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【厳選3種】ロジカルシンキングのためのフレームワーク

更新日:2024年4月20日 公開日:2024年2月27日

 この記事では、ロジカルシンキングで用いられる、3つのフレームワークを解説していきます。

そもそもロジカルシンキングとは

  • MECE
  • So What? / Why So?
  • ピラミッドストラクチャー

 これらの3つのフレームワークはいずれも、ロジカルシンキング(論理的思考)の道具として活用されます。

 詳細な定義や、主張を組み立てるうえでの前提は、以下の記事でご紹介しています。

 参考:ロジカルシンキングとは。具体例を用いた簡単解説。

フレームワーク➀:MECE

MECEとは

 MECEとは、根拠の重複や漏れをなくすための手法です。

 ものごとの全体像を、重なりなく、かつ、漏れのない、部分集合として捉えます。

 「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字をとった言葉であり、「モレなく、ダブりなく」を意味します。

【例題】MECEに考えてみよう

 たとえば、スーパーの在庫管理の責任者が新しい上司から、「このスーパーでは、商品をどのように仕入れているか」と問われたとしましょう。

 どのような説明の仕方があるでしょうか。

パターン1:思いつくまま

 ありがちなのが、「昨日は肉と魚を仕入れて、今日は魚と野菜を、明日は…」と、思いつくままに並べる答え方です。

 簡単に答えることができる一方で、網羅性を損なう危険性が伴います。

 また、情報の全体像がはっきりしないため、聞き手に混乱を与えてしまいます。

パターン2:曜日別に分類

 次に「月曜日には肉と魚、火曜日には魚と野菜・・・」と、曜日別に答えたとします。

 時系列に沿って仕入れ状況を示すことができるため、ある程度漏れを防ぐことができます。

 しかし、仕入れには、曜日ごとに仕入れる商品のほかにも、季節に応じて仕入れるプロモーション用の商品などがあります。

 曜日ごとに分類する方法では、不定期で仕入れる商品を含めることができず、情報の全体像を伝えることができません。

パターン3:MECEな分類

 では、次のような分類法はどうでしょうか。

 最初に、仕入れを「定期的」と「不定期的」に分類します。

 「定期的」のグループは、さらに「毎日・隔日・毎週」の3種に分類します。

 結果は以下の通りです。

 

 ようやくMECEな分類になりました。

 3つのパターンを比較することで、MECEに整理した際の明瞭さが実感できます。

よく使われるMECEのフレームワーク

 ビジネスの場面などで、よく使われるフレームワークを、簡単にご紹介します。

  • 3C分析

 3C分析は、特定の企業や業界を、顧客(customer)、競合(competitor)、自社(company)の3つの切り口で捉える分析方法です。

  • 4P分析

 4P分析は、マーケティング戦略を、商品(product)、価格(price)、場所(place)、訴求方法(promotion)の4つの切り口で捉える分析方法です。

  • SWOT分析

 SWOT分析は、会社の置かれた状況を、強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の4つの切り口で捉える分析方法です。

  • 事実・判断

 物事を、事実、判断基準、判断内容の3つの切り口で捉える分析方法です。

 事実:課題に対する結論を導くために、相手と共有すべき客観的な情報

 判断基準:事実から結論を導くための伝え手としての基準

 判断内容:事実を判断基準で評価した結果、どのように評価されるか、その内容

まずはグルーピングからはじめよう

 いきなり理想的な分類法が思いつくことは、なかなかありません。

 まずは、さまざまな切り口でグループ分けをするところからはじめてみましょう。

 ロジカルシンキングにおけるグルーピングについては、以下の書籍に詳しいです。

 参考:照屋 華子 岡田 恵子, 2001年 4月, 東洋経済新報社, 『ロジカル・シンキング

フレームワーク➁:So What?/ Why So?

So What?/ Why So?とは

 So What? / Why So? は、根拠と結論のつながりを明確にし、論理の飛躍をなくすための手法です。

 So What?:根拠に対して「結局どういうことか?」と思考を働かせ、根拠から結論を抽出する作業

 Why So?:結論に対して「なぜそのようなことが言えるのか?」と思考を働かせ、用意した根拠によって結論が支えられていることを確認する作業

 この二つの作業を繰り返すことで、結論と根拠のつながりを明確にすることができます。

【例題】10代のメディア利用状況

図:総務省「令和3年度情報通信メディアの利用と情報行動に関する調査」から筆者作成

ステップ1:課題の確認

 まずは課題を確認し、何に答えるべきかを決めます。

 So What? / Why So?を行う前に課題を確認することで、結論があさっての方向にズレるのを防ぐことができます。

 ここでは「10代のメディア利用状況」についての洞察を得ることが課題となります。

ステップ2:各図表から「何が言えるか」を抽出

 3つの図表を、まとめてSo What? しようとせず、一つずつ確認していきます。

①文字系コミュニケーションメディアの平均利用時間

  • 2012年から2022年までの文字系コミュニケーションメディアの平均利用時間を示す
  • 2012年から利用時間は増加傾向にある
  • 2018年以降は80分以上で推移している

②利用別割合

  • 文字系コミュニケーションメディアのうち、ソーシャルメディアとメールの割合を示す
  • ソーシャルメディアの利用が8割を占める

③主要ソーシャルメディアの利用率

  • 主要なソーシャルメディアの利用率を示す
  • 利用率は、Youtube・Instagram・TikTokの順に高い

ステップ3:個々のSo What?を要約

 「10代のメディア利用状況」に対する回答となるよう、3つのデータをまとめてみましょう。

 (例)10代のメディア利用時間は増大傾向にあり、その8割をソーシャルメディアが占めている。なかでも、Youtube・Instagram・TikTokといったビジュアルコンテンツに重点を置いているソーシャルメディアが支持されている。

ステップ4:結論と根拠のつながりを確認

 最後に、ステップ2で導いた事実で、主張を支えることができているか。

 結論に対して、Why So? を繰り返し、確認しましょう。

ピラミッドストラクチャー

ピラミッドストラクチャーとは

 ピラミッドストラクチャーは、ここまでに紹介した二つのフレームワークを、組み合わせて可視化する手法です。

 上段から、課題・結論・根拠、と配置をします。

 根拠をMECEに整理したうえで、結論と根拠のつながりを、So What? / Why So?の繰り返しで強固にします。

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