2016-01-05
じっくりと読み書きをする時間を取ることができたこと自体が収穫
第64期文演(15/9/26~12/5)アンケートです。
きょうは、Uさんの紹介で入会したMさんです。
Mさんの文演アンケート
Q.1 当講座をどんな目的で受講しましたか?
A.1 ・文章の構造が分かるようになると、さらに読解が速く・深くなると考えたため。・仕事での文章作成に活かすため。・「おもしろい文章」「よい文章」とは何かを学び、文章の善し悪しを判断できるようになりたいと考えたため。
Q.2 「文演」を受講して文章への印象で変わったことがありますか?
A.2 受講前は、わかりやすい、論理的である、独特の調子や言葉遣いのくせを持っている、臨場感がある、といったものを「良い文章」だと感じていたように思いますが、受講後には、基本的な構造や言葉の使い方、書き方のルール、書く深さや分量のメリハリなど、文章が読者に与える印象を左右する要素は非常に多く、もっと複雑に関わり合っているのだと感じました。細かいところから大きな構造まで、作家の方がどれだけ心を配っているかということを感じることができ、さらりと読めて、読みながらイメージが湧いてくる文章は、実は何度も推敲を重ねられたものなのだということを実感できました。
また、読みにくい、わかりにくい文章を読んで「なんだかもやもやするな」と感じていた点について、主に初回と2回目の授業の中で「このような理由でこの部分が良くない」「こうすると良くなる」と具体的に指摘をされたことで、そういうことだったのかと腑に落ちることが多く、どうすれば文章は良くなるのかということが以前よりすっきり理解できました。
Q.3 宿題の「要約」はどうでしたか?
A.3-1 「授業前」 原文の話の骨子と、筆者の語りに熱がこもっているように感じられるところはどこかを探しながら読んでいきました。要点は早い段階で拾えたと思ったのですが、論理構造がどうなっているのか判然としない箇所があり何度も読み直して書き直しました。読んで骨組みを作った後はすんなり書けるかと思いましたが、実際には非常に時間がかかり、書きながら読み返してみると大事な点はここではないのではないかと迷うこともあって、要約の最初と最後の段落は直前に大幅に書き直して提出しました。
A.3-2 「授業後」 前半で一つの言葉を使いすぎているとご指摘をいただきましたが、自分が一番迷って何度も書き直したのは最初と最後の段落、そして原文の後半部分だったため、前半の欠点には推敲のときにも提出後も全く気付いておらず、自分の文章を客観視できていなかったなと反省しました。振り返ると、論理構造に気を取られすぎて、文章の読みやすさや冗長さをなくすことに無頓着だったと思います。他の方の要約も読ませていただいたところ、たしかにキーワードはこれではなく別のもので、もっとさらりと読めるようにまとめてあり、自分の文章は整理がついていなかったなと理解できました。論理に偏っている読み方・書き方だということを改めて指摘していただけたのは非常に大きな収穫でした。
また、他の受講生の方の文章の中に、自分は完全に切り捨ててしまっていた箇所も取り入れて簡潔にまとめている文章がたくさんあり、非常に勉強になりました。同じ文章を読んでも人によって抜き出す箇所が違うというのをブログのアンケートでも読みましたが、抜き出し方もまとめ方も、文章の書き方も、人によって全く違うのだなと実感しました。
Q.4 全体的な感想をお聞かせください。
A.4 初めはよりよく読むため、そして仕事上の文章作成に活かすため、ということを考えて文演を受講したのですが、今回の受講で文章を読み込むことと書くこと全般について非常に深く学ぶ機会を得られて、仕事に限らず文章をもっと読みたい、書きたいという思いが強くなりました。仕事の中でやり取りをする文章の質を高めることはもちろんですが、自分の考えたことや日々の出来事、本で読んだことなどを文章にするということを少しでも習慣にして、仕事以外でもこの講座を活かしていくことができればと考えています。
社会人になって様々な文章の形に触れる機会が増えましたが、形は違っても基本的なことは同じなのだろうと感じ、基本を押さえたうえで様々な文章に応用していく必要があると感じました。今回の受講で自分の文章の癖や考え方の癖も分かってきたので、そのせいで読みにくくなっている箇所は早速修正をしていきたいと思います。また、仕事で文章を読む上でも、書き手がどのような人なのかを考えたり、どのような文章なのかを判断したりする上で貴重な材料を得られたと感じています。
このような講座を受講するのは初めてだったので、最初はどのような授業なのだろうかと思い不安な面もありましたが、最初から最後まで非常に楽しい授業でした。一つの文章をじっくり読みこんでじっくりとアウトプットする、ということが大学時代には頻繁にあったのですが、仕事を始めてからは短時間に多くの情報を取り込むような読書に傾いていたように思います。8回の授業の時間と予習復習でじっくりと読み書きをする時間を取ることができたこと自体が収穫で、非常に充実した数か月を送ることができました。ありがとうございました。引き続き速読も通って深く読み込める力をつけていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
アンケートをご覧いただくとわかるように、さすが、Uさんが紹介してくれたMさんでした(Uさんから後から聞いたのですが、東大文学部卒でした
)。
MさんとUさん、2人に共通するのは、内輪話的なものでその場を一瞬盛り上げるのではなく、自分が取り組んでいることへの本質に腰を入れて迫ろうとしていることでしょうか(Uさんについて、何回かそういうことを書いた記憶があります)。
「自分が一番迷って何度も書き直したのは最初と最後の段落」に関しては、いいものを読ませてもらったという内容でした
要点をすべて把握しているという点では、完璧といってよい要約でした。
真
