2017-03-08
私はなんとか受講料と出席時間のもとを取るべく、
第66期文演(16/9/24~12/3)アンケートです。
きょうは、外資コンサルのFさんです。
Fさんの文演アンケート
Q.1 当講座をどんな目的で受講しましたか?
A.1 私にこの講座を申し込むに至らせたもの。それは「大人の文章を書けるようになりたい。大人になりたい」という、幼稚であるが切実な気持ちからであった。もちろん、「・業務上、上司やお客様にお出しする文章を書くことが多く、文章を書くことへの抵抗を減らしたい。・人の心と体を動かす文章を書けるようになりたい」といった実務上の理由というのもある。しかし自分の文章の稚拙さ、ひいては自分の思考の稚拙さにほとほと嫌気がさしており、少しでも改善をしたかったため申し込んだ、というのが正直なところである。
文演を受講する前の私の文章は、人様にとてもお見せできるものでなかった(今もまだまだ未熟であるが)。冗長かつ論旨も曖昧。くだらない言い回しと修辞に逃げ、学ぶこと・思考を深めることから目を背けた結果としての軽薄な文章であった。最近よく思う「文章は筆者の人格を表す」のスタンスに立てば、この軽薄さは私の文章のみならず、私の人となりそのものであった。そんな自分の文章を変えたくて、いや、そんな自分を変えたくて、この文章演習を受講した。
Q.2 「文演」を受講して文章への印象で変わったことがありますか?
A.2 受講前は「文章とは映像・音声などと比較して、簡素かつ無味乾燥なコミュニケーションツールである」という印象を抱いていた。しかし受講後には、「文章とは彩り豊かに読者の五感すべてを刺激するものである」という印象へと変わった。私自身、そこまで読書が好きなわけではない。クリエイト速読スクールに通い始めたのも、業務で必要な知識を効率よく得られるようになりたい、という理由からであった。このため、速読スクールの受講前は、「読書とは知識を得るためのもの」「文章とは自分の意見を伝えるためのもの」といった印象を抱いていた。しかし速読スクールでの倍速読書を通じて、「なんだか、小説って面白い」と感じ始めていた。こう感じていたタイミングで、文演での松田先生の「よい文章は読者に共通体験を与える」との解説を受け「これだ。文章とは読者の五感を刺激するものなんだ」と、自分の中でストンと腑に落ちたことを覚えている。
Q.3 宿題の「要約」はどうでしたか?
A.3-1 「授業前」 高校時代の受験勉強での経験から、要約に対して、・筆者が読者に対して伝えたいことを、・指定文字数に収まるよう、・抽出する優先順位を理由もつけて考えて、・過不足なくかつ正確に抽出して、・時間内に書けばいいんでしょ? といった考えを持っており、重要部分の抽出にそれなりには手こずりながらも、それほど悩みすぎることなく作成したように思う。
A.3-2 「授業後」 要約の原則としては、上の考えはそれほど誤ってはいなかったように思う。ただ、授業で自分が書いた文章を見返し、ほかの受講生の方が書いた要約を読み、またそれらに対する松田先生の解説を聞いて私の要約に決定的に足りない点を見つけることができた。それは、「どう表現すればよいかを考え抜く・試行錯誤する」ということである。私の要約は要点は拾えてはいるものの、ツギハギだらけの文章で「文章の流れ」というものが存在せず、読者の心の中へは簡単には入っていかないものであった。読者に伝わってこそ「いい要約」なのだ、ということを痛感した。この不足点は、宿題の要約においてのみならず、私の文章・人格にも不足している点であろうとなんとなく感じた。今後改善に努めていきたい。
Q.4 全体的な感想をお聞かせください。
A.4 この文演を受講して、「文章を改善するための着眼力」が磨かれたように思う。松田先生の説明を聞き、また発言をしていくことを繰り返すうちに、なんとなく「松田先生ならここはこうダメ出しをするだろう」というものが掴めてきた感覚があった。特にこれを実感した場面としては、ある作品の文章のダメ出しについて指名された際、「●●●●●●●が書いてない」と即答できたときである。この体験から、私の「文章を改善するための着眼力」は正しい方向に磨かれている、と思えることができた。これは文演の授業スタイルだからこそ磨かれた力である。この力が身についたということは、「自分の文章・自分を変える」を達成するための方法を手に入れられたということと考えている。文章・人格はまだまだ劇的に変化・成長したとは言えないが、改善する方法を体得できたのであるから、今後さらに改善に努めていこうと思う。
また、個人的に松田先生には大変丁寧かつ容赦なく「かわいがって」いただいたように思う。本当に有難かった。私はなんとか受講料と出席時間のもとを取るべく、可能な限り発言をするよう心掛けた。その発言の中には、「松田先生のおっしゃっていることの意味が分かりません」といったような、生意気なものもあった。そういった生意気な発言に対しても、松田先生は私が納得するまで丁寧にご対応いただき、私が思考を深める手助けをしてくれた。この一方、授業中には「Fさん、いかがですか?」とバンバンご指名を頂いた。
このおかげで、非常に高い緊張と集中をもって授業時間を過ごすことができ、結果として得られたものが大きかったように感じている。
最後に。先生方やほかの受講生の皆様のおかげで、大変濃密かつ有意義な時間を過ごすことができました。本当にありがとうございました。
他の第66期文演アンケートを読むと「松田さんから一方的に受けるというだけのものではなく、他の受講生の意見・考えから得られたもの、そこから自分の中で昇華させたもの、がありました」に代表されるような「他の受講生の意見・考えから得られた」と、よく出てきます。
これは上記FさんやWさんの寸鉄の意見・考え・質問・疑問があったためです。
「「大人の文章を書けるようになりたい。大人になりたい」」「この軽薄さは私の文章のみならず、私の人となりそのものであった」などと書いていますが、こういう弱み部分を披瀝したときは話半分以下です
元々、新卒男子大学生の就職希望企業ベスト10に入る会社で仕事をしていた優秀な若者ですから。
Fさんは、速読を年末に50回終了しています。
今後、継続受講する場合は「受講料と出席時間のもとを取るべく、」などは棚上げして、虚心坦懐スタイルで教室に通ってみたらいかがでしょうか。
真
