毎日新聞夕刊コラム、近藤勝重「しあわせのトンボ」 | 教室ブログ by クリエイト速読スクール

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2008-12-19

日々の感想

毎日新聞夕刊コラム、近藤勝重「しあわせのトンボ」

 近藤勝重の「しあわせのトンボ」。

 毎週水曜、楽しみにしている毎日新聞夕刊コラムです。

 いつか紹介しようと思いながら、ずいぶん時間が経ってしまっています。

 近藤さんは、歯切れよく、骨っぽく、かついやみのない文章を書く、毎日新聞専門編集委員です。

 今週水曜のコラムです

 

 しあわせのトンボ:自分の長所と短所=近藤勝重

 自分のいいところと悪いところ、つまり長所と短所は?と自らに問うてみる。

 短所はあれやこれや思い浮かぶが、長所となると考え込んでしまう。一つ二つ頭に浮かんでも、もう一人の自分が「ウソつけ」とツッコミを入れたりしている。

 同じ質問を周りにもしてみた。「えっ、長所?」と戸惑い、「短所はわかっているんだが……」という答えが多かった。

 どうもぼくらは自分のことになると欠点しか浮かばないようである。なぜなんだろう。

 寝床で読んでいた河合隼雄氏のエッセーに、ある小学校の先生がクラスの子供に自分の長所五つを書きなさいと紙を配ったところ、子供たちは困り果て、宿題にしたという話があった。

 その宿題の行方がまた興味深い。多くの子供は親に尋ねるのだが、逆に悪いところをいろいろ言われ、泣き出しそうになった子もいたという。

 河合氏自身も<「長所を五つ」書いてみたが、やってみるとあんがい難しい。長所を考えているはずなのに、「こんな悪いところがある」などと反省したりして、我ながら「日本人だなぁ」と感心してしまった>などと書いて、短所を反省するのは「奥ゆかしい」と思う日本人の特徴的な傾向ととらえておられた。

 そういえば、ローマ特派員の同僚が自慢話の好きなイタリア人と自慢話を戒める日本人のことをコラムで比較していたが、こういう違いはたぶんに国民性と絡むのだろう。

 それで思うのは、人をほめることの大切さだ。自分の長所を言うのをはばかるのが日本人なら、人のいいところは大いにほめてあげたいものである。

 こんな話を思い出す。ベトナム戦争の悲話として米国に伝わるマーク少年の話だ。

 ある私立中等部のクラスで先生がクラスメートそれぞれのいいところをみんなに書かせ、それをリストにして一人一人に手渡した生徒の一人であるマークはその後ベトナム戦争で戦死するのだが、マークの両親は葬儀に参列した先生に「息子は死んだ時、これを身につけていました」と言って、今では形見となったそのリストを取り出すのである。

 ほめられてうれしいのは国民性を問うまい。まして反省一辺倒の日本人ならなおさらだろう。(専門編集委員)

                毎日新聞 2008年12月17日 東京夕刊

 

  この2か月の近藤さんの「しあわせのトンボ」は毎日jpですべて読めます。ただ、こちらは、どこまでもペーパーで読みたい派なんですが(ただし、すぐにリンク消えます)。

  どうぞ、ご堪能(?)ください。

12月10日 竹下語がなつかしい訳=近藤勝重
12月3日 滅入る気分の一方で=近藤勝重
11月26日 夕の祈り=近藤勝重
11月19日 子宮があぶない=近藤勝重
11月12日 「待つ」余裕がヒットを生む=近藤勝重
11月5日 木と風と光の森で=近藤勝重
10月29日 待て待て、急ぐな!=近藤勝重
10月22日 若々しいということ=近藤勝重
10月15日

ひらめきは偶然か=近藤勝重

 

 近藤さんは、TBSラジオ荒川強啓デイ・キャッチ!の水曜名物「勝ち抜き時事川柳」の家元(行事役)もしています。

 水曜公休のときは、ラジオをつけて聞いています。

 コラムだけでなく、虎がゴロゴロと吠えているような声もなかなかです。      

 

                 ※クリエイト速読スクールHP

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