2007-03-13
繰り返すことの意義
9日金曜日、代講で18時半からのレッスンを担当しました。
レッスンのなかに、受講46回目の29歳の男性Aさんがいました。
Aさんは、昨年の6月13日に「体験」し、翌々日に入会しています。
体験レッスン時のスピードチェックは15(1分)、11(1分)。成人男子の平均は18、20。ロジカルテストAタイプが6/7、7/10。これも平均より少ない数字です。イメージ記憶9/40(2分)、20/40(2分)。これは平均です。
「体験時」の読書速度が283字/分、「入会時」の読書速度が379字/分。決して速いとはいえない、むしろ遅いといってかまわないスピードです。また、遅ければそれだけよく理解しているか記憶に残っているかというと、むしろ逆です。
体験時の質問も「どういうコツを身につければ速く読めるようになるのか? どうして速く読めるのか? どうすれば何行かを一緒に読めるのか? 伸びない人はいるのか?」といった人任せ的、漠然としたものばかりだったと記憶しています。
6月10回、7月6回、8月5回、9月5回、10月4回、11月3回、12月4回、1月3回、2月4回、3月2回。
これがAさんの月ごと受講回数です。
最初に集中受講し、以降仕事帰り、コンスタントに教室に通い続けています。
Aさんの3月9日の数字。
スピードチェック40(59秒)、40(58秒)。ロジカルテストCタイプ15/19、19/22。イメージ記憶19/40(1分30秒)31/40(1分)倍速読書6,000字/分、理解度B(大体わかる)ですから長足の進歩です。
受講しても、しばらくはピントのズレた質問をしていたAさん。
しかし、講師たちの回答とトレーニングを積み重ねていくことにより、大きく変化していったことが上の数字を見れば一目瞭然です。
教室の力は、講師が傍らにいるからばかりではありません。
周囲によくできる生徒さんがいることが、大きいのです。いい影響を受けて、自分で変わろうとしたからよりよく変化していったのです。
たとえ、生徒さん同士が頻繁にお喋りしたりしなくても、人には感じるとる力があります。よくできる人が発しているリラックスして、なおかつ集中した雰囲気というのは隣にいればわかるものです。
Aさんの成長の理由は、短気にならず、周りを感じながらコツコツ積み上げてきたことです。そして、納得するまで質問し続けたことです。できるようでできない、でも、達成していくためには当たり前のことです。
繰り返すこと、継続することが何より重要です。
「忙しいから短時間で完成させるプログラム」といった耳ざわりのよい言辞は、甘い誘惑です。
しかし、そういうものは、古今東西薄っぺらに決まっています。
レッスンが終了して、他の生徒さんが帰っていなくなるのを見計らって、Aさんは質問してきました。
「いままで、私は小説を読むことの意味がわかりませんでした。なぜ小説を読めばいいのかを教えていただけませんか」
こちらなりの、小説を読むことの意味と意義を、Aさんにポツポツと話してしまいました。
真
※後記 2007-06-09「小説を読むこと」
