人生の贈りもの、ノッポさん | 教室ブログ by クリエイト速読スクール

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2007-05-22

日々の感想

人生の贈りもの、ノッポさん

  先週、朝日新聞に5日間にわたり高見のっぽさん(73)がインタビューされていました。

  夕刊のなかの「シリーズ・人生の贈りもの」で、5/14(月)~5/18(金)まで掲載されていました。  

  ノッポさんについては、4月13日(金)のブログノッポさんの読書体験で紹介しています。

  今回は、「読書」ではなく人生について。

  「人生」などというワードは、それなりの内容が書き込まれていないと笑止千万になってしまいますが、ノッポさんの人生論は胸に響くはずです

 

  ――NHKの子ども向け番組「できるかな」で、ノッポさん役を20年以上つとめました

  実際は細々とやってました。24歳からずーと売れない役者をやって、32歳でノッポさん。やっと芸人として確立はできたけれど、貧乏でした。ノッポさんだけでは、とても暮らせるギャラなんてもらえなかった。かみさんや兄や姉、周りの人に迷惑をかけつつ生きてきました。

  それでも他の仕事はみんな断っていた。私は気が小さくて、かっこつけのだめな人なんです。違う仕事をして失敗して、ノッポさんのイメージを傷つけることを恐れていたんです。

  それがある日、そこまでして守ってきたノッポさんを、自分自身が否定するようになった。

  ――ノッポさんがノッポさんを否定?

  40歳になった時です。もうひとりの私が、「ノッポさんの帽子取って、個人になったときに、あなたはどういう人ですか?」と聞き始めたんですよ、私に。(略)

  ――どうやって危機を脱出したんですか

  2年たったとき、さんざん憎らしいことを言っていたもうひとりがこう言った。「今までは何にもありませんでした、と決めたらどう?」とね。明日からは思い切って何でもやってみたら。やってみると案外何かあるかしれませんよ、と。「本気じゃなかったから失敗した」っていう言い訳はなしにして、一生懸命やりましょうよ、と。その日から明るくなりました、ぱーっと。

  それでやってみたら、できたんですよ、ハハハ。今までならやれそうもないと避けたような仕事も、やってみたらほめてくれたほうが多かった。今まで怖がって失敗を恐れてばかりいて、損したなと思いましたよ。

  ――脚本や絵本、作詞など、書く仕事もたくさんされてます

  40歳で悩んだあと、「なんでもやろう、ただし一生懸命やろう」と決めました。最初がテレビ番組の構成台本書き。絵本を書くようになったのは、振付師としてかかわった番組がきっかけです。3人で絵本を競作するという番組で、「お前も書かないか?」と言われて書いてみたらほめられた。そこらへんからですね。

  収入は増えました。ノッポだけだったのが、ノッポを3割とすると、あとの7割は台本書きなどになったんです。でも他の人の何十倍もの努力をしたと思う。頭の毛も抜けました。

  ――何が大変だったのですか

  私はたくさん本を読み、良いものにたくさん触れてきています。だから自分が書くとなると真摯なんです。とにかくたくさん読んだのは中学3年から高校1年にかけてですね。戦時中の疎開先が岐阜のお寺で、住職が早稲田の文学部の助教授を退任した人だったんです。本が手に入りにくい時代でしたが、そこの書庫にはその人が一生かかって集めた本があった。古今東西の小説を、片っ端から夢中になって読みました。今でもあのおもしろさをよく覚えています。

  一緒に仕事した子どもたちには本をプレゼントする。すると、特に男どもは「ああああー」ともだえ苦しんでる。でもページをめくるうち、だんだんと興味を持ち始めるんです。読めば絶対、おもしろいわけだから。どんな子どもたちも、本のおもしろさを知れば、ゲームなんか、しない、しない。(略)

  ――子どもとの接し方のコツを教えてください

  幼稚園の先生によく「ノッポさんはどうして子どもの心がよく分かるんですか」と聞かれますが、私は子ども相手と思ってやったことはありません。「できるかな」のノッポさん時代から本気でやっています。だから伝わる。あれを見て大きくなった人たちが、講演に呼んでくれたり、「子どものころ番組を見てデザイナーになりました」と言ってくれたりします。うれしいですね。

  自分が小さかったころをよーく思い出してみるといいのです。実に賢かったと思いませんか。私は大きい人が自分に対して何を言ったか、どういう態度をとったか、非常によく記憶しています。小さい人は決して見下すような相手じゃないでしょう。

  思い悩むことはありません。丁寧に礼儀を尽くして接すればいい。(略)

  大きい人にはなあなあでいいことも、小さい人には通用しない。本音と建前がからむことでも、「君が正しいが、そこをがまんしていただくと私が助かります。今日のところは協力していただけないか」と、そのくらいまでやらなくちゃいけません。意味は分からなくても、大人がきちんと話してくれていることは分かるものです。 



                                         (聞き手・友澤和子記者)

 

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  ノッポさんの読書論、親論があります。
 

  






              ※クリエイト速読スクールHP

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