なおしのお薦め本(98)『自分と向き合う心理学 意志心理学入門』 | 教室ブログ by クリエイト速読スクール

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2010-01-29

小川なおし「作品」&お薦め本

なおしのお薦め本(98)『自分と向き合う心理学 意志心理学入門』

  クリエイト速読スクール文演第1期生の小川なおしさんから、お薦め本が届いています。
 

自分と向き合う心理学 意志心理学入門

                         
 田嶋  清一


 さっそくですが、170頁と171頁を引用します。

  《……私たちは人間関係で、嫌なことを言われて腹を立てたりします。そんなとき、「嫌なことを言われたのだから、私がこうして腹を立てるのは当然だろう」と思うことがあります。

 すると、その思いはさらに進み、「相手のせいで腹を立てているのだから、相手は何らかの制裁を受けても当然だろう」と思います。すると、その思いは雰囲気を通して相手に伝わり、相手も腹を立てます。そして互いの心で戦いが始まり、無視や当てこすりの応酬となって「戦いの泥沼」にはまり、抜けられなくなります。

 私たちが最も苦しみを感じるのが、この「戦いの泥沼」ではないでしょうか。だから、この泥沼にはまって消耗してしまわないように、八方美人や完璧主義を選び、嫌なことを言われないよう、うしろ指をさされないようにしています。しかし、これらのパターンが、やがて煮詰まって、人嫌いやアパシーを産み出し、チャレンジ精神を失わせてしまうのは、すでに見てきた通りです。

 ところで、ここで振り返って考えてみて、「嫌なことを言われたら、腹を立てて当然だ」と思っているから腹が立ってしまうのだ、と考えることができたらどうでしょうか。そして「嫌なことを言われた」と「腹を立てる」の間にワンクッション置けるとしたらどうでしょうか。

 つまり「相手から嫌なことを言われた」としても「腹を立てて当然だ」ということにはならない。どんな嫌なことを言われても、その言われたことに影響され、連動して腹を立ててしまうのではなく、腹を立てるのか、立てないのかは、自分が自分の意志で自由に選ぶことができる、としたらどうでしょうか。自分が相手に言いたいことは、腹を立てなくても工夫次第で言えるはずですから。

 相手が嫌なことを言ったとすれば、それは相手の問題です。自分の問題は、相手が言った嫌なことに巻き込まれて、腹を立てるか、立てないか、そして自分が言いたいことをどのように言うか、です。

 嫌なことを言う相手とは、よく観察してみれば、昨日もやはり嫌なことを言ったでしょうし、今日も予定どおり嫌なことを言う、おそらく明日も嫌なことを言う人かもしれません。その人がそんなふうに嫌なことを言うのには、きっと何か深いわけがあるのでしょう。相手をじっくり研究してみるチャンスかもしれませんね。

 こんな立場に立てたとき、私たちは「戦いの泥沼」から少し解放されるのではないでしょうか。》

  これは、この本の後ろ三分の一を占める講演「楽になるためのメンタルヘルスセミナー」からの引用です。前半の理論の部分は少しむずかしいです。でも、この講演部分を読むだけで著者の言いたいことはわかると思います。引用部分を読んで納得した人は、本全体を読むと、もっと楽しめるはずです。     なおし   



                          
  ※クリエイト速読スクールHP 




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