このくやしさはずっと憶えていよう。いつかジャンプするために | 教室ブログ by クリエイト速読スクール

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2013-02-03

『文演』情報

このくやしさはずっと憶えていよう。いつかジャンプするために

 第58期文演12/9/29~12/8アンケートです。

 きょうは、作家志望のRさんです。



    
Rさんの文演アンケート



 
Q.1 当講座をどんな目的で受講しましたか?
  A.1 自分の書く文章の問題点と長所を知りたかった。物語を考えるのがとても好きで、ときどき物語を書いている。ストーリーを考えているときはわくわくするが、それを文章としてかたちにする段階になると完成させるのが苦しくなる。妄想している段階ではとても興奮しているのに、それを再現する力量がない自分自身に向き合い続けなければならない。かたちにしなければ誰にも読んでもらえないから書きたいのに、同時に読み手の評価も怖い。

 昔は人の評価も気にせず、楽しんで書けていたのに。文章を書くことはとても孤独な作業だけれど、没頭し始めると物語の世界に入り込んでいて時間を忘れる。書きあがると朝になっている。そんな充実感が、前は確かにあったのに。そのうち、書くことがわからなくなってしまった。そんなとき、クリエイトの文章演習講座のアンケートを読んでいて、「この講座を受けてみたい」と直感的に思った。


  Q.2 「文演」を受講して文章への印象で変わったことがありますか?
  A.2 
文章は一見どれも同じに見える。絵の上手い下手は誰が見てもすぐにわかるが、文章はひとめではわからない分野らしい。だから文章は損だな。と正直な話、思う。悔しいな、と感じることがよくある。だが圧倒的に上手い文章に出会うと、「読まされてる」なんて感じない。「ああ、読まなきゃいけない、めんどくさいなあ」なんて微塵も思わない。勝手に目は文を追い、自動的に映像が再生され、音を聞き、匂いを感じ、その世界に入り込む。

 文章自体に魅せられることもある。リズミカルな文体が心地良い。ときめきを感じる。そういうときに感じる興奮は、上手い絵を見たときに感じるときめきを凌駕するものがある。素晴らしい書き手には才能と感性がある。文章は努力で磨けるものではない。上達したかどうかもわかりにくい分野だ。そう思っていた。

 「文演」を受講して、その考えが変わった。過去の生徒さんの作品の一作目と二作目を読んで、本当にこれは同一人物が書いたものなのかと、驚いた。同時に興奮もした。先生のダメだしで、メキメキと力をつけていく生徒さん達の作品そのものが成長物語のようにもみえて、わくわくした。

 読みやすい文章は、理屈よりも書き手の感性やセンスによるものが大きい。言葉では説明できないもの。そう思っていたが違った。読みやすい文章にも読みにくい文章にも、そこに確かな理由があった。言葉は感性の表現と同時にロジックでもあるんだ。どこが読みにくいのか冷静に分析するのってカッコイイぞ。謎解きみたいだった。 


 
Q.3 宿題の「要約」はどうでしたか?
  A.3-1 「授業前」
 難しかった。手をつけるのが怖かった。なかなか手をつけられなかった。いざ取り組み始めると、自分自身と格闘するような気持ちになった。字数制限という縛り。近づく締め切りへの焦り。まさに著者の「作法」をそのまま実践している実感があった。どこが書き手の一番言いたい部分なのか。線を引いて何度も読みこんだ。重要なキーワードを取り落としていないかという不安もあった。

 パズルを解いているようで、理系の脳を使っている気がした。まるで仕事をしているような気分だった。プログラムを書く時に近い、ロジックとひらめきが必要に思えた。プログラマーだがプログラミングが苦手なので、課題が苦しかった。だが、そんな苦しみの中にも喜びがあった。前半の厳しい字数制限の中で文章を磨くのが楽しかった。余分な言葉をどんどんこそぎ落としてシンプルにすればするほど、文体のリズムが良くなる。母に読んでもらっても「わかりやすい」と言ってもらえて、少し自信が持てた。最後のあたりに「ん?」と思える個所があってすっきりしなかったが。

