発想力とは何か? 発想力を鍛えるのに「読書」が優れている理由 | 速読ナビ

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発想力とは何か? 発想力を鍛えるのに「読書」が優れている理由

更新日:2024年4月20日 公開日:2024年1月3日

 この記事では、発想力の定義や、発想力を鍛える方法について解説しています。

発想力とは

 発想力とは、「発想」と「力」の2つの単語を組み合わせた言葉です。

発想:物事を考え出すこと。新しい考えや思いつきを得ること。また、その方法や内容。
力:学問・技芸などの能力。力量。実力。

デジタル大辞泉

 それぞれの定義から考えると、発想力とは「何かを思いつき、新しいものを生み出す力」といえます。

発想力が求められる場面

新しい製品やサービスの開発

 新しい製品やサービスを開発する際、発想力が重要な役割を果たします。

 限られた経営資源の中で、大きな成功を収めた事例の背後には、思わず声が出る発想が隠れています。

 ゲーム好きの方には、任天堂ゲーム開発部出身の横井氏の書籍をお薦めします。

 参考:横井軍平, 2015年8月, ちくま文庫, 『横井軍平ゲーム館 「世界の任天堂」を築いた発想力

 

問題解決

 問題解決には、まず現状の課題を明確にする必要がありますが、柔軟な発想力がなければ、真の課題に到達することができません。

 多角的な視点から問題を考察するには、発想力が必要となります。

クリエイティブ系の業務

 クリエイティブ系の業務では、今までにない新しいコンセプトを生み出す能力が求められます。

 既存の要素を組み合わせ、斬新なアイデアを創造する力が必要です。

コミュニケーション

 発想力はコミュニケーションの場においても役立ちます。

 発想力がある人は物事を多面的な視点から考えることが可能です。

 会話においても他者の視点を取り入れ、相手の考えを理解することで建設的なコミュニケーションが可能です。

議論の場

 発想力のある人は、多くのアイデアを生み出すことができます。

 議論の場において、様々な案や提案を出すことで場が活発になります。

発想力が必要とされる理由

 発想力が必要とされる背景には、以下の理由があります。

  • 急速な社会変化への対応
  • 技術革新の必要性
  • グローバル化における多様性への理解
  • AI時代の人間の強みの再定義

 これらの背景について詳細は、大前研一氏の『発想力「0から1」を生み出す15の方法』(小学館新書)で詳しく述べられています。

 興味のある方はぜひご一読ください。

 参考:大前研一, 2018年12月, 小学館, 『発想力「0から1」を生み出す15の方法

発想力がある人の特徴

勉強をしている

 「発想力」と聞くと、一瞬のひらめきという印象を受けますが、その背後には必ず知識の蓄積があります。

 勉強による材料集めを基礎として花開くのが、発想力なのではないでしょうか。

好奇心旺盛

 発想力のある人は、好奇心が旺盛です。

 好奇心旺盛な人は、些細なことにも強い関心を抱きます。

 この姿勢が、新しい発想やアイデアを生み出すのに役立ちます。

既存の発想にとらわれない

 発想力のある人には、既存の発想にとらわれない柔軟性があります。

 既存の発想は新しいアイデアを制限してしまいます。

 既成概念にとらわれないことで、今までにない考えが生まれます。

失敗を恐れない

 発想力のある人の特徴として、失敗を恐れない姿勢があげられます。

 新しいアイデアには失敗のリスクがつきものです。

 しかし、失敗を恐れず挑戦することで固定観念から開放され新たな発想が生まれます。

発想力を鍛える方法

情報のインプット量を増やす

 発想力を鍛えるには、情報のインプット量を増やすことが重要です。

 これは、斬新な発想を生み出すためには、豊富な材料が揃っていることが必要条件となるためです。

 他にも、新しい概念や考え方に触れる機会は、これまでとは異なる視点から物事を考える時間にもなるはずです。

多様な価値観の人と交流する

 自分とは異なるバックグラウンドや考えを持つ人との会話も、発想力を鍛えるうえで有効です。

 会社の友人だけでなく、業界や職種、年代が違う人とも交流することで、新しい情報を得られ、その人の経験から学ぶことができます。

 多様な価値観に触れることは、自分では思いつかないアイデアや視点を得るきっかけになります。

ゼロベースで考える

 「ゼロベースで考える」とは、既存の概念にとらわれることなく、白紙の状態から考えることです。

 たとえば、長年使っていた商品の改良案を考える際、一度商品の存在意義をゼロにして考えることで、新製品のアイデアにつながる可能性が出てきます。

 物事の前提をリセットし、既成概念から解放されることで、今までにない発想が生み出されます。

他者の視点に立つ

 人は、自分のことは自分が一番よく知っていると過信してしまいがちです。

 しかし実際には、自分のことを客観的にみることは困難です。

 他者の視点に立つことで、物事を客観的に理解し、問題を解決する方法を考えることができます。

既存のものを組み合わせる

 経済学者のヨーゼフ・シュンペーターは、イノベーションを「新結合」と定義しました。既存の要素同士を組み合わせることで新しいものが生まれる、というのが彼の考えです。

 組み合わせのパターンや、組み合わせによってどのようなシナジーが生まれるか、を考えることがポイントとなります。

 シュンペーターのイノベーションについて、詳しく知りたい方は以下の書籍をご覧ください。イノベーションを中心に、彼の思想について比較的平易に解説されています。

 参考:根井 雅弘, 2006年1月, 講談社学術文庫, 『シュンペーター

類推思考を学ぶ

 類推思考とは、ある事柄から類似のパターンを連想して派生的に思考する手法です。

 たとえば、自社の成功事例から着想を得て、そのアプローチを他のビジネスモデルに展開することが類推思考にあたります。

 この思考法は、既存の概念のリサイクルを可能にします。

 物事の関連性を見出す力は、発想力を根本から支えてくれるでしょう。

 具体と抽象の話に終始することなく、実践的なケーススタディも紹介されていることから、以下の書籍をお薦めします。

 参考:細谷 功, 2011年7月, 東洋経済新報社, 『アナロジー思考

発想力を鍛えるには読書をしよう!

  • 情報のインプットになる
  • 異なる価値観に触れられる
  • 他者の視点を体験できる

 こうした特徴から、発想力を鍛えるうえで最も効果的かつ実践的な方法は、読書であると私たちは考えます。

 当ブログは、記事内での書籍紹介に力を入れております。気になる書籍がございましたら、ぜひご一読ください。

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