2011-02-21
あたかも理解しているかのように見えるが、実は、
きのうのブログに続きができました。
司法試験受験生のHさんから、コメントが届きました。
ありがとうございます。 (Hです)
2011-02-20 22:51:04
| 文演を受けることにより文章への根本的な姿勢を学ぶことができます。 根本的な姿勢を改めるきっかけを得られます。 司法試験の答案練習会(司法試験の論文式試験の問題を模倣した形式で行われ、実際に文章を書く機会を提供する場のことをいいます)で書く答案に学んだ成果を反映することができ感謝しています。 私をクリエイト速読スクールに紹介してくれたTさんから「Hさんの記事(コメント)が今日のブログに載っています」という趣旨のことを指摘されました。 うれしい気持ちとともに、これからは自分の課題に取り組んでいかなければいけないという気持ちが湧き起こりました。 今日も答案練習会がありました。 2時間で1つの問題を解きます。 答案の骨格を決める答案構成をはじめに行います。 これにいつもは40分前後かかります。 今回は15分程度で終わりました。 2分の1以下に圧縮されました。 驚きでした。 残りの1時間45分前後で書く際に読み手を意識し、文章を練りながら書きました。 8頁(ページ)ある答案用紙をいつもは7頁から8頁まで埋めます。 今日は6頁でした。 一文一文を吟味しながら読み手である試験委員を意識しながら書くと、答案を書く分量が減ります。 文章は量ではなく質ということを意識しながら書きました。 その結果として、100人に1人しか気がつかない応用論点は書いていないものの、基本的な論点は正確にわかりやすく書くことができました。 「……基本的な理解ができているかどうかについて、答案に書けるということと、理解できているということとがずれている可能性がある。答案だけを見ると,その問題点については、あたかも理解しているかのように見えるが、実は、自分の頭でよく理解して書いているのではないということが、……はっきりする。つまり、1個1個のことについては正しい答えをするけれども、論理的におよそつながらないはずのものをつなげてしまうとか、あるいは、今回判例のある部分を引用しているが、それが常に正しいものだとまず前提にした上で、それに合うようにと、論理的な整合性を無視してでも、とにかく判例の意見に乗ろうとする、そういう力不足が見られたということである。……」(法務省HP・平成20年度の新司法試験考査委員に対するヒアリングの概要より) ・http://www.moj.go.jp/content/000007010.pdf 法務省から提供される答案への要求を考えながら、日々の勉強で自分の文章を磨きます。 クリエイト速読スクールは私を磨いてくれる道場です。 ありがとうございます。 |
仙石隆講師
「問い」自体に答えられないとダメということでしょうか。当たり前のことなんですが、これが一番重要で一番難しいことだと思います。答案を書いていくと、記憶に頼る勉強だけでは「問い」に対して、微妙なズレが発生することがあるんです。採点者はプロですから、そこは見逃さない。必ず悪い点数となって返ってきます。
松田
なるほど。10回中6回、平成12年までは「問い」を正確に解釈して、その範囲で文章を作り上げることの意識が、徹底していなかったということですか? それで、残りの4回は?
仙石隆講師
ここ最近は、現場勝負ということを念頭におき、試験会場という現場で1回2時間よく考えるということを徹底させようとしていました。変な話、人より抜けようと思わなくなりました。皆と同じ答案を書くことを目指そうと意識するようになりました。それまでは、人と違うことを書いてという気持ちが強かったですね。この数年は、一言一言にずっと慎重になりました。また、がまんしてがまんして書く力がついてきたと思います。「がまん」がきかなくなって、エイッと書いたところから必ずおかしくなっていくんですよ。
松田
おもしろい話ですね。現場でよく考えることができるかということ、人より目立つ必要などないということ。そして、全体への配慮ということ。
仙石隆講師
3年以内で合格する若い人たちは、この点が非常に優れていると思います。設問で要求されているものを、的確に書く力があります。彼らの答案は、別にたいしたことを書いていないんです。知識は、10年以上勉強している人たちよりは、当然圧倒的に少ない。それでも合格点を取ってしまうのは、覚えた知識を披露するなどという甘さがカケラもないからです。設問の範囲を正確に理解し、その現場で1,200字前後で回答できる能力だけを見てもらおうとしています。
![]()
松田
知識だけでは通用しないということですか?
仙石隆講師
そうだと思います。どこからか借りてきたような知識ではダメだということだと思います。試験会場という「現場」で、どれだけ十分に考えて書かれているかがよく見られているんだと思います。この4年くらい、こういうことばかりを念頭においてふだんの勉強をしていました。基礎を柱にして、現場での応用が効くようになろう、そして、当日の2時間×6回に全エネルギーを集中できるようにしようと、机に向かっていました。
松田
本番の日に、最高の状態にもっていけばいいんですね。
仙石隆講師
そうです。2週間前ならまだ合格ラインを越えていないが、当日になれば越えられると
いう自信がついてきました。
松田
法廷の内外という「現場」に移ったとき、イレギュラーに対応する能力があるかが問われていると言うことなんでしょうね。口先で簡単に言って申し訳ありませんが。勉強法は?
仙石隆講師
専門的な世界だから、話をすればだいたいどのくらいの知識量があるか見当がつきます。知識のない人はまず、勉強しなければなりません。合格するかどうかは、もっと先の話だと思います。択一を3~4回受かれば、知識的にはもう十分なんです。でも、論文に受からないものだから、なにか欠点があるのではないかと思い込み、もっと覚えようもっと覚えようとしていました。要は、暗記ですよね。すると本番の応用問題に対応できない、という悪循環を繰り返していた時期があります。これではダメだと気づいてから、4年目で受かりましたね。
松田
それで?
仙石隆講師
同じ本を読むときも、ある趣旨、原則で書かれているとするとどこまでが原則か? 例外は何なのか? どういうふうに修正しているのか? 原則との絡みや許容性、学者の考え方のその辺を読み取ろうとしていました。
Hさんは昨年末に入会しました。
速読の受講回数は、おととい2月19日(土)で24回です。
真
※クリエイト速読スクールHP
