大きな政府と小さな政府 | 教室ブログ by クリエイト速読スクール

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2006-12-05

教室から

大きな政府と小さな政府

 昨日の3日付けの朝日新聞は非常に読み応えがありました。一面から昨今の小さな政府路線を批判し、社説では法人税引き下げに真っ向から反対する論を展開していました。これに対して、日本経済新聞は小さな政府、つまり政府の市場に対する規制や関与を徹底的に排除し、経済成長重視で行くべきという論を展開しています。

 

 経済学を学んでいる人であれば、市場のマーケットメカニズムに従うことで、資源の効率化が達成できるということを、余剰分析を通じてご存知だと思います。厚生経済学の第一定理、第二定理からも、完全競争市場においては資源の効率化が図ることができるという知識を学びます。

 この知識からだけだと、小さな政府にすることが資源の効率化が達成でき、経済の活性化が図れると考えがちです。

 

 しかし、本当にそれで正しいのでしょうか。対GDPに占める日本の政府支出が約3%で経済成長率が約1.3%ほどなのに対して、スウェーデンでは対GDPに占める政府支出は57.7パーセントにのぼり経済成長率は3.8パーセントとなっています。この事実からも、小さな政府にすれば経済成長が望めるという仮説は説得力がもてなくなりそうです。

 

 また、日本が他の先進諸国に比べて、公的教育支出や家族政策、社会保障給付比率が極めて少ないという事実も指摘されています。国民が安心して暮らせるための生活基盤が壊れていく傾向にあることが読み取れるのです。

 

 昨日の新聞だけでも、これだけ小さな政府と大きな政府に関する事実を知ることもでき考えさせられる題材がありました。ひょっとしたら、来年の面接のネタになりえるかもしれません。もし面接官から「この自治体を活性化するにはどうしたらよいと思いますか」と質問された場合、「民間の活力に委ねればいい」という答えは安直過ぎるということが、分かってしまいます。

 新聞も一紙だけでなく、最低二紙くらい読むと対立意見が見つかりますから、考えるヒントが豊富です。読み比べてみて考える、いくら忙しくても公務員を志す以上、最低限行わなければならない義務だと、私は思います。  大西隆

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