく、総合的能力の向上を意図したプログラムです。努力を重ねた分だけ、しっかりと成果が収穫できる設計となっています。

 無料体験レッスンでは、みなさんの情報処理能力を、種目(項目)ごとに数値化して分析することができます。ぜひ一度、教室に遊びにきてください。多彩なトレーニングをご用意して、お待ちしております。

 

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