なおしのお薦め本(1)孤独と不安のレッスン | 教室ブログ by クリエイト速読スクール

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2007-01-31

小川なおし「作品」&お薦め本

なおしのお薦め本(1)孤独と不安のレッスン

 小川なおしさんから、お薦め本が届いています。


  孤独と不安のレッスン』 
                                                                   
鴻上 尚史

  生きる勇気を与えてくれる本だ。いじめられている人、人間関係に困っている人に、特におススメしたい。

 孤独と不安は、できればどちらも味わいたくない、という類のものである。しかし、孤独と不安を避けようとしてとる行為(気の進まないつきあい、電話、メールなど)で、実は我々はダメージをこうむっている。

 「一番大切な疑問、それは、『自分は何がしたいんだろう?』ということです」

 それを知るためには、自分と向き合う必要がある。著者が勧めるのは一人旅(できれば一週間以上、なるべく何もない観光地へ行くこと)。

 「一人でいることはみじめ」と思って友だちとつきあっていると、自分と向き合う時間がなくなってしまう。

 著者の指摘は鋭い。

 「一人は淋しい」と思ってしまう原因は、子供の頃に歌った「1年生になった~ら~、友達100人できるかな」という歌が刷り込みになっていることではないか、というのだ。これはまったく気づかなかった。確かに、友だちが多ければ多いほどいい、ということになったら、問題が起こった時に多数派につくのは当然のこと。

 著者は大学で教えてもいるのだが、積極的に孤独と不安と向き合うために、一人で暮らせと学生に勧めているそうだ。

 「たぶん、年を取れば取るほど『孤独と不安』は増していくんだ。だから、エネルギーのある若いうちに『孤独と不安』に耐えて、慣れる練習、やりすごす練習、負けない練習をしておくことが、人生の智恵だと思っているんだ」

 最後に、著者が学生に言いたいこと(たぶん実際には言っていない)を引用する。

 「どうか君の人生で、『孤独と不安』をごまかすために、“怪しげな宗教”や“体だけを求める男”や“金だけを求める女”や“断定する占い”や“勇ましい国家論”や“密着する家族”や“詐欺のような金儲け”や“社畜が好きな会社”にすがりつくことだけはないように」

 親身な言葉って、こういうものを言うのだろう。 おし 






 
『哲学のおやつ ゆっくりとはやく』

  ブリジット・ラベ(作家)とミシェル・ピュエシュ(大学教授)著  高橋啓 訳

 

   フランスの子ども向けに書かれたシリーズの一冊。子どもの悩みを、リラックスして考えさせることによって解決に向かわせよう、という目論見のようだ。

  この本には「ゆっくりとはやく」「笑うと泣く」という二つのテーマが収められている。前者では時間について、後者では感情について、子どもの日常生活に即して書かれている。前者から気になる文章を引用してみる。

   「時間とは、変化することであり、移り変わること」

   「だれも、自分のどこがそのまま残るのかわからないから、不安なんだ」

  「人間は時間を生きているのではない。生きているということは、過ぎていく時間をうまく使っていくということだ」

  「時間の使い道がいつも他人に決められていると、まるで時間がないような気分になる。ということは、本当の時間は自由時間にあるということだ」

    「人生を得するということは、いつも時間をうめ、忙しく暮らし、やたらにたくさんのことをすることなのだろうか」

   「時間を大切に使うということは、あまりに重いものをかばんにつめないようにするということだ」

  このような文章が、具体的な物語の中に登場するので、子どもにもわかるようになっている。

  私が気に入ったのはこの一文。

  「自分の過去が好きになれるって、とても大事なことだ」

  ああ、そのように今を過ごしたいなあ、と思う。 なおし

 

 

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