2007-02-05
なおしのお薦め本(2)プチクリ
小川なおしさんから、お薦め本が届いています。
『プチクリ』 岡田斗司夫著
プチクリとは、著者の造語で、プチ(小さい)クリエイターの略称です。この本は、読者にプチクリになることを勧めています。
クリエイターというと、どうしてもプロのことを思い浮かべてしまいます。けれども、著者はプロになることを決して勧めません。理由として、プロになれる確率は極めて低いこと、プロはやりがいのない仕事もこなさなければならないことをあげています。プロになることが到達点、ではないのです。
「楽しく前向きな気持ち」
クリエイティブにはこれが一番大切だそうです。苦しいプロクリより楽しいプチクリ、ということです。
プチクリになるには才能が必要です。才能というと尻込みしてしまいますが、心配いりません。
『「興味がない=才能がない」「わかること・興味があること=才能がある」』
才能のあるなしについてのハードル設定が低いのです。
まずすることは、好きなことを書き出してみること。これを著者は「才能埋蔵マップ」と呼んでいます。次の段階は、その好きなことを組み合わせて表現すること。表現を著者は「自分の好きなことをオノロケすること」と説きます。
「自分が好きなこと。それをやってみる。やるだけでなく、続ける。できたら作品を人に見てもらう。これが才能を引き出すには、もっとも簡単な近道なのです」
「見てもらう」のだそうです。急に大変な壁が立ちはだかってしまいました。はたして自分には人様にみて頂けるような表現力というものを持っているのだろうか。いや、ない。
シュンとしたところで、著者は「表現力=才能×コントロール力」という式を提示します。「才能にはそれを使いこなす精神力が必要」なのです。才能に恵まれていても、コントロール力がなければうまくいきません。逆に言えば、あまり才能に恵まれていなくても、コントロール力があればうまくいくということなのです。
「よく自分を『才能がない』と言う人がいますが、そういう人は『あんまり時間を使っていない』という場合がほとんどです」
どうやら、コツコツと地道に続けることが大事なようですね。
「クリエイティブな能力を最大限発揮するために必要なもの、それは才能ではありません。それは『決意』と『自覚』です」
「どれだけ本気で決意できるか。どれだけ腹の底から自覚できるか。必要なのは、たったそれだけです」
著者は、自分はプチマンガ家だ、プチ歌人だ、プチ芸人だ、プチシェフだなどと決意するだけだと説きます。
「自分だけ楽しんでおしまいでは、単なる趣味。プチクリとはいえません」
「自分なりのクリエイティブ作品・クリエイティブ行動でみんなを楽しませること。あなたの好きという気持ちをみんなに伝えること。これだけが、プチクリの絶対法則です」
なんだか、できそうな気もするし、できなそうな気もする話です。ただ、「自分は才能がない」と、やる前から諦めがちな人にとって、肩をポンと叩いてくれるような話であることは確かです。
なおし
