2011-01-03
完成度の高いものにするのは非常に難しいと感じた
第53期文演(10/9/25~12/4)アンケートです。
2011年、文演最初のアンケートは、「こんな虎の穴が池袋にあったとは」のTさんです。
Tさんの文演アンケート
Q.1 当講座をどんな目的で受講しましたか?
A.1 目的らしい目的はなく、とりあえず面白そうだったので、細かい内容は何も確認せず申し込んだ。クリエイト受講生限定の裏メニューという感じだったので、確実に何か学べるのではないかという期待感と、「速さ」の次は「深さ」かな、といった程度の認識しかなかった。
Q.2 「文演」を受講して文章への印象で変わったことがありますか?
A.2 こんなにも伝えたいことは伝わらず、伝えたくないことは伝わってしまうものだとは思わなかった。受講前は、内容が伝わっているのは8割程度、書き手の能力・人格は2割程度伝わっているのではないかと思っていたが、文演で全く書き手を知らない状態で読むと、その比率は逆に近いのではないかと感じた。プロファイリングができそうなくらい、書き手の能力、人格まであらわになってしまうのは恐ろしいと思ったが、同時にそこが文章の面白さなのかもしれないと感じている。
Q.3 宿題の「要約」はどうでしたか?
A.3-1 「授業前」 さらっと型通りにするのは簡単だが、完成度の高いものにするのは非常に難しいと感じた。特に迷ったのは、要約ではどこまで自分の言葉を入れることが許されるのかという点。自分なりに咀嚼してまとめた方が効率的な文章になるかもしれないとも思ったが、結局原文の表現は殆どいじらないままにした。いじってしまうと原文のテイストを損ねることにもなり、そもそも自分が下手な解釈をしたものが正しいとは限らず、中途半端な解説のようなものになるおそれもあると考えたので。ただ、出来上がったものは文章の切り貼りのようでもあり、どうすれば良いのか最後まで悩んでしまった。もっと踏み込むべきだったのではないかと後悔している。授業では厳しい指摘を受けそうだが、それでも早く確認したい。
A.3-2 「授業後」 自分の文章の特徴を指摘されてしまったのには、その鋭さに驚いた。自分の要約は、原文を言葉も順番も殆ど変えることなく行ったものなので、自分自身の気配はかなり消していたつもりだったのに、ひょんなところに出てしまうものだと思った。その他の受講生の要約も様々で、オリジナルの文章でないにもかかわらず、その人の個性が出ているところが面白かった。
激論があったわけでもなかったのに、松田さん+生徒17名の静かな熱に酔ってしまったというか、最終回のあった夜は、自分も午前3時頃までなかなか寝付けなかった。最後まで不思議な授業だったと思う。
Q.4 全体的な感想をお聞かせください。
A.4 文章を意識して学ぶことは、作家やマスコミ志望の人以外はなかなか行わないと思うが、文演は年齢・職業・動機問わずオープンに受け入れてくれる、非常に貴重な場だと思う。また、学校の作文や小論文も、特に明確な枠組みに基づいて教わるものでもなかったし、そもそも学校を卒業してからかなり経っているので、自分にとっては久しぶりに「勉強」した気分だった。普段会社などで研修は受けているのだが、どうしても覚えることが中心になり、考える授業があまりないからかもしれない。
日常の業務ではかなり大量のメールをやり取りしているので、連絡作業としてはある程度出来ているつもりだったが、それも怪しいものだと気づかされた。考えてみると、自分が普段業務で接している人々のバックグランドはかなり広いので、本当は高度な文章力が必要とされるのかもしれない(普段やりとりしているのは、弁護士・法務部、エンジニア、外国人(海外現地法人の従業員・取引先)など)。メール程度でも相手の言いたいことを完全には理解できておらず、また自分の伝えたいことも伝わっていないかもしれないと反省した。
文演を通じ、相手がどういう意図で書いているのか推察するようになったし、また自分の文章も読み手を考慮したものに少しは改善してきていると思う。
ブログに取り上げていただいた際、私が週末にしか通えなかったことなど、細かいところまで気づいてくださっていたのにはびっくりしました。実際に個人的にお話したのはさほど多くなかったのに、いろんなことが読まれてしまっているんですね(笑)。
今年は思いもかけずクリエイトに熱中した1年となりました。ちょっとハードだったので、速読はしばらく休憩しますが、またお世話になると思います。断続的でありながらも長いお付き合いになりそうですが、今後ともよろしくお願いします。
Tさんのような人物が、クリエイトで速読と文演を受け、ある程度の満足感を得てくれたことに、ここまで来ることができたかという感慨を覚えます。
教室での受講態度からも配慮の行き届いたひとと感じていたのですが、速読&文演アンケート、そして今回の宿題を読んで、凄みさえ感じました。
教えている者が誰よりも学んでいる、という一文を思い出します。
真
※クリエイト速読スクールHP
・2010-09-28「こんな虎の穴が池袋にあったとは」
・2010-11-14「努力対効果が高いことが実感できていたので楽しく通えた」
