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速読って本当に読めているんですか?
速読についての質問で、最も多いのは、「速読って本当に読めているんですか?」というものです。
他に大差をつけての一位です。
同じ質問を、繰り返し別の人から聞かれる、というのはどこか示唆的なところがあります。
読む速さと理解度のトレードオフ
ここでの「読めている」とは「理解を伴った読解」という意味でしょう。
質問の背景には、「読む速度と理解度の間にはトレードオフがある」という私たちの肌感覚が隠れています。
トレードオフとは
トレードオフとは、「一方を追求すると、他方が犠牲になるような、両立することのない関係」を意味します。
買い物を例に挙げます。
品質の高い商品を買うとなると、当然その分だけ、高いお金を支払う必要があります。
一方、多少品質に目を瞑ることができれば、その分出費は抑えることができます。
つまり、品質とコストは、どちらか一方を重視すると、もう一方に負担がいく関係になっています。
このとき、品質とコストはトレードオフの関係にある、と説明されます。
速読の有効性を否定する主張
速読に話を戻します。
速読の有効性を否定する主張として、もっとも多いのが次のようなものです。
これから申し上げるのは、この主張に対する、当スクールの見解です。
速く読むとその分だけ理解度は落ちる
クリエイト速読スクールでは、速さと理解度の間にあるトレードオフの存在を否定しません。
否定するも何も、肌感覚で実感する部分ですし、科学的にも実証されている事実です。
どれだけトレーニングを重ねたところで、速さを重視すればその分だけ理解度は落ちます。
しかし、根本の処理能力を高めることができれば、より高いレベルで、この速さと理解度のかけひきができるのではないでしょうか。
数字をつかって考えてみよう
数字を用いて説明します。
速さ×理解度=処理能力
速さと理解度が反比例の関係にあると仮定し、その積を「処理能力」と呼ぶことにします。
(※トレードオフの関係にある数式は、他にもたくさんありますが、わかりやすい例として反比例を採用しています)
「処理能力=10」の例
いま、処理能力が10であるとすると、速さと理解度の関係は、次のようになります。
速さ | 理解度 | 処理能力(10と仮定) |
1 | 10 | 10 |
2 | 5 | 10 |
5 | 2 | 10 |
10 | 1 | 10 |
どのようなテクニックを駆使しようと、処理能力が一定である限り、速さと理解度を同時に上げることはできません。
「処理能力=20」の例
では、制約条件となっている処理能力が向上した場合は、どうでしょうか。
処理能力が20へと向上した場合、速さが2のとき、理解度は10となります。
速さと理解度を両立する、唯一の方法
処理能力が10であったときと比較すると、理解度を同水準に保ったままで、速さが倍になっていることがわかります。
これはあくまでも、説明のために設定された数字上の話ですが、クリエイトの速読を説明する好例です。
クリエイトの速読が目指すこと
速さと理解度の相反する関係を認めたうえで、地道に処理能力を高めていく、というのがクリエイトの速読です。
であるからこそ、教室で提供するトレーニングは、どれも一筋縄ではいかない、タフなものが揃っています。
楽に速読が身につく、だれでも10倍20倍になる、ということはありません。
しかし、誰もが対自分比で能力を伸ばせる、勉強や仕事に直結する、という点はお約束できます。
速読についての情報を発信しています
理解度を保ったまま、読む速度を上げる、なぜそのようなことが可能なのか。
この疑問自体は、至極真っ当なものです。
であるからこそ、教室の方から、誰もが納得できるような回答を、提示する必要があると思っています。
文字だけではわかりづらい箇所もあるかもしれません。
動画内では図示を用いて、視覚的にも情報を補足しています。
ぜひ当ブログの記事とあわせて、ご視聴ください。
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劉 智秀 1999年東京都生まれ/栄東中学・高等学校/東京大学経済学部卒/クリエイト速読スクール二代目代表