2007-06-26
なおしのお薦め本(25)男子のための人生のルール
クリエイト速読スクール文演第1期生の小川なおしさんから、お薦め本が届いています。
ピンク色の表紙に金色の表題、この著者名。オチャラケの本かと思いきや、お笑いの要素はまったくありませんでした。著者が、いつものボケを封印してまで伝えたいこととはいったいなんだと思いますか。
この本を中学や高校に通う男の子が読んだら、きっと今後の人生がラクに送れることでしょう。そんな男子のためのルールが、この本には20本あげられているからです。
その中から二箇所、引用します。
初めに11本目の「『我慢』は麹菌なり。『楽しみ』の樽にしっかり仕込め!」から。
「たやすく手に入るもの、あらかじめ用意されたものを、ガツガツと消費する。
その反対に、あとで残っていく思い出が全身に染み渡るよう、楽しみにもわざわざ手間と暇をかける。
どっちが、人生っていう『七つの海』に自力で漕ぎ出していくときにキミの身を助ける態度になるか━━答えは、簡単だろう。
『今が楽しければいいんだ』ってのは若いやつがよく言うセリフだけど、その『今』を楽しくするためにも、オレの持論じゃ、必死になってやる仕込みが必要なんだ。ちゃんと手間暇かけてさ。腰掛けの仕込みじゃダメだよ。
そうやって『仕込みをする』っていうことを自分で当たり前にしていくと、知らない間に体力はつくし、体力がつけば親元を離れて世間の荒波にもまれたときにだってなんとか渡っていけるようになる。
なにより、キミは一生楽しいことに不自由しなくなるよ。だって、『楽しいこと』を発見するセンサーはビンビンに、いつも現役状態に磨かれているってことなんだから」
「グレたり、ヒネたりしているやつら自身も、家族のことで辛いことがあったり、世間に対して怒りがあったり、なんかそれぞれ毎日がつまらないっていう不満があるんだろう。だからといって、満たされないものを得ようとしてたやすいお楽しみにガツガツすんな、がっつくことで不満を埋めようとすんな、って思うんだよ。
そういう『ガツガツ』は『今が楽しければいい』につながってる。内海の狭い湾内だけで手に入るお楽しみしか知らないで、外海に出るなんて思いもよらねえ人生になっちゃってる。
海は広い、世間は広い。漁港のちっさい湾内だけを見て『これが海だ』なんて勘違いするなよ。そんなところの魚なんて小さいぞ! 内海を一歩でれば、スケールもはかれないくらいな大海原が広がっているんだ。でかくてすごいうまい魚がウヨウヨしてるぜ! どうせなら、その広い海に出て行けよ」
チカラ強い言葉ですね。
次は15本目「場所を選ばず、社会科見学をしろ!」からです。
「世の中には『おいしい仕事』と『おいしくない仕事』があると思ってるやつがいる」
「『これっておいしくないよなぁ』なんてキミが勝手に思い込んでる仕事をしている人のことって、そもそも、キミはちゃんと見てないだろ。たとえば、ビルでトイレの掃除をしているおじさんのことや、そうだな、掃除といえば新幹線のホーム下でピンクの制服着て行き来している清掃のおばさんたちにはいつも『あんな一見危なそうな場所にいてすげえよ』って思わせられるけど、そういう人のことを、ちょっと目に入れてみな。
そういうおじさんやおばさんが、どんな表情をして、何に笑って、どんなことに誇りをもって仕事してるか、が見えてくるよ。
駅やビルでたまたま清掃中のトイレに入ったとして、そこで働いている人に『ご苦労さまです』『ありがとうございます』ってちゃんとひと声かけてから、トイレを使わせてもらってみな。そのとき、そのおじさんなりおばさんなりがどんなふうにキミに返事を返してくれるか。きっと気持ちよく『はい、どうぞ』って返してくれると思うんだ。
自分が気持ちよく人に返事を返せるなら、その仕事に、自分なりの誇りを持てているってことだと思うんだ。
だから、何がおいしいかおいしくないかなんて基準で世の中にある仕事を決めつけるなよ。どんな仕事にも、すごくいいときと、すごく辛いときがある。それが当たり前。自分が『辛いな……』って思ってるときに人から『ご苦労さま』『ありがとう』って声を掛けてもらうことがどんなにありがたいか、実際に仕事をしてみたら、必ずわかる。
だから、人にも声をかけろ。『自分にはできない、大変そうな仕事だからわざわざ声をかける』んじゃなくて、その人を支えているはずの誇りに対して、敬意を払うためにひと言、声をかけろよ。
それは、いつか必ず、キミにも訪れる『辛いとき』に返ってくるよ」
実際に経験していないと書けない話だと思います。
なおし
いい本そうですね。SEG「速読による能力訓練」でそのうち取り上げてみたいです。
真
