読む速さと理解度を両立する方法。トレードオフを否定しない速読の考え方 | 速読ナビ

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読む速さと理解度を両立する方法。トレードオフを否定しない速読の考え方

更新日:2025年1月22日 公開日:2024年12月18日

速読って本当に読めているんですか?

 速読についての質問で、最も多いのは、「速読って本当に読めているんですか?」というものです。

 他に大差をつけての一位です。

 同じ質問を、繰り返し別の人から聞かれる、というのはどこか示唆的なところがあります。

読む速さと理解度のトレードオフ

 ここでの「読めている」とは「理解を伴った読解」という意味でしょう。

 質問の背景には、「読む速度と理解度の間にはトレードオフがある」という私たちの肌感覚が隠れています。

トレードオフとは

 トレードオフとは、「一方を追求すると、他方が犠牲になるような、両立することのない関係」を意味します。

 買い物を例に挙げます。

 品質の高い商品を買うとなると、当然その分だけ、高いお金を支払う必要があります。

 一方、多少品質に目を瞑ることができれば、その分出費は抑えることができます。

 つまり、品質とコストは、どちらか一方を重視すると、もう一方に負担がいく関係になっています。

 このとき、品質とコストはトレードオフの関係にある、と説明されます。

速読の有効性を否定する主張

 速読に話を戻します。

 速読の有効性を否定する主張として、もっとも多いのが次のようなものです。

 「読む速さと理解度はトレードオフの関係にある、したがって速読は嘘である」

 これから申し上げるのは、この主張に対する、当スクールの見解です。

速く読むとその分だけ理解度は落ちる

 クリエイト速読スクールでは、速さと理解度の間にあるトレードオフの存在を否定しません。

 否定するも何も、肌感覚で実感する部分ですし、科学的にも実証されている事実です。

 どれだけトレーニングを重ねたところで、速さを重視すればその分だけ理解度は落ちます。

 しかし、根本の処理能力を高めることができれば、より高いレベルで、この速さと理解度のかけひきができるのではないでしょうか。

数字をつかって考えてみよう

 数字を用いて説明します。

速さ×理解度=処理能力

 速さと理解度が反比例の関係にあると仮定し、その積を「処理能力」と呼ぶことにします。

 (※トレードオフの関係にある数式は、他にもたくさんありますが、わかりやすい例として反比例を採用しています)

「処理能力=10」の例

 いま、処理能力が10であるとすると、速さと理解度の関係は、次のようになります。

速さ 理解度 処理能力(10と仮定)
1 10 10
2 5 10
5 2 10
10 1 10

 どのようなテクニックを駆使しようと、処理能力が一定である限り、速さと理解度を同時に上げることはできません。

「処理能力=20」の例

 では、制約条件となっている処理能力が向上した場合は、どうでしょうか。

 処理能力が20へと向上した場合、速さが2のとき、理解度は10となります。

速さと理解度を両立する、唯一の方法

 処理能力が10であったときと比較すると、理解度を同水準に保ったままで、速さが倍になっていることがわかります。

 これはあくまでも、説明のために設定された数字上の話ですが、クリエイトの速読を説明する好例です。

クリエイトの速読が目指すこと

 速さと理解度の相反する関係を認めたうえで、地道に処理能力を高めていく、というのがクリエイトの速読です。

 であるからこそ、教室で提供するトレーニングは、どれも一筋縄ではいかない、タフなものが揃っています。

 楽に速読が身につく、だれでも10倍20倍になる、ということはありません。

 しかし、誰もが対自分比で能力を伸ばせる、勉強や仕事に直結する、という点はお約束できます。

速読についての情報を発信しています

 理解度を保ったまま、読む速度を上げる、なぜそのようなことが可能なのか。

 この疑問自体は、至極真っ当なものです。

 であるからこそ、教室の方から、誰もが納得できるような回答を、提示する必要があると思っています。

 文字だけではわかりづらい箇所もあるかもしれません。

 動画内では図示を用いて、視覚的にも情報を補足しています。

 ぜひ当ブログの記事とあわせて、ご視聴ください。

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劉 智秀 1999年東京都生まれ/栄東中学・高等学校/東京大学経済学部卒/クリエイト速読スクール二代目代表