 問題は後半だ。致命的にわかりにくい。自分の言葉で書く個所は極力少なくする、というルールを聞いて、課題の文章を全部そのまま抜き出さなければいけないと思い込んでいた。それでとても苦しんだ。言葉をそのまま抽出しただけの文章は、論理的ではないように思えた。頭を抱える。わかりやすく文章を変えたり、整えたり、意味の通ったものに書き換えてはいけないような気がした。そのまま抜き出して組み立てる。でも要約だけ渡された人には意味のわからない文章だろうな。歯がゆいのに、どうしたらよいのかわからなかった。

 
A.3-2 「授業後」 授業後に強く実感したことがある。今回の要約は、普段書いている小説の仕上がりそのものだった。要約の前半部分はあっというまに書けたが、後半部分は時間をかけたわりに納得のいかない仕上がりだった。趣味で小説を書くときも、書き出しの部分は良いのだが、後半になればなるほどグダグダになっていって収拾がつかなくなる。時間をかけ、苦労して書き上げるが、そのわりに良い出来ではない。

 私自身がそのまま映し出されていた。要約は鏡だった。褒めていただいた部分も、指摘いただいた部分も両方嬉しかった。指示語などを使うのが怖くなったけれど、弱点を知れて良かった。要約には長所も短所もあった。なんだか人間ぽいな。でこぼこがあって。そうやって皆の要約を見渡すと、個性が感じられる。同じ課題で、短い字数制限があるのに、それでも個性が出るんだな。おそらく本人は出そうとはしていないだろうに。

 「この人のこの部分、すごくいいな!」「私が苦しんだ後半部分がシンプルにまとめられてる。凄い!」「皆の良い部分を繋ぎ合せた要約を作ってみたい。わくわくする!」

 授業中、そんな高揚感を感じた。皆とはほとんど会話はしなかったけれど、同じ船に乗っている仲間だったんだなと思った。要約からその人自身の内面を垣間見れたような気がする。それが嬉しかった。

 今回の要約は文章そのものを抜き出してこなくてはだめだ。下手に変えてはいけない。そこで思考が停止していた。指示語までそのまま抜き出した要約をした。おまけに同じ単語の連発が良くないと習っていながらも、「変えてはいけないという縛り」に囚われ、直すことを恐れた。

 自分自身で思い込みや限界を作って思考を停止させ、ジャンプしなかったんだな。ちょっぴりくやしい。要約やりなおしたい。自分の言葉でまとめてみたい。今となっては後の祭りだが、このくやしさはずっと憶えていよう。いつかジャンプするために。


  Q.4 全体的な感想をお聞かせください。
  A.4 
思い切って受けて良かった。授業のプリントの復習を繰り返さないと、ものにはできないぐらいの情報量だった。だから今の時点で自分の文章が上達したとは思っていない。身につけようと意識する過程と読書の経験が必要だと思う。自分との戦いはこれからなのだ。

 小説の最初にある情景描写を読むのが面倒だと思っていた。「風と共に去りぬ」の情景描写も読み飛ばしていた。それより心理描写やセリフに注目して読んでいたのだ
「タラの情景が目に浮かぶようで、そこが素晴らしいんじゃないの!」 と力説する母を理解できなかった。

 私は文章の味わい方すら知らなかったのだ。なんてもったいない読み方をしていたんだろう。これからは文章の読み方が変わりそうだ。書き手の表現力不足のせいで、読み手が置いていかれてしまうのもまずいのだと知った。書き手は自分が言いたいことがわかっていても、読み手には伝わらない。授業でそれを痛感した。

 
先生、スタッフのみなさま、 要約の提出の際には、文章を打ちなおしていただき、お手数をおかけして申し訳ございませんでした。本当にありがとうございました。文演は終わりましたが、これからもよろしくお願いいたします。 

 
Rさんには、まだ受講7回の速読を、とにかく100回までの受講をおすすめします。

 片道1時間はかかる遠方ですが、よき書き手を目指すなら、今年Rさんが格闘すべきは教室での速読トレーニングになるはずです。

 トレーニングへの取り組み方、通い方などは、ブログを見ていただければわかることです。ただ、このアンケートと今後のことで10分ほどやり取りできたらと思います。時間をみて、事務室におたずねください



 第59期文演受講生のみなさま、宿題提出期限2月23日(土)が迫ってきています。

 全力を尽くして、750字要約に挑戦してください。

 きのう前半の4回折り返し地点を回り、18名全員が1回の休みもなく続いています。珍しいクラスです。  
 

   




              ※クリエイト速読スクールHP

